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もっと柔軟に、もっと伸びやかに。
働き方の見直しを始めて早2年。
「いつまでやってんねん。そして、いつまで定まらんねん。」と自分にツッコミを入れながら活動してきたが、やっと形が見えてきた。
見えてきたというか、これまでに考えていたことややってきたことが整理されて、一つの形に落ち着いたという表現の方が近いのかもしれない。
長かった、とても、長かった。
やっと繋がった。答えはちゃんと足元にあった。
僕は2017年の秋頃に仲間2人とともに、「スライムキャリア」という働き方を提唱していた。スライムキャリアとは、一つの組織や一つの肩書きに捉われずに、複数の場所、チーム、肩書き、職種を持って、柔軟に働くキャリア形成方法の造語である。スライムのように柔軟に型にはまることなく自由に変形できる働き方っていいよねと思って作った概念。
2020年にはまた別の仲間たちと「ディレクターズギルド」というコミュニティを立ち上げた。このコミュニティは専門性がなくても重宝される右腕人材になる方法を伝えるコミュニティで、先ほどのスライムキャリアと概念的にはかなり近しいものだ。
僕自身、2015年に独立してから今に至るまで、自分自身がこのようなスライムキャリア的な働き方、ディレクターとしての活動を実践してきた。そう考えると、2020年頃には自分の働き方が完成していてもおかしくなかったはず。なのに、ずっと迷っていた。
僕が欲しいと感じていたものが何も手に入っていないと感じていたから。
「独立したんだから事業を大きくしたい、お金持ちになりたい、自分の代名詞となるような事業をつくりたい、富と名声が欲しい。」人前で大っぴらには言ってなかったけど、僕はずっとこんなことを考えていた。
特に「自分の代名詞となる看板を持ちたい。」というのは、独立した翌年くらいからずっと言っている気がする。「サービスAと言えば〇〇さん」「サービスBと言えば**さん」みたいな、自分の代名詞が欲しかった。
「代名詞・看板さえ手に入れば、あとは事業を伸ばすだけ」だから、まずは看板になるものを探そうと思ってずっと活動してきた。試行錯誤の中で公開婚活なるユニークなサービスを考案したこともある。だが、どれも続かなかった。
僕の性質はどちらかと言えば器用貧乏。なんでもある程度こなせるけれどトップクラスにはなれない。だからこそ、誰かの右腕、裏方として事業をサポートする働き方を選んできた。しかし、これでは「自分の代名詞となる看板を持ちたい。」という願望が叶うはずはない。
それでもなお自分の武器・代名詞を探し続けた。探し続けた結果、働き方迷子に陥った。迷子になってもなお探し続けた。僕にとっての最高の武器はどこにあるんだろうって。
そんなものはなかった。
僕が欲しがっていた武器、看板は僕が探している場所には落ちてなかった。そもそもそんなものはないのかもしれない。なんなら、僕にとっては必要のないものなのかもしれない。最近になってやっと心の底から諦めることができた。
諦めて感じたことは、冒頭の方で少し書いたスライムキャリア、ディレクターズギルドを提唱していた頃のように働けば良いってこと。とてもあっさりと片がついたのである。今となっては何にそんなに固執していたかが謎。
原点回帰。
興味を持てること、面白いと思えること、好きな人から声をかけてもらうこと、こういったことに軽やかに乗っかって、その時々にあった働き方をしてれば、それでいい。それできっとうまくいく。無駄に意地張って、形にならない願望を追っかけて苦しむのはもう辞めよう。
もっと柔軟に、もっと伸びやかに。僕の人生はこれからもっと面白くなるに違いない。
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