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高専から九州大学経済工学科への編入体験記(2020年度入学)

この編入体験記を読んでいるという人は少なからず、高専から九大経済工学科への編入に興味がある方or高専から経済系への編入ってどういうこと?と疑問を抱いた方かなと思います。
今回は、地域によっては全然情報のない経済工学科への推薦入試に関して、体験記としてまとめておこうと思います。

この記事の目的は以下の通り

・高専から推薦で九州大学の経済工学科に編入学できるということを知って欲しい。
・推薦入試までに何をすればいいのかを共有したい。
・とにかく情報集めるの大事だよって伝えたい。

自己紹介

まず、自分自身について少しだけ。編入についての情報だけ欲しいって方は飛ばしてください。

三重県にある鈴鹿高専生物応用化学科に入学、2018年度に1年間の休学をしました。

成績は

1年:20位後半(正確なのを覚えてない)
2年:6位
3年:4位
4年:14位

といった感じです。1年の時は勉強法が分からなかったが、2年から暗記戦法でそれなりの順位になり、4年くらいになると理解した方が得点を取りやすくなったこと、後述するように進路について悩むことによるモチベの低下により順位を落とします。

といった感じで、前日勉強だけで高得点取れるようなタイプではなく、時間かけて勉強したらそれなりに点が取れるだいたいの高専生と同じタイプの人間です。

進路について考え出したのは3年後期から。

周りが受験に関して考え出す4年より少し早めの3年の後半くらいから進路について本格的に悩みはじめます。というのも、周りとは少し違って、理学部物理学科に編入しようとしてたからです。
将来の進路について考えたときに、このまま物理の道に進んでいいのか?(先生や先輩からも就職先などなかなかない茨の道だと指摘されてた)という悩みにぶつかり、また英語が苦手。かつ、英語に関して勉強するモチベが上がらないという状態になり、休学して留学し、進路について考えながら実際にやりたいことに関わることで本当に好きかどうかを確かめようと思い至ります。

入学時に考えていた進路
・とりあえず大学に編入したい。(量子力学に関係する研究したい。)
4年の学期末に考えていた進路(いろいろ増えた)
・理学部物理学科(神戸大あたりで考えてた)
・農学部(コーヒー関連の研究をしたい)
・工学部(物理化学系の研究を考えてた。長岡の推薦を特に考えてた。)
・社会系の学部、学科(行動経済学とか気になってた。)
休学明けに出した結論
・九州大学経済学部経済工学科(ここ以外考えてない。)

経済工学科に進学したいと思ったきっかけ

ここも気になる人だけ見てください。

経済工学科は九大のサイトにもある通り、経済について、工学的視点を取り入れて勉強する学科で、日本には1校しかありません。(九大の受け売り。ちゃんとした文言はこちら。)

高専から九大の経済工学科へ編入でき、かつ推薦入試があると知ったのは、休学中の9月頃(2018年)でした。その時はまだ進路の1つとして考えていました。

その後フラー株式会社で働いたり高専マガジンの活動したりする中で、大学より先の進路についても明確に決まりだし(長くなるので割愛)、経済に関する知識を基礎から学びたい。学生としてさらにいろいろ活動したい。ということで経済工学科1本に進学先を絞ります。

ここから本題。

経済工学科推薦入試の推薦要件について

詳しくはこのページに載ってます。(なぜかサイトのホームからたどり着きにくい印象があります。僕だけかもしれませんが。)

他の部分は募集要項を読んでいただくとして、気になると思う推薦要件について。

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出典:2020年度_経済工学科3年次(推薦)編入学試験募集要項(抜粋).pdf

4年までの成績(取得した単位)が8割以上の科目で7割を占めていれば、あとは本当に入りたいという理由・意思があればいけると思います。

学校推薦のため、全学科の生徒の中から1人というところが少しネックで、そこは学科長を通じて確認した方がいいと思います。自分の場合は1人だけ(うちの学校史上初っぽい)だったので問題ありませんでした。


受験までにやったこと

例年通りであれば受験日は6月の後半とかになると思います。
ここではそれまでにやったことをまとめます。

自分は休学を終えて、学校に戻った4月からいろいろはじめました。対策は早くやるに越したことはないと思うので、以下のやったことを目安に色々と自分で計画を立ててもらえればと思います。

