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【アルバム紹介-3】【シティ・ポップ】南佳孝/SOUTH OF THE BORDER

今回紹介するのは南佳孝の3rdアルバムSOUTH OF THE BORDERです。

SOUTH OF THE BORDER
南佳孝

南佳孝の初期の名盤であるこのアルバムは78年に発表され未だに根強い人気を誇ります。ジャケットのアートは池田満寿夫で、全曲を坂本龍一がアレンジしています。前作の「忘れられた夏」でのリゾート路線をそのまま引き継いだ本作はボサノヴァ、サンバ、ラテンミュージックの印象が強く、後のトロピカルサウンド流行に先鞭を付けました。

忘れられた夏
南佳孝

夏と大人な香りとどこか都会な雰囲気を持つこのアルバムは坂本龍一だけでなくYMOメンバーやティン・パン系アーティストが総動員しています。また同年に発表された高橋幸宏の「サラヴァ!」も全曲坂本龍一が編曲しており双子の関係と言えます。細野晴臣、山下達郎らが携わったこのアルバムも合わせて聴いていただきたいです。

  サラヴァ!
高橋幸宏

アルバム内容
1曲目の「夏の女優」からトロピカルな雰囲気はビシビシと感じられます。2曲目の「プールサイド」は必聴で、プールで泳ぐ女性とそれを眺める男性の様子を歌っておりゆったりとしたリゾート感が最高な1曲です。

泳いでる君 幻のよう
プールは青いスクリーン
熱い視線に気づいたのか
不意に大きくターン

4曲目の「日付変更線」は松任谷由実が作詞を手がけた、大貫妙子とのデュエット曲となっています。後に松任谷由実は03年にセルフカバーしています。

置き手紙に気づいたら
君は多分 ため息と
数分だけ思い出をたぐり
あとは変わらず生活に戻る

6曲目「夜間飛行」7曲目「ワンナイト・ヒーロー」9曲目「早くあいつに逢いたい」は和サンバとなっており、シティな雰囲気を特に感じられます。
10曲目の「スフィンクスの夢」はムビラ調のトロピカルサウンドで、どこか南アフリカの様な雰囲気と霧中にいるかのような音楽体験のできる曲で、序盤の取っ付きやすいアーバンな曲調とは少し変わります。同じく最後の曲「終末のサンバ」もポップというよりはもっとダークで落ち着きのある雰囲気で、特に坂本龍一の腕が光った2曲と言えるでしょう。

まとめ
同じトロピカルサウンドの中でも日本人が聞きやすい様な序盤の曲と少しディープな後半の曲のように曲調に細やかな変化があることに気づきました。ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

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