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まりもについて

家族間でしか通じない謎の名詞や動詞ってきっとどの家庭にも存在すると思います。我が家は山ほどありまして。いくつかご紹介致します。

干してある洗濯物を取りこむことを「収穫」

穴が開いて片方になってしまった靴下のことを「独身」

反対の足に穴が開いた靴下と晴れてパートナーとなった場合は

「再婚」(ただし色柄が違ったりする)

洗濯系だけでもこの通り。


「空中切り」

これはズボラな母が編み出した。まな板を使わず手の中で器用に食材を切り落とし鍋やフライパンに落としていくというやや危険な技の名称である。人に料理を振る舞う時以外は切り口が雑でもいいしその姿を誰も見てないし、洗い物も減らしたいので私もよくやってしまう。

横着者の母はさらに高度(?)な

「ねじり切り」

まで編み出した。こちらは包丁すら使わない。長葱さえも力任せにねじる。もはや切るというより破くと言っていい。当然、包丁ほど小回りもきかないため破かれたものたちは大きめになってしまう。いつだったかそのねじり切りによって食卓に上った青梗菜を喉につまらせて窒息しかけたこともあった。両親は大笑いしていたが私は必死。間抜けな話だがあの時はほんとに死ぬかと思ったわ。


「お経ソング」

メロディに抑揚のない曲のこと。

そんなお経ソングに奥田民生のマシマロという曲がある。この曲のPVからもひとつ動詞が生まれた。

自動改札で何らかの理由によりドアにガードされてしまうことを指す

「マシマる」

あっあの人マシマってる〜、のように使います。自分が引っかかることも稀にある。マシマるなよ。


「ローリング・ストーンズ現象」

これは叔父が感動的な話があるとローリング・ストーンズのとあるエピソードについて嬉々として語ったにも関わらず私と叔母は口を揃えて感動とか意味がわからん、と全然違うポイントを指摘し、そもそも⚪︎⚪︎の方が〜などと言い出す始末。
以来、話が通じなかったり、思いの外話がウケなかったときに使う言葉となった。

改めて文字にすると一体何がおかしいんだと冷静になる。こういうのを内輪受けって言うんでしょうね。

また思わぬところで有名になった名詞がひとつ。

「まりもグッズ」

意味のないもの。いらないものの総称。

出処は確か、両親の元勤め先で同僚が言い放った
「まりもって何のために生きているのかしら」だったと聞いた気がする。

ある日友人にこの名詞と意味を何気なく話したところ、ツボにはまったのか彼女のお母さまお姉さまにまで広まり
「一時は家で大流行だったよ〜⭐︎」
なんて報告を後日受けたのだ。

発案者でもないのになんとなく嬉しかったこの気持ちは一体。

まりもはきっと今日もどこかで光合成をしている。立派じゃないか。ちゃんと役目を果たしている。

まりもは、まりもグッズではないのね。
ごめんよ、まりも。
しかもタイトルに使った割にあまり触れることができなかった。

すまない、まりも。


今回のBGM マシマロ/奥田民生


(お経ソング。だけどとてもカッコイイ。)

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