見出し画像

39歳、最後の出産

タイトル通り12月7日に計画無痛分娩で産んできましたので書いていきます。
予想より少し大変だったりしましたが、母子共に健康でよいお産だったかなあと個人的には思います。


◆人工破水〜促進剤&麻酔開始まで

計画無痛分娩なので朝8時半には病院に着いて受付開始でした。
娘は立ち会いせず保育園に行くのでいつも通り6時半に起床。
前回のnoteにも書きましたが副作用での吐き気防止の為、朝は野菜ジュースのみで食べ物は取らず。しかしこの選択が後に失敗だったと後悔するのですが…。

入院バッグを持って家族3人車に乗り、保育園に娘を預けた後病院へ。これから出産の実感はまだまだありません。

家族の出産立ち会いは30分だけなので、その時間になるまで夫は待合室でテレワークしながら待機。入院バッグを引き渡すと内診に呼ばれました。
「あれ?入院手続きはいいのかな」なんて思っていると…。

・AM8:55 人工破水
先生がやってきて内診。
子宮口チェックかと思いきや「台に足ペタンってしてリラックスしてゆーっくり息吐いててよ〜」と内診グリグリレベルでの激痛!
「ゔゔゔー!!」と痛みに思わずお尻が浮きましたが押さえつけられ、チョロチョロと股間から水が床に流れていく感触。隣で看護師さんがササっと分厚いお産パットを当ててくれて処置はおしまい。
「人工破水(破膜)したのね…」と思いつつ震える足でパンツとレギパンを履きました。
内診室を出て先生からお話。
子宮口の様子から12時後半には産まれてくれるんじゃないかなとの事。あと院長先生も横にいて手伝うね、と。
その後は血圧測定し、再び受付へ。
歩く度にじわじわと羊水が漏れてくるのでヨチヨチ歩きです。

・AM9:00 受付→LDRへ
今まで見てきた計画無痛で入院の人達も先にこうやって人工破水したんでしょうね。しんどそうにしていた理由がわかりました。
羊水が漏れているので横ずれした状態で座って待っていると、受付の人が来て入院の同意書やら母子手帳やら保険証なんかを回収していきました。
やたらゆっくりしていて15分くらい待つと同意書の日付を記入日でなく入院日の今日に訂正してほしいとの事。震える手で訂正印を押して修正。
…この流れ、人工破水の前の方が絶対良くない?なんて思いつつ。
やっと受付が終わって助産師さんに連れられ一番奥のLDRへ。お産中らしき人は誰もいませんでした。
担当助産師さんは気さくなベテラン感漂う中年の方で、チャキチャキと準備してくれます。
入院セットを脇から出してくれてお産用の長い前開きワンピースと産褥ショーツに着替え。
取り違え防止タグやらに署名し、破水しているので2種類の抗生剤をその場で飲み、分娩台にも変身するベッドに仰向けになります。

もう1人私と同い年くらいの助産師さんが来て色々聞かれました。
・夫を呼ぶタイミング
・写真や動画はどうするか
・私と親族の既往歴やアレルギーの有無
・母子同室にするかどうか
・入院する部屋の希望

お部屋はトイレだけある個室を希望しました。シャワーも付いているタイプより少し安価です。
そしてもちろん今回も夜間は母子別室。
ゆっくり休めるのは入院中だけですからね。
反対側では陣痛促進剤の点滴準備とNSTの測定。左右から同時に色々話しかけられるのでワタワタしました。

・AM9:30 促進剤&麻酔開始
陣痛促進剤の点滴が先にスタート。その後は助産師さんに教わりながら硬膜外麻酔のカテーテル挿入の予行練習。
エビの如く丸くなり、お尻や腰を突き出さずに先生が麻酔を入れる一点を背中で押し返すのですがこれが上手く出来ません。
お腹が邪魔で小さく丸まれず、どうしてもお尻が突き出てしまいます。暑くて汗もダラダラ。
娘の時はちゃんと出来て誉められたのに!

