見出し画像

初恋

私の初恋は幼稚園。
人生最大のモテ期であった。

とっても大人しく、指を咥えて立っている
控えめな女の子だった。

「○○くんと××くんが1番でパパは3番!」
と言い放ち
「パパと結婚する」と言われたかった父は
ひどく落胆したそうだ。
当時から1位タイの概念がわかってる私賢いのでは?と思わなくもない。

さて、2人好きな男の子がいた私だが
小学校が同じ、片方の子をずっと思い続けることになる。
6年生で初めて同じクラスになり、
隣の席になった時のあのドキドキは忘れられない。
しっかりした男の子で
教科書を1時間目から順番に並べ、
きっちり揃えて机の中に入れるタイプ。
お道具箱の中がグチャグチャな男子が多い中、大人びて見えた。
かと思えば、授業中に鉛筆を井桁型に積み上げて遊ぶ姿はまさに小学生男子であった。

幼稚園から毎年渡していたバレンタイン。
彼の好物はトリュフチョコレートとチーズケーキだつたので、母と一緒に作っていた。
かといって告白する勇気はなく、中学3年生に。
ある日、彼に彼女ができたという話を耳にする。

受験生らしく塾で勉強するものの
自習が捗らないこと。
しかも相手の女の子が気の強い、私の苦手なタイプであったことも相まって余計に落ち込む。
失恋ソングを聴いて泣いた夜もありました。

その後、中学3年生の冬、
初めての彼氏ができる。
初恋の彼とは別の、塾が同じ同級生。
毎日塾に行って自習している中で仲良くなったのだ。
何をやってるんだ受験生の私よ。

初めてのクリスマス。
といっても、時間もお金もない受験生。
近所のスーパーに併設されたパン屋で
クリスマスっぽいパンを買い、
2階にあるスペースで自習をしつつ
パンを食べるクリスマス。
粉砂糖で口の周りを真っ白にしながら、
「砂糖ついてるよ」
「これ綺麗に食べるのは無理だよ」
なんて、笑い合って食べた。

彼のお気に入りクリスマスソング
GReeeeN「冬のある日の唄」を聴くと
あの時のことを思い出す。

もう随分前のことになってしまった
甘酸っぱい思い出なのでした。