一人暮らしでかかる税金のお話

初めまして、じまと申します。
昨年の12月から扶養を抜けて単身世帯主として生活しています。新生活を始めるにあたって、税金や保険料などについて色々と調べたため、備忘録として記事に残すことにしました。

私の現在の状況はこのような感じです。

  • 大学4年生(休学中)

  • 2021年12月から扶養を抜けて世帯主として一人暮らし

  • 奨学金が止まったのでアルバイトの掛け持ちで生計を立てている

  • 実家からの援助は一切なし

  • 来年度(大学院)の授業料免除を受けたい

授業料免除を受けるためには、収入が一定以下である必要があります。このため、本記事は『所得制限ぎりぎりを攻める低所得単身世帯主』の視点での記述となります。ご了承ください。

世帯主として払わなければならないお金の種類

世帯主として払わなければならない公的なお金は大きく分けて、以下の4種類があります。

  1. 国民年金

  2. 住民税

  3. 国民健康保険料

  4. 所得税

それぞれの税金の算出方法などは微妙に異なるため、順に説明していきます。

1. 国民年金

言わずと知れた、成人した人全員が払うことになるお金です。令和4年度の国民年金保険料は月額16590円です。保険料の支払わない場合は年金を受給することができなくなります。

年収が128万円以下(社会保険料控除等を含む)の学生の場合、学生納付特例制度を用いることで在学中の保険料の納付が免除されます。また、10年以内であれば免除されていた保険料を遡って納付することが可能です。

2. 住民税

住民税は住んでいる市に収める税金です。年の途中で引っ越した場合は、その年の1月1日に住んでいた市に収めます。住民税の算出方法は場所によって微妙に変わってきますので、今回は東京都調布市のシステムを基準に紹介します。

住民税は均等割と所得割の2種類が存在します。均等割は一人頭固定の金額が、所得割は収入に応じた金額が課されています。調布市の均等割は年5000円(市民税3500円 + 都民税1500円)で、所得割は前年度の合計所得金額の10%(市民税6% + 都民税4%)です。

ここでの合計所得額とは、一年間で得た収入から各種控除を適用したものです。代表的な控除とその金額をいくつか紹介します。

  1.  基礎控除:43万円

  2.  勤労学生控除:26万円

  3.  社会保険料控除:前年に支払った社会保険料の額

  4.  医療費控除:医療費の自己負担額 - 10万円 または 総所得金額の5%

1の基礎控除は全員が受けられる控除です。
2の勤労学生控除は、合計所得が65万以下かつ給与以外の所得が10万円以下の学生が受けられる控除です。年収で表すと、134万円(65万円 + 43万円 + 26万円)以下となります。
3の社会保険料控除は、前年に支払った国民年金保険料や国民健康保険料等の社会保険料の額の控除です。
4の医療費控除は上記の2条件のうち金額が大きい方が適用されます。

単身世帯の場合、均等割と所得割は以下の条件を満たすことで非課税となります。

  • 均等割:合計所得が45万円以下

  • 所得割:総所得金額が45万円以下

総所得金額とは、収入から純損失等の繰越控除を適用した金額ですが、自営業でない場合は合計所得と読み替えても問題ありません。

収入額で考えると、均等割と所得割ともに114万円以下なら非課税となります。

3. 国民健康保険料

国民健康保険料は医療費に充てるための保険料となります。会社等の社会保険に加入していない国民は、必ず国民健康保険に加入する必要があります。前年の所得をもとに、4月に一年分の納税通知書が届きます(月払いは可能)

国民健康保険料には医療保険分と支援金分の2つの分野が存在しており、それぞれ均等割と所得割の2種類から構成されています。

医療保険分は均等割が27600円で、所得割が算定基礎額の5.25%です。支援金分は均等割が9800円で、所得割が算定基礎額の1.88%です。算定基礎額とは、収入に55万円の給与所得控除と43万円の基礎控除を適用したものになります。

単身世帯の場合、以下の条件を満たすことで均等割が減額となります。

  • 7割減:所得(収入に給与所得控除を適用したもの)が43万円以下

  • 5割減:所得が71.5万円以下

  • 2割減:所得が95万円以下

収入額で考えると、所得割は98万円以下で0円に、均等割は98万円以下で7割減(11000円)になります。

4. 所得税

所得税とは、前年の収入に応じてかかる税金です。住民税と同様に各種控除が適用されます。

  1.  基礎控除:48万円

  2.  社会保険料控除:前年に支払った社会保険料の額

  3.  勤労学生控除:27万円

  4.  給与所得控除:55万円

  5.  医療費控除:医療費の自己負担額 - 10万円 または 総所得金額の5%

1の基礎控除は全員が受けられる控除です。
2の社会保険料控除は、前年に支払った国民年金保険料や国民健康保険料等の社会保険料の額の控除です。
3の勤労学生控除は、合計所得が75万円以下の学生が受けられる控除です。年収で表すと、130万円(75万円 + 55万円)以下となります。
4の給与所得控除は給与所得に対して適用される控除です。給与所得が162.5万円までならば55万円が適用されます。
5の医療費控除は上記の2条件のうち金額が大きい方が適用されます。

各種控除を適用した後の所得が1000円以下ならば所得税は非課税となります。1000円を超えた分に関しては、所得の5%を納付する必要があります。

結局いくらまで稼ぐのがお得なの?

各種税金の負担額が一番少なくなるのは収入が98万円以下の場合ですが、国民健康保険料の負担額を考慮すると、収入が114万円の時に可処分所得が最大になります。住民税が非課税の場合、非課税世帯のための給付金がもらえたり、授業料免除にかなり有利になるので、可能な限り114万円の壁は超えないようにしましょう。

感想

税区分によって算出方法微妙に違うの難しすぎる!義務教育で教えて欲しかったと思う反面、中高生の時に教わっても当事者意識の欠如もあってぼんやりとしか頭に入らないのだろうなと感じました。

税制度や補助金等の制度は自分からアクセスしないとかなり損をするので、少しずつでも知っていくことをおすすめします。

記事内に誤りがあった場合はご指摘いただけますと幸いです。最後までお読みくださりありがとうございました。

【おまけ】日本学生支援機構の奨学金(大学院)

日本学生支援機構(JASSO)の大学院の奨学金は、世帯収入ではなく奨学生本人の所得のみを参照するため、ほとんどの人が第一種(無利子)の奨学金を借りられます。

第一種の奨学金に関しては、在学中の実績に応じて半額もしくは全額の返済免除を受けられる可能性があるため、お金に困っていない場合でもとりあえず借りておくとお得です。

また、第一種と第二種(有利子)の併用貸与の条件は、給与収入や奨学金等を含めたすべての収入が284万円以下であることとかなり緩いので、併用貸与で生活費分も借りて研究に専念することも可能です。

世間では悪く言われがちなJASSOですが、条件や利率はかなり良心的なので、上手に利用してみてもいいのかなと思います(JASSOの回し者ではないです!)

参考サイト


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