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年末年始

今年ももうすぐ終わる。
友人と会うたび
年々 時の流れを早く感じる、といった話をする。
そんな年齢になってしまった。
まだ若い部類に入るはずなのだが。

さて、今回は
私がまだ小さかった頃の
年末年始の思い出を振り返ろうかと思う。


12月31日大晦日。
小学生の頃、
父と共に近所の神社へ初詣に行っていた。
いつも21時就寝だった私にとって
夜中に出歩けるのは貴重。
寒いけれどワクワクしたものだ。

友達同士でワイワイしている人たち。
恋人同士で手を繋いで並ぶ人たち。
家族揃って笑い合う人たち。
たくさんの人が夜中に集う。
様々に願い事をして帰っていく。
ワクワクドキドキの参拝。

しかし、
高学年にもなると、あるものに目覚める。
ジャニーズだ。
皆さんご存知だろうか。
ジャニーズは毎年カウントダウンライブを行い
それがテレビで中継されるのだ。
その年のヒット曲メドレー、
グループの垣根を越えて結成される
その日限りのユニット。
見ない理由がない。
必然的に1人で行くことになる父。
ごめんよ。娘は大きくなりました。

ちなみに。
今となっては
帰省した兄や兄嫁と晩酌するのが楽しみとなり、
父も神社には行っていない。


さて、年始はどうしていたかといえば
1日に父方の実家、2日は母方の実家に行くのが
我が家のお決まり。


父方の実家は農家で山の上。
大雪が降ると行けないのでヒヤヒヤする。
おしゃべり好きで子ども相手の上手な祖父。
口下手だがたくさん料理を作ってくれる祖母。
年の離れた従兄弟に遊んでもらったりもした。

思い出深いのは祖母お手製の五平餅。
皮が分厚くなった手できゅっと握られ、
甘さ強めの味噌ダレを纏って
香ばしく焼かれる。
ふっくらもちもち五平餅。
「五平餅食べるか?」祖母が言う。

ここからが問題だ。
大きめサイズであるにも関わらず、
何本食べてもノルマが達成できないのだ。
要するに、いつも作り過ぎてしまう祖母。
「五平餅まだ よおけ(たくさん) あるぞ?」

おばあちゃん。
小学生は1本食べたらそこそこお腹いっぱいよ。
成人男性も2本でお腹いっぱい。
育ち盛りの兄でさえ、
3本が限界だった記憶がある。

祖母と母と叔母。
総動員で作られるおかずたち。
それに加えてお寿司やオードブル。
余るに決まっている。
それでも沢山作ってくれる祖母。
今となってはいい思い出。

「五平餅のレシピ
おばあちゃんに聞いてないの?」
母に尋ねると、
「聞いたことあるけど、
『この茶碗にこのくらい』って曖昧で。
結局味見してどんどん足してくから諦めた」
とのこと。

今は祖父母共に天国へ。
2度と食べられない祖母の味。



2日、母方の実家へ。
料理上手な祖母の手料理が並ぶ。
既製品はほとんどない。
小学生が大好きな大量の唐揚げ。イカリング。
1人に1つの茶碗蒸し。
サラダに煮物に、おせち料理。
机に並ぶ沢山の料理たち。

ウンチクを語る叔父に対し
適当に相槌を打ちながら
みんなで見る駅伝。
帰ってから、
あの叔父さんお年玉少ない!ケチ!
と言うところまでがセット。
(今思えば贅沢な話だ。)

ご飯を食べた後は
年の近い従兄弟とトランプやカルタをした。
しかし、
彼らが独自のルールを持ち出してくるので
少しずつ遊ばなくなってしまった。
それぞれゲームをしたり、本を読んだり。

母方の祖母の料理といえば
茶碗蒸しと唐揚げの二代巨頭である。

兄がまだ小さい頃、
母が珍しく茶碗蒸しを作ったところ
「おばあちゃんに貰ってきたの?!」
と言ったそうだ。
「私だって茶碗蒸しくらい作れるわ!」と母。

毎回大量の料理を祖母1人でよく作るなあ…
と感心する。
もう随分前に亡くなった祖父は
7人兄弟の4男だが、実家の洋品店を継いだ。
それに伴い
祖母は義理の両親と同居しながら、
洋品店を手伝うことに。
さらに年末年始やお盆は
兄弟家族みんな揃ってどんちゃん騒ぎ。
その日もご飯やおつまみを用意していた祖母。
あの頃に比べたら
子どもと孫がそろったところで
なんて事ないそうだ。


今はコロナ禍も相待って
皆で集まることもほとんどなく、
集合しても外食。
今のうちにいろんな料理習っておこう。
茶碗蒸しは祖母に聞かずとも
きっと母が教えてくれるはずなので
習うなら唐揚げかな。



今現在。
2人の兄はそれぞれ結婚。
普段は両親と私の3人家族だが、
年末年始は兄家族も勢揃い。
大人7人、ちびっ子4人。
祖母と同じようには無理なので
既製品のお寿司とオードブルを頼ることとする。

下の兄は遠くから来るので連泊。
例年、兄嫁の実家にも行くのだが、
去年は、まさかの我が家に6連泊。
母が1日中洗濯、私が1日中料理を。

朝ごはん戦争に始まり、
片付けたらお昼ご飯。
それを片付け、おやつの用意。
かと思えば、もう夕飯の準備。
大晦日はおつまみの用意を…
今となっては、
ご飯を作り過ぎてしまう側の人間だ。
旦那も子どもも孫もいないのだけれど。

合間を縫って買い出しをし、
姪甥の公文の宿題を見て、
誘われればゲームを一緒に。
キャッチボールやバッティングセンターへ
出かけた時だけが安息の時間。

1月前半、疲労を引きずったものだ。
さて、今回はどうなるだろうか。

孫世代が大きくなれば、
どれだけ来てくれるかわからない。
帰省してくれるうちは頑張って
母のサポートをしようと思う。