何回か練習した後先生がやってきて本番です…が、上手く出来ず結局先生に背を向け座った状態でカテーテルをいれる事に。
絶対に動いちゃダメ、もしズレたら麻酔液が漏れちゃうからねと言われました。私の前で助産師さんが体をそっと固定してくれるので一安心です。
消毒→表面麻酔→カテーテルの順で管が入ります。ググっと管が背骨ら辺を通る圧迫感はありました。その後チューブを背中から肩にかけてズレないようにテープで固定して背面の麻酔器具に繋ぎ、先生が麻酔を入れてくれました。

破水して促進剤も始まったのでこれから陣痛がついてくるけど麻酔してるから痛みはないと思う、吐き気や頭痛など何かあればすぐ教えてねと言われ先生は一度退出。

助産師さんがお腹を触って「赤ちゃん大きいね!下りてきやすい様にあぐらになろう」との事なので、リクライニングを起こして背中にクッションを入れあぐらになりました。
ちゃんと経膣分娩出来るのか不安になって「帝王切開の可能性はありますか?」と聞いてみたら「ぺろよしさん小柄やもんねー。でも経産婦さんだし何とか大丈夫やと思う」と言われて少しホッとしました。


◆陣痛スタート〜子宮口全開まで

AM10:00 陣痛スタート
その後は助産師さんと一緒にNSTでお腹の張りをモニターで見守ります。10時くらいから陣痛がつき始めましたが麻酔が効いているので痛みなし。
10時20分位には子宮口が5cmになり張りの数値がMAXに。
やはり経産婦なので開き具合は早い様子。
助産師さんによると昨日は7人産まれたらしいです。でも今日の計画分娩はなんと私一人!どうりで付きっきりで見てくれるはずです。
一人目がお産ラッシュで皆さん忙しく割と放置され気味で心細かったので有難い。

この辺りからお腹がすきはじめました。
が、麻酔を入れたので水分以外もう何も口に出来ません。
つまめるかなとチョコレートを持参していましたが不可。やっぱりゼリー飲料にすればよかった。
2時までに産まれたら辛うじてお昼の病院食にありつけるそうなので、頑張って予定通り進んでほしいと思いました。
11時に導尿(麻酔を入れているのでトイレには行けません)、11時過ぎには先生の内診により(もしかしたら今までにもグリグリして刺激してくれていたかも)子宮口6cm強に。
麻酔をしていてもこの子宮口チェックはやや痛いですね。
NSTのモニターは強めの張りが時折起こるものの、間隔としてはまだまだ。
暇なので助産師さんにマタ垢界隈で有名なサンシャイン池崎のいきみ動画について聞いてみました(笑)
ご存知なかったようで動画を見て爆笑されていましたがプロからの意見としては、
・ろうそくをお腹に乗せるのは危ないからやめておこう
・あんなに目を見開かなくても大丈夫
・姿勢は真っ直ぐよりもう少し上体を起こす
・息を吐いていきむのでなく息を止めて力をいれる(吐くと体が弛緩するので赤ちゃんを出すなら息止める)
だそうです。チェケラ!

・AM11:30 赤ちゃんが下りない
直前のエコーでは赤ちゃんの推定体重は3500g近く、頭の直径も推定9.6cmと大きめ。なのでなかなか赤ちゃんが下りてこずまだ高い場所にいる模様。
助産師さんからうつ伏せになってみようと提案され、四角ビーズクッションに膝立ちで上半身覆いかぶさる体勢になります。
1人目の時もこの体勢を取りましたが、効果がある分地味にキツいのです。
NSTの器具がお腹に当たるし、息もし辛い、麻酔の影響で痺れた足がガクガクし体を支えるのも一苦労。

うつ伏せなのでスマホが触れず、夫へのLINE報告がこの辺りから途絶えます。
ちなみに私が気になりながらも近場のカフェでランチタイムしていたそうです。待つ方も大変だ。
麻酔の影響で低血圧にもなり頭もボーッとして眠いような感覚。でもとにかく体勢だけは崩さないようにしなきゃの気持ちで必死でクッションを掴んでいました。

