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この季節はマイルスデイビスが沁みるのだ。

最近また聞いてるマイルスデイビス。ミュートの効いたトランペットが沁みるのだよ。何がいいのか、うまく言葉にできないんだけど、彼の音楽に圧倒されることが、一種の快楽となっている。

彼は実はトランぺッターとしての技術が未熟で、密かなコンプレックスを抱えていた。つまり速いフレーズが吹けない。でも彼はそれを逆手にとって、トランペットを遮二無二吹かない、言わば空白や間合いを重視した音楽を構築し、自分のスタイルとした。

ある意味、従来のtoomuchなビバップジャズとは異なる世界観。だから、彼は「俺の音楽をジャズと呼ぶな」と言い切るのかもしれん。む~かっこよすぎ。

なので、エレクトリックマイルスはなかなかペットを吹かない。いつ吹くのか、今か今かと渇望しながら聴く。でも、彼はなかなか吹かない。

でも、その間、何もしていないわけではなく、バックミュージシャンににらみを利かせ、「マイルス的世界」からの脱獄を監視している。逸脱した人間は、その日で解雇される。そのくらい、マイルスは力を持っていたということ。

そんな意味では、ベルリンフィルの総監督であったカラヤンやフルトヴェングラーの独裁者的スタンスに近い。プレイヤーではなくオーガナイザーとして、彼は晩年を生きた。 ある意味、プレイヤーから管理職を経て退職したサラリーマンと相通ずる部分がある、いやないなw

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