見出し画像

ランドリーストーリー

先日、友人のミリオタ猟師と山で遊んだ時の事。
ミリオタ猟師は最近やっとコインランドリーの魅力を知ったらしい。

実は僕もよくコインランドリーを利用する。
独身男の一人暮らしだ。ついつい洗濯を溜め置いて「明日履くパンツがない!」なんて事もある。
自堕落だ。と思うあなたは無自覚にマメな人だろう。
どんな男前もエリートも、一人暮らしであればこれがリアルだ。

なので洗濯は自宅で済ませ、乾燥機を求めてランドリーへ向かうのだ。


聞けば猟師もそのコースらしい。

「おう、めちゃくちゃ便利よな。」
と返すと猟師はこう続けた。

「なんかさ、あの空間がイイんだよね。」

おお猟師。
お前はそこに気付いたのか。

そう。コインランドリーはエモい場所なのだ。

世の中には時代の流れが遅い場所がある。
ラブホテルやボーリング場、自動車教習所、陸運局、警察署、理髪店といった時代が更新されづらい場所の中にコインランドリーもしっかり入っている。
つまり、懐古的な雰囲気があるのだ。

それだけではない。
洗濯をして干し、乾いた洗濯物を畳む。
これは基本的に家庭内で完結し人の目に触れる事はない。
そんな「生活」の一欠片ヒトカケが集まってくるのがコインランドリーなのだ。
町単位の大きなシェアハウスの生活共有部のようだ。
同じ町に住む名前も知らない人たちが一瞬その場で一緒に「生活」をする。
それがあの独特な長屋感を演出するのだろう。

¥50の柔軟剤が自販機で売ってんだよね。
乾いたウェットシートみたいなやつ。

なのでコインランドリーは新旧問わず良い。
前の家に住んでいた時は最寄りのランドリーが古く、¥100で12分の乾燥機を36分回す間店内の夜のお店を紹介する冊子を眺めて過ごした。
営業時間を過ぎても電気が消えるだけで実質24時間営業だった。

今は最新式のコインランドリーが最寄りだが、雰囲気は変わらず良い。
夜の冊子の代わりにWi-Fiが飛んでいるので、こうしてnoteを書いては“乾燥感想”を待っているのだ。──

この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?