読書感想文その1(文学少女シリーズ)

はじめてnoteを書くし、それが読書感想文で文学少女シリーズな事に自分で不思議だなぁと思いながら笑いたい気持ちや納得する気持ちになっている。

このシリーズはいわゆる日常系シリアスファンタジーで、主人公は物語に味覚を感じる女の子と物語を書く人生に挫折した少年。

本編が全8巻。短編集や外伝も出ている。各巻ごとに文豪の名作をベースとしたちょっとした事件が起こってそこに二人は巻き込まれたり、首を突っ込んだりしていく。

推しポイント①

物語の描写が本当においしそう。この物語はソルベの味とかシャンパンに浸したビスケットとか、このシーンが堪らない!って情感たっぷりに伝えてくれるから原典になっている小説もすごい読みたくなる。実際に何冊か読んだ。

推しポイント②

閃きと想像力、温かさがすごい。まさしくNeFi全開だな今思えばって感じ。どんなに辛くて悲しくて絶望的で先が見えなくても、杖のように星明かりのように数多の物語が、登場人物達が、その物語の筆者達が語りたかった想いが支えてくれる、背中を押してくれる。結局自分の足で立たないとならなくても、顔を上げさせてくれる。そんな気持ちになる新しく優しい解釈をくれる。「想像してみて!」「ねえ、物語は星の数ほどあるのよ!」と高らかに放たれた台詞は今でも胸の中に残ってる。

推しポイント③

その辛くて苦しい事実自体は本当に結構重い。新しく優しい解釈をもらっても、都合よく世界は周り出さないしすぐに救世主が現れたりもしない。決断したからって明日からの景色は変わり出したりしない。それでも、心に灯った灯火を消さないように、前より少しだけ俯瞰する余地を持って歩き出す登場人物達が愛しい。

他にも行動描写の一つ一つが想像力をかき立てて美しいって素敵な所は多々あるけど、一言にまとめるなら「顎を上げて、物語に耳を澄ませて、そこに息ずいた数々の思いが背中を押してくれる。そんな可能性を考えてみて。」と言われているような本。正直この解釈で合っているのかちょっと自信はない。てへ。物語を食べちゃう女の子の寄り添い力が本当にすごい。

そんな女の子に人の世話ばっか焼いてるなよ!と笑って投げ掛けてくれる短編集の男の子が個人的にとても好き。照れくさくなってきたからこの辺で終わろうと思う。楽しかった。

一応HPを貼っておこうと思った。

そして続編が出ていることを今知ったし、それが泉鏡花の外科室でテンションが爆上がりしている。

https://kimirano.jp/special/cp/bungakusyojyo15th/


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