ヒト!人がいる!
ゲレンデの駐車場からリフト乗り場までの通路を歩いていた。
前方では大学生くらいの男女グループが雪合戦をしている。
雪、 ぶつけられたらどうしよう。
そんな事を考えながら歩みを進めていくと僕の存在に気付いた女子が声を上げた。
「人! 人!人! 人が来た!」
それを聞いたメンバーは雪合戦を休戦し、速やかに道を開けてくれた。
なんて事ない日本語に無性に違和感を感じる時がある。
人!人が来た!
みて!鹿!鹿がいるよ!
の言い方だな。と思った。
または、熊だ!熊が出たぞ!の言い方。
普段、「人がいる」という文を当たり前のように使っているけど同種族の個体を種族名で呼ぶ事にふと疑問を感じたのだ。
犬がいて、
その犬が他の犬を見て、
「犬だ!犬が来たぞ!」
って言うのは滑稽ではないか?
お前も犬じゃん!って。
ただ間違ってもないのでどうしたら違和感がなくなるか考えてみた。
来ているのは人で間違いないが種族名で呼ぶのは呼んだ本人も含まれてしまう。
属性を追加してみる。
「通行人が来た!」
言った人も来た人も同じ人だが、属性が違う。
飼い犬が「野犬が来たぞ!」って言ってる状態。
これなら違和感はない。
本来はこうして属性+種族名で呼び分けていたのかも知れない。
次第に略化されていき今の状態になったのかな。
などと言語史に思いを馳せる冬の晴れた日。
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