東大英語で学ぶ英文解釈(5) 補充問題の解説②
前回の解説の続きです。
* 前回の記事はこちら☟
Science sometimes simplifies things by producing theories that reduce to the same law phenomena previously considered unrelated ― thus clarifying our understanding of the apparent complexity of the universe.
上記の英文の太字の部分の構造はどうなっているでしょうか。まず,以下のように考えるかもしれません。
しかし,ここで違和感が2つあります。
① reduce は,自動詞なのか?
② the same law phenomena(同じ法則の現象)とは?
意味を考えてもよくわかりません。そこで,構造が違うのではないかと考えます。特に,②の「同じ法則の現象」と,law を phenomena にかけているところが不明です。ここを切り離して考えてみると,次のようになります。
phenomena は名詞なので,S/O/Cのどれかにならなければなりません。上記のように,reduce の目的語だったものが,修飾語がついて長いので,移動した形と考えると,「違和感」として挙げた①も解消されます。
reduce は,
"reduce A to B"
という形で
「AをBに変える」
「AをBにまとめる」
という意味で使われます。Aには「複雑なもの」,Bには「単純なもの」がきます。この英文でも,「以前は無関係だと考えられていた現象」(複雑なもの)が「1つの同じ法則」(単純なもの)という関係性になっています。
東大英語で学ぶ英文解釈(5)では,東大と京大の問題を用いて,要素の移動についてまとめました。要素の移動に気づけるようになるためには,
構造と意味を意識して英文と向き合う
ことが大切です。その背後にある力は,
文法・語法の力
でもあります。いろいろな力がひとつになって,正確に英文を読めるようになるように思えます。