それにしても…腹が…減った…。

井の頭五郎のように店を探せたらよいのですがそんな事出来ません。吐き気を気にしてご飯を食べなかったのが完全に仇となりハンガーノック状態に。私ってホント馬鹿。
先生も何回か来てくれて内診グリグリで刺激してくれます。おかげで子宮口もジワジワと開いていくのですが、やはり陣痛の間隔が狭まらず赤ちゃんが下りてこない。
ちなみにうつ伏せ四つん這いなので先生に尻を向けた状態で内診されていますがもう恥じらいなんてありません。
長い安静生活で湿疹だらけの汚い尻を見せて先生には心から申し訳ないと思っています。

そして分娩の間頻繁に自動で血圧を測定されるのですが、ここら辺はなかなかに下がっていたそうです。上70とかそんなん。陣痛が弱いのも低血圧も無痛分娩あるあるですが。

・PM13:00前?子宮口全開
時間がかかったものの何とか子宮口全開になり、赤ちゃんもギリギリ骨盤の下まで下りてきました。

途中助産師さんが昼食を取る為に一時LDRを出られました。後から知ったのですがこの時先生から「帝王切開の準備もしといて」と言われていたそうです。

うつ伏せは終わりにして仰向けになりいきむ練習。この辺りでベッドが分娩台にメタモルフォーゼして酸素マスクがつけられます。酸素が入ると呼吸が楽になりました。
「いい?無理にいきまなくていいよ!その時が来たら息止めてうんって力入れるだけ!目はサンシャイン池崎程じゃなくていいから開けてて!」と言われます。
他の助産師さん看護師さんやらが段々と増えてきて胸の上やら足回りにシートがかけられて準備が進みます。いよいよ産むんだななんてボーっと考えていました。


◆出産〜その後まで

・PM13:35 やっと出産
13:20くらいに夫が呼ばれてLDRへ。枕元に立って私の上体を支える様に指示されていました。動画や写真撮影なんかは別の助産師さんが行ってくれます。本音では映らないとはいえ出産シーンを撮られるのは嫌ですが仕方ない。そしてごつい一眼レフを持っていったのでビビられるという。

そこへ娘の出産時にもお世話になった美人看護師長が登場。普段師長は外来にはいません。細い体のどこからそんな力が出んの?ってほどお腹を押す分娩時のみお出ましになるのです。

つまりはそういう事。

私のお股の真ん中に吸引カップを持った先生が立ち、右横に師長、左足先に担当助産師さん、周りには他の助産師さん看護師さん、そして枕元には夫。
総勢8名くらいいたと思います。師長が優しく微笑みます。仁王菩薩の顔で。
「ぺろよしさん、お腹押しますよ」
「は、はい…(やっぱりか)」
「合図したら息をいっぱい吸って止めてて下さいね。私達が赤ちゃん押し出しますから我慢ですよ」
NSTモニターを見ながら張りが来るタイミングで師長がお腹を押し……押し……

これは押しじゃない!!
北斗百裂拳や!!!!!

内臓を秘孔でついてるんじゃないかの勢いでお腹を押されます。しかもググーッとではなく、グオッグオッグオッグオッグオッグオッグオッグオッグリグリー!!!みたいに。
こんな状況で息止めろとか無理。出来ない。潰れたカエルみたいに口を閉じてても圧迫された腹部から空気が爆発するみたいに出てくるんですもん。
助産師さん達が「ぺろよしさん!さっきのサンシャイン池崎だよ!息我慢して!」「頑張れ!」と応援してくれますが、間髪入れずに師長がまた押してくる!
「息吸って…止めて!!」
休憩なんて存在しません。
「も…むり…です…」
意識朦朧なの麻酔とかハンガーノックとか低血圧だからとかじゃない、絶対お腹押されてるからだよね…。
無理と言ってもやめてくれる訳ないんですけど。
「もう頭見えてるよ!あと少し!」
数回先生が吸引&師長のゴリ押しが続きますがまだ出てこない!