1. 先輩から情報収集(一番大事)
2. 経済学の本を読む
3. なぜ入りたいのか?入ったあとどうするのか?という自分自身の諸々を文章でまとめる。
+α. 数学の復習と、統計の勉強


1. 先輩から情報収集(一番大事)

自分の場合は、学校に全く情報がなかったので情報収集に奔走しました。編入学は情報戦なんて言われますが、まさにそうだなと実感しました。

情報収集は受かるために行うという面もありますが、個人的には自分自身が行きたいと思っている大学、学部、研究室がイメージ通りかどうかを聞くという面が一番大事だと思います。
受験先の解像度を上げ、受験するもしくは入学するイメージが湧くようになるということです。大学見学や研究室訪問も同じく解像度をあげることができますが、高専からの編入という経験をしている先人の話を聞くのも同じくらい価値があることだと思います。

自分は九州大学の経済工学科を教えてくれた方がまさに経済工学科の卒業生だったためその方経由でつなげていただいたり、同じ学校から九州大学の工学部に編入した人から編入生つながりで紹介してもらったりしました。ここでも何かしらの縁がないとなかなかつながれないなと実感しました。(自分は運よく繋がることができたので)
これに関しては、毎年のように経済工学科に編入している高専であったり数年前までに編入したことがある高専では、自然に知ることができ、先輩とつながれたりできているので近くの人が編入しているというのはこの学科関係なく、編入情報の格差として現れちゃっているなと感じました。そういった点でZENPENさんのような編入に関する情報発信の団体があることは本当にすごいことだなと。

とにかく、つながったあとは自分のやりたいことを聞いていただき、経済工学科でそれが可能かどうかを相談させていただいたり、研究室や試験についての情報を教えていただいたりしました。これは4月ー6月中に結構やり続けていました。


2. 経済学の本を読む

先輩から教えていただいた中で、経済学の本を読んでなんとなく経済学を学びたいという気持ちから経済学を学んでいく覚悟をつけていくことができたのがこの本を読むことだと思います。実際の経済学と自分の中のイメージの格差を少しでも少なくすることができるし、基礎的な情報を学ぶことができるのでここには時間をかけるべきだと思います。
ここでは自分がオススメされた本、実際に読んだ本を数冊紹介します。

I. スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編・ミクロ編の2冊
→とにかく読みやすいのでおすすめ。


II. スティグリッツ入門経済学
→OBの方から推薦された入門用の1冊。高専の5年でとれる経済学で購入する本(たしかマンキューの入門経済学)でも代用できると思う。


III. 知識ゼロでも今すぐ使える! 行動経済学見るだけノート
→図解ベースの本で読みやすい。行動経済学についてどういうのか知りたい人にはおすすめ。


IV. その数学が戦略を決める (文春文庫)
→計量経済学がどういったふうに現実世界で使われているかを実際の事例ベースで解説してくれている本。経済工学科の理念である経済と工学的手法の融合ということがわかる1冊。


3. なぜ入りたいのか?入ったあとどうするのか?という自分自身の諸々を文章でまとめる。

これは常にアップデートし続ける感覚でどこかにまとめておいたりするといいと思います。

先輩から話を聞いたり、本を読んだりしていく中で自分が経済工学科に入ってやりたいことってなんだろうということが見えてくると思います。さらに元々興味を持った理由なんかもそれぞれにあると思います。
面接で聞かれたときにはっきりと答えられるようにそういったものを自分自身が納得する文章にしておくと思考が整理できてオススメです。

ちなみに先輩から話を聞いたり本を読む以外にも、自分の場合は研究室などの情報をHPから読みあさったり、実際に研究室訪問をしたりもしました。

インプットをするだけでなく、こういったアウトプットをしていくことで自分自身に足りないことが見えてくるのでインプット事態の方向性(もっと先輩に話を聞いた方がいいのか、本を読んだり数学を勉強したりした方がいいのか。別の進路の方を調べる方がいいのかなど)も決まっていくのではないかなと思います。


+α. 数学の復習と、統計の勉強

僕はあまり追いついてなかったので強く言えませんが、やっぱり他の受験生と同程度くらいの数学力があると色々と便利です。(面接でも聞かれたりするし、入学後に必要な場合が多そう。)

あまり高専では勉強しない統計を余裕があれば復習が終わったら勉強しておくのもいい気がします。


その他の情報について(試験当日の概要など)

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