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ネパール横笛・現時点までにわかってきたこと

ネパールの横笛について、だんだんわかってきました。

「Antic Nepali wooden flute」
“古典的なネパールの木製横笛”と称されるものを見かけたものの、
正式名称もわからず(正式名称がそもそもないらしい)、
チベット、ネパールをはじめ、トルコや東南アジアにも、形状が似たものがあり、画像だけでは明らかにならず、
不確か情報に混乱することが多かったのですが、

とりあえず、ネパールあたりの笛には違いないことはわかりました。

それで、少し前から思っていたのが、
インドの横笛に、バンスリというものがあり、
バンスリとは、本来、竹の旋律を意味する言葉で、基本は竹笛だけれど、

インドやネパールでは、竹製や木製などで厳密に区別せず、
横笛を総称して「バンスリ」と大雑把に呼んでいるのではないかという、疑いでした。

というのも、
ネパールのバンスリ売りが、私と同じ笛を吹いて、竹製バンスリを売っている動画を見かけたり、
かつて、とある博物館で「バンスリ」として展示していたらしい情報を見たことがあったからです。
(意外に博物館でも、微妙に誤解した部分がある笛らしく、いくつかで、まったく異なる名称と国籍、説明をしていることがありました)

土着性が強いものなら、横笛全般を同じ呼び方にすることは、あり得ると思ったのですよね。
笛は笛だ、みたいに。

そうしたら、研究者の友人が、
私が疑ったとおり、少し前の教育用音楽雑誌に、
「ネパールでは、縦笛はムラリ、横笛をバンスリと呼ぶ」
とあることを知らせてくれました。

やっぱり…

この笛については、民芸品のようなものという話が有力ですが、カジュアルに売られているなら、なおさら「横笛は全部、バンスリ」で扱われ、
竹製でないゆえに、海外で混乱が生じているシロモノなのかもしれません。

とはいえ、この笛、
日本の土産物店にあるような玩具ではなく、
作りも装飾も丁寧に頑丈にできていて、
音色も、正式な演奏にも使えるほどに深みのある、れっきとした楽器であり、曲もちゃんと奏でられるし、
デザイン的に、なんらか伝統のものを模している可能性もあります。

音色的に、それなりに独特の風情があり、
自分で練習したものを録音してみて思ったけれど、
特に低音には、牛や羊の声のような…というか、
なんとなく泥臭いような…インドで禊ぎをする川のように、濁ってはいないけれど、澄みきってもいない、みたいな、

西洋楽器的な整った響きとも、
篠笛や笛子とも違う、
牧歌的な印象があり、それが独特の゙味わいになっています。

たぶん、今後の私の吹きこなし加減によって、
泥沼から伸び上がる蓮の花のような情緒になっていくのではと、日々の練習を楽しみに感じています。

まだまだ時はかかるでしょうけれど。


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