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スポーツ科学研究「恵比寿の巻」

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Sport X Management Lab.がまとめるスポーツ科学関連の学術論文まとめ(百本セット)。
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#コーチング

ドラフト一位はひとつのスポーツだけをずっとやってきたわけじゃないぜって話

皆さんこんにちは! 皆さんは子どもの頃、ひとつのスポーツを集中してやっていましたか?それとも、色んなスポーツをやっていましたか? 少し前の記事になりますが、ひとつのスポーツを集中的に行っていると怪我をする可能性が高くなってしまうという記事を書きました↓↓ 日本では、スポーツ選手の多くが小さい頃からひとつのスポーツを集中的にやっていることが多いと思います。こういった、小さい頃からひとつのスポーツを集中的に行うことによって、より専門性を高めることをアーリー・スペシャリゼーショ

青少年の身体発達の早さが、将来の活躍にまで影響するカモって話(8年もサッカー選手を追跡調査したぞ)

子どもたちのスポーツにおけるパフォーマンスを考える時は、色んな要因を考慮しなければなりません。 例えば、子どもたちのパフォーマンスは生まれた月によって影響を受けるカモとか、 カラダの発達が早い子どもと遅い子どもには、それぞれ得意分野があるよーなどです。 絶賛成長中の子どもたちのパフォーマンスは、予測が非常に難しいんですが、タレント発掘に大きな影響を与えるので科学的に考える必要があるわけです。 そこで、「子どもたちの身体発達スピードはプロ選手になれるか否かにまで影響する

感謝の気持ちを強く持ってるアスリートほどバーンアウトになりにくいかもという話

子どものころからよく家や学校で感謝の気持ちを持ちなさいって教えてもらいましたが、今日は感謝の気持ちを持っているとスポーツ選手にとってどんな良いことがあるか?というお話です。 過去の研究において、感謝の気持ちを強く持っている人ほど、人生における満足感や幸せ感、心身の健康といった私たちが大切にしたいと思っているものを得やすくなりますよということが分かっています。 こういう研究結果を見ると、私たちが子どものころに自分の親や学校の先生が教えてくれたことって、自分の人生においてもと

ある親の行動が、子どもがスポーツを通してハッピーに生きるために大切という話

人がハッピーに生活を送っていくためのスキル(スキル = トレーニングで高めることができる)を"ライフスキル"といいます。 ライフスキルには、チームワーク(協力)、的確な目標の設定、タイムマネジメント(時間の使い方・管理)、感情のコントロール、コミュニケーション、社会性(人との関わり)、リーダシップ、問題解決能力が含まれます。 しかも、スポーツはそのライフスキルを高めるためにとても効果的というのが過去の研究ではすでにわかっています。 更にスポーツでの楽しみは、子どもの心の

カラダが小さい子は、大きい子にマジで負けてしまうのか問題

子どもたちのカラダの成長は非常に早いわけで、一年もあれば別人と思われるほど大きく成長します。 自分の子どもが3月生まれだと想像してみてください。 同学年の佐藤さんの子どもは4月生まれです。 佐藤さんの子どもの方が、約1年も先に産まれているわけで、カラダの成長は全くと言って良いほど違うわけです。 早生まれじゃない子どもたちは、カラダが大きいので(おそらく)優遇を受けて スポーツで活躍できたり、活躍の機会をたくさん与えられるというエビデンスは過去の記事でも紹介しました。

苦しい状況を成長の機会に変える方法!〜ケガをしたアスリートに注目〜

スポーツをやっている人が頻繁に悩まされるものといえば 「ケガ」ケガが原因で競技者としてスポーツをすること諦めたという人も少なくないのではないでしょうか? 私も実はその1人で、ケガは本当に私の人生に大きなインパクトを与えました! 近年、スポーツ心理学の世界で「ケガによる成長(Sport Injury-Related Growth)」というテーマでの研究が増えてきており、ケガによる成長に関する理論の構築がされるまでになってきています。 その理論によると、「ケガをして逆境に

スポーツがもっと楽しくなるマインドセットのお話!

皆さんは才能は生まれ持ったもので変えることのできないものだと思いますか? それとも、才能は、努力によってなんとでもできるものだと思いますか? もし、自分の上司やコーチなどに「君には才能がない」と言われても皆さんは頑張り続けることができるでしょうか? 今日はコーチと選手の才能をどう捉えるかというマインドセット(心持ち)が選手のモチベーションやポジティブ感情にどう影響するかというお話です。 才能をどう捉えるかという心持ちモチベーションの理論において、マインドセット(心持ち

せっかくのサポートが逆効果になるとき?

人のパフォーマンスや心理面に大きな影響を与えるモノのひとつとして、環境的要因というものがあります。 環境的要因とはどういうモノかというと、「チーム・組織の方針」、「チーム・組織の文化」、「リーダー(コーチ・上司)の支援スタイル(支配的・民主的など)」などが挙げられます。 そこで今日は、これらの環境的要因の中での支援・サポートに注目した研究を紹介します。 過去の研究から、「必要なときに必要なサポートを受けられる」という感覚は、様々な重要な心理的要素(自信、モチベーション、

伝説のコーチは現場で実際にどんな行動を取るのか?

皆さんは、パット・サミットという”伝説のコーチ”をご存じでしょうか? アメリカはNCAA一部リーグで活躍する名門テネシー大学女子バスケットボール部の元ヘッドコーチです。 59歳という若さで若年性アルツハイマーを患い、コーチとしてのキャリアを退