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新常態の前に今整理しておくべき事〜まずは自粛期間に見つけた「本当のジブン」〜

はじめに

緊急レポートという形で書いてきた「新型コロナウイルスについて」は、大きな動きが無い限り休載。これからの政治、経済、社会がどうなるかについて「新常態(New Normal) 〜少しづつ確実に変わる世界〜」のマガジンで書いていこうと思います。

1. 私達が経験した非日常と激しく移ろう意識

この文章は個人的な備忘録に近い。緊急事態宣言が明日から明ける。その前夜、今しか書けない気がして書いている。

1月末の武漢都市封鎖、2月のダイヤモンドプリンセス号からの一斉休校要請、3月末連休明けの小池都知事のロックダウン会見からの4月緊急事態宣言

この4ヶ月間、私達は実に多くのことを初めて経験した。

社会全体も個人生活も毎日が非日常だった。

春のセンバツの中止が決定された時は驚いた。でも夏の高校野球が中止になってももう驚かない。2月末学校の一斉休校要請が来た時は、3月卒業式ができなかったらかわいそうと心配していたが、今や学校授業そのものがいつ再開されるのかを冷静に議論している。7年準備したオリンピックが中止になるなんて想像すらできなかった。でも今は来年の開催も難しいのではないかと冷静に捉えている。

4ヶ月間、私達の意識は、素早く変化した。

3月末、ニューヨーク、ロンドン等世界の都市での感染拡大を見て、特に大都市に住む人々は軽いパニックに陥った。4/2にロックダウンになるとのデマが流れる中、新しく整備された特措法に基づく政府対策本部として最初に総理から発表されたのがマスク2枚の全世帯配布で私達はまずズッコケた。

4/7緊急事態宣言が発出され、フランスやドイツの様な厳しい経済封鎖と補償プランが矢継ぎ早に発表されるかと身構えていると、休業要請の対象をどこにするかを宣言発出後に国と都がまだ協議していた(え?今)。

(理髪店どうする、百貨店の食料品売り場は、、えーと、えーと、)

4月最初の1週間は、SNSで普段政治的な事を発言しない人も政権の無能や不作為を激しく責めていた

翌週になると、政権を責めてもしょうがないという主張に変わり、自分たちの生活は自分達で守ろうというトーンに変わった。自粛生活をどのように乗り切っていくか、等、より現実的な内容についての投稿が増えた。

4月中旬東京での1日の新規感染者200人を超え医療崩壊の懸念が一気に高まる。有名人の死亡報道が続き、身の回りにも感染者が出始めこの感染症の怖さがリアルに伝わりだす。一方で4月初旬からの自粛が効いてくるのではと新規感染者数を日々追いながら4月下旬を過ごす。

ステイホームウィークのGWも概ね真面目に過ごし、5/6の緊急事態宣言解除の当初予定日が近づく。5/4の緊急事態宣言の期間延長発表は予測していたものの、「断腸の思い」で「おわびもうしあげたい」という「出口戦略と数値分析」のない総理演説に再び呆然

その先のみえない不安と不満は、5/9に始まった検察庁改正法に反対する470万件の署名活動という形に変え、現政権批判の大きなうねりを生む。

5月中旬GWの自粛効果も現れ、感染者数が減り医療面での不安が和らぐと今度は長期化する自粛の経済面での影響が叫ばれ始める。

そして今、政府は感染拡大防止のための「国民の新生活様式」を前提に緊急事態宣言の解除と経済活動の正常化を急いでいる

週明け明日25日の感染者の数字を持って緊急事態宣言は全国的に解除宣言が行われる見通しだ。

(5/14の会見では28日頃に可否判断と言っていたものを3日前倒し、かつ少なく出る週明け5/25の数字で判断したいというところに一日も早く首都圏の経済を戻したいという焦りに近い意思が伺える。)

2.「新しい生活様式」と「新しい社会常態」は分けて考えないといけない


現在は「その緊急事態宣言解除後の社会活動や生活がどうなって変わっていくのか=New Normal (新常態)」が語られて始めている。

5/4の緊急事態宣言延長と共に示された「基本的対処方針」において「新しい生活様式」の説明を総理から受けたとき、「そんなことはすでにやっている!」と叫んだ人は少なくないと思う。

石鹸による手洗い=公衆衛生という新しい生活様式が定着したのは20世紀に入ってからだ。(19世紀は医療従事者ですら診察前に手洗いの習慣はなかった。)100年前のスペイン風邪、当時の人口の約1%、45万人の死者を出して日本人が学んだのはその当時の唯一の対処法だったマスクの着用だった。

今回も感染防止の為の「新しい生活様式」は定着する。

ただ、それらを実行すればビフォーコロナの世界が戻ってくるわけではないことを私達は知っている。

私達が、考えていくことは、コロナ禍を全世界的に経験した人類の経済活動、私的な人間関係、人生の価値観、等「社会の新常態(New Normal)」がどうなるか、だ。

3. 個人にとって重要なのは資本主義経済の社会との距離のとり方ではないか

4月の自殺者は例年と比べ2割減った。

厚生労働省自殺対策推進室は5月12日、毎月発表している自殺者統計の4月末結果を発表した。自殺者は1,455人と前年同期比で19.8%減少した。


デュルケームが120年前に「自殺論」で指摘している通り、戦争のような政治的危機には自殺率は一旦低下する、とも言われている。今は自殺を考える余裕すらない危機的心理状態なのかもしれない。経済的な危機と自殺者の増加はこれからなのかもしれない。

ただ私は一旦素直に、都心においては満員電車や職場の人間関係から一時的に開放されストレスが少なくなった人も多いのではないかと受け止める。

いわば、多くのサラリーマンなどにとっては高度資本主義そのものが、一時、「クリスマス休戦」になっているのではないか。

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zoom会議や自宅作業で最低限の企業活動は継続している。しかしながら、駆り立てられる欲望と激しい企業間と個人間の競争、そこを生き抜くための依存型消費というしたものが社会強制的にできない状態になっている。

#みんなコロナのせいだ

と。

コロナのせいで仕事が激減しているが、正直なところ、これで会社が潰れそうでも私のせいではないと、ある意味今までより気が楽になった。実はそんなに必死で仕事をしたくなかったのかも。
不安は確かに増したが、逆にむしろ引きこもりを求められる世の中になっていることに、なぜか救われた気持ちになっている。
無職であることの焦りがなくなった。就労意欲がなくなった
推しコンテンツ(アプリゲーム)に対して積極的になるかと思っていたけれど、全体に意欲が削がれてグッズ購入が減ったり、ゲームイベント参加欲も落ちたりと淡白になっていて自分でも驚いています
仕事があったときは朝からでも飲みたかったし、夜はほぼほぼ毎日飲んでいたのに……ストレス回避の飲酒だったことに気付いた

4. クリスマス休戦の間に、本当のジブンの声に耳を澄まし書き留めておこう


先程の記事の調査時期は4月の中旬だ。

冒頭に振り返った通り、私達は日々膨大な世界中の新しい情報に晒され、国民感情も個人の意識も、日々激しく移ろい変化していく
・来月の今頃、また満員電車に揺られているかもしれない。
・また意味のないと思っている飲み会や会合に顔を出しているかもしれない。
・本当はあまり好きでもなかったと気づいたはずのソシャゲにまたハマっているかもしれない。
・そして、それらに「生きる歓び」と「漠然とした不安」を再び感じているかもしれない。

待てよ、この感覚、昔に戻ってないか?

*.    *.    *
世界は、恐る恐る少しづつ日常を取り戻しつつ有る。

ただそれは、しばらく厳しいものになるかもしれない。

これからの社会の新常態の答えを探すにあたってまず大切なことは、今、緊急事態宣言が全国的に解除される前のこの貴重な数日間に、「蟄居謹慎」(ちっきょきんしん)の非日常生活における自分自身を深く掘り下げ、対話をし、それらを記録して置くことではないかと思う。

世界も日本も私達の社会は、明日また新しい扉を開ける。

だからこそ今は、深夜、紙とペンをもって、独り机に向かい、

この期間中に、自分が、本当に好きだと認識したこと、

本当は特に好きではなかったとわかった事、

絶対にやりたい仕事、そうでもない事、

直接逢いたい人、zoomなんかじゃダメだとわかった人、そうでもない人、

飛行機に乗れたら真っ先に行きたい場所、そうでもないところ、、、

なんでもいい

「今だから出会えた本当の自分の声が語る声」に耳を澄ましそれを静かに書留めておこう

明日から始まる新たな闘い(Battle)の前に。




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