はよ…終わりにしてくれ…。

昇天しかけたところにやっと出てきました。よくあるドゥルンの感覚は麻酔の為かわからず。
胸元に出たばかりの我が子がズシィ…!と乗せられます。
重っ!!
ヘロヘロの体で我が子の両手同士を繋がされて記念撮影されました。周りからはエヴァ最終話の様に「おめでとう」コール。
夫が臍の緒を切って産声を録音した後、綺麗にするため赤ちゃんは別室へ。

・PM14:30 縫合と休息
しばらくすると胎盤が出てきて後は縫合です。
先生や師長や他のヘルプの方々は一度退出されて別の女性の先生が会陰縫合、担当助産師さんが片付け私はそのまま2時間程LDRで休憩します。

娘の時と同様吸引分娩&師長のゴリ押しとなりました。無痛だとやはり「いきむ」感覚が分からずモニターの数値に合わせていきまざるを得ないのでそうなってしまう事が多いそうです。

赤ちゃんの体重は3300g弱。推定よりも軽かったけど大きめでした。
見せてもらった胎盤もとてもご立派サイズ。臍の緒は白い太めのロープみたいでこれらを私の体が作って赤ちゃんと繋いでいたんだなと思うと人体ってすごいなあと実感しました。

ここで助産師さんからあわや帝王切開の顛末を聞き何とか下から出せてよかったと安堵したのでした。
吸引の上に赤ちゃんが大きめだったので、出血も多く会陰はボロボロ。
細かく数カ所が避けていたので綺麗に縫ってもらいます。麻酔が効いているので何も感じませんが。
「ぺろよしさんお股に静脈瘤出来てたの気付いた?これ後で結構腫れてくると思う…」
確かに腫れぼったい感じはずっとありましたがまさかそんな事になっているなんて。

この辺りから失血による寒さと気持ち悪さを感じ始めました。布団をかけてもらいましたが、今度は頭がクラクラして意識がまた朦朧とし始めます。
パルスオキシメーターやら血圧の数値は大丈夫なので恐らくハンガーノックだ!となり、助産師さんがおやつに用意されていたおにぎりとお茶を持ってきてくれました。

このおにぎりがめちゃくちゃ美味しくて…。
何の変哲もないただの菜飯おにぎりなのにすごく美味しいのです。本当はがっつきたかったけど空腹の所にいきなり食べ物を入れるのは危ないかなと思い、ちびちび噛み締めて食べました。
食べ終わったら温かいタオルで体を拭いてもらい、入院着と持参したむくみ防止のメディキュットに着替えさせてもらいました。

PM16:30 病室へ
本当なら2時間程度の休憩でしたが、私の回復に時間がかかり時間は夕方へ。
夫は退出した後娘を保育園に迎えに行きまたとんぼ返りして病院で私を待っていましたが、いつまで経っても病室へ戻らないのでかなり心配したそうです。
面会の時間も迫っていたので4時半には病室へ戻ろうとの事。その前にトイレに行くか聞かれましたが、導尿もされていたし途中から全く水分を取っていなかったので出そうもありません。倒れてもアレなのでトイレはやめにして車椅子に乗せられ4階の病室へ。
しばらくすると夫と娘、それとコットにいれられ綺麗にしてもらった赤ちゃんが来て初の家族のご対面。

娘は見慣れない赤ちゃんにかなり警戒していましたが、頭を撫でたり手を握ったりして何となく私のお腹から赤ちゃんが出てきたんだと理解したっぽいです。

写真を撮ったりしていると面会時間の30分はあっという間に過ぎていきました。
出産当日は必ず母子別室なので赤ちゃんはベビー室へ、私は病室で横になりました。

こんな感じで人生最後の出産は終わりました。
流産、長かった不妊治療、妊娠生活と色々ありましたが、無事に出産を終えてひとつの区切りを迎える事が出来ました。
次回は入院生活について書く予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?