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しっかりと筋肉のtypeを理解できていますか?少しマニアックな筋のtype分類

こんにちは!
理学療法士のしゃけさんです!

今回は少しマニアックな筋のタイプ分類について記事を書いてみました!養成学校でタイプⅠ(線維(遅筋)やタイプⅡ線維(速筋)について習ったと思いますが今回はさらに詳しく書いたので是非読んでいってください。


筋のtype分類


まず大前提として張力の生成は骨格筋のサイズとタイプに依存しています。
筋線維のtypeは2つの型、4種類からなり、その内訳は遅筋であるtypeIと、速筋であるtypeⅡに含まれるⅠIA、IⅠB、IIXに分けらます。typeⅠI線維の違いはミオシン重鎖の発現パターンの違いによるものとされてます。ちなみに速筋のtypeでよくⅡaとⅡbを聞くと思いますが、ある報告によるとヒトではIⅠB線維のミオシン重鎖は検出されず、タイプⅠIBと分類されていたものはタイプⅠIXであったらしいです。

骨格筋のtype分類

遅筋(typeⅠ線維)


遅筋であるタイプⅠ線維は血流が豊富で、ミトコンドリアやミオグロビンが豊富に存在します。そのため、酸化エネルギーの供給による疲労耐性が強く長時間の収縮が可能であるため、持久性のエリート選手(水泳など)に特徴的にみらます。

速筋(typeⅡ線維)


速筋であるタイプⅡ線維は短時間の嫌気的な活動時に用いられ、収縮時間が短く、タイプⅠ線維より疲労しやすい特徴があります。解糖能力が高く、素早くアデノシン三リン酸(ATP)を加水分解し筋収縮することができるため、筋力やパワーに優れた選手(スプリンターやウェイトリフティング)によくみられます。タイプⅡ線維の3つのサブタイプのうち、IIA線維はミオグロビンが豊富で酸化能が高いことから遅筋線維と同様に疲労耐性が高くIIX線維は疲労耐性や収縮速度についてIIA線維とIIB線維の中間の性質を有しています

骨格筋の可逆性


骨格筋線維は活動や不活動によって変化する可塑性を有しています。ネコでは神経活動の変化によって筋線維タイプが切り替わったという報告があります。運動によって酸化能の高い速筋線維へ変化し、ヒトではIⅠX線維からIIA線維へ、ラットではIIB線維からⅠIX線維、さらにIIAへの変化がみられるという報告があります。一方、遅筋線維への著明な変化は起きなかったとされています。この変化には細胞内シグナル物質であるカルシニューリン経路や遺伝子レベルの変化がかかわっていると考えられています。

参考文献


・Schiaffino S, et al: Fiber types in mammalian
 skeletal muscles. Physiol Rev, 91(4) : 1447-
 1531, 2011.
・Buller AJ, et al: Enzymic properties of myosin in
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 581-597, 1969.
・Ausoni S, et al: Expression of myosin heavy
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・Chin ER, et al: A calcineurin-dependent
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 2509, 1998.
・Rinaldi C, et al: Intergenic bidirectional
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 J Physiol Regul Integr Comp Physiol, 295(1) :
 R208-218, 2008.
・van Rooij E, et al: A family of microNAs
 encoded by myosin genes governs myosin
 expression and muscle performance. Dev Cell,
 17(5) : 662-673, 2009.

以上で筋のtype分類についての記事を終わりにします!
筋のtype分類について知ることで、適切なリハビリテーションプログラムの策定や効率的なトレーニングやパフォーマンスの向上などに役立つこと間違いなしだと思います!
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