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タッパーを使いたくなるバディ映画、『僕と幽霊が家族になった件』

※ネタバレ無し

Netflixで配信中の台湾映画、
英題“MARRY MY DEAD BODY“こと
邦題『僕と幽霊が家族になった件』がめっちゃよかった。
原題は「關於我和鬼變成家人的那件事」で、邦題の方が原題そのままに訳されている。

ぶっきらぼうでつっけんどん、少年のような正義感と傲慢さを見せる警察官のミンハンが、
ひょんなところからゲイの幽霊と“冥婚”するハメになり、
なんやかんやと言いながら事件解決のため協力し合うというバディもの。

日本語字幕付きの映画予告はこちら。


魅力が詰まりすぎた2時間、台湾映画を見たことない人でも、
ゲイの登場人物がメインに据えられている映画を見たことがない人でも、万人におすすめしたいハチャメチャなエンタメ映画だ。

まずキャラがいい。
主演の2人はもちろん、ヒロインや警察署の仲間たち、そして幽霊のマオの家族などたくさんの人物が登場するが、どの人物も一癖二癖あり、まさかの事実が隠れていたりして映画を見終わる頃にはみんな大好きになっている。

幽霊のマオは生前はいろんな社会問題に心を寄せ、ドリンクを買う時もマイボトルを持参したり、ビーチのゴミ拾いをしたりしていたのだが、
そんなマオを成仏させるため、不本意ながら主人公のミンハンもシロクマを救うための寄付をしたり、善行を重ねていく。

マオの影響でエコな行いが増えて行くのは、きっと映画の中のキャラだけでなく、この映画を見た人たちもそうなるのではないだろうか。

また、台湾の生活や社会が垣間見えるのも魅力。
台北の街並みは訪れたことがある人なら懐かしく思うショットばかりで、他にもゲイの人たちが集まるダンスクラブやお馴染みの夜市、台湾の家庭料理にお寺など、数々の風景が出てくる。
そんな風景の中にお馴染みSK-II(SK-III)や、日本語が話されるシーンもあり、台湾における日本が時折登場するのも見どころ。

ちなみに映画を見終わった際はぜひ主題歌の公式MVを見てほしい。映画の前日譚と思われるストーリーが繰り広げられており、オチもあって自然な笑みがこぼれる。

個人的には、
“什麼關係 都沒關係”という歌詞がお気に入り。
二人の関係がなんであっても関係ない、大丈夫、本質は一緒なんだからと歌う部分。

ド派手なカーチェイスや銃撃戦などのアクションで魅せながら「家族になる」とはどういうことなのか、優しく伝える映画。
視聴中も楽しいけれど、視聴後も少し優しくなれるような余韻が愛おしい映画なので、2時間のはちゃめちゃに夢中でリアクションしたい気分の方はぜひ。

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