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『枕草子』朗詠 第八段「慶奏拝舞」

とても短い段。
叙位を受け官位昇進した者が、帝に御礼言上のため拝賀するさまを、興味深く眺めています。

はじめにこの段を読んだ時、
「舞踏し、さわぐ」とあるので、
なにか、宮中で喜びごとや遊びごとの行事の際、一同舞い歌いながらさがる……という作法があると聞いたことがあり、その様かと思っていました。
しかしそうではなく、個人にとりもっと晴れやかな場の作法で、
「舞踏」とは、舞うように袖を翻し裾を引いて、帝の座に向かい、拝し、そして退く、優美で晴れ晴れしい所作のことをいうようです。
優美で晴れ晴れしく、慶びの旨を奏上するさまが、文面からもにじみだしてきます。

今も、神社の神職の祭祀拝礼や、宮廷楽部の舞楽などの際に、この作法がみられるといいます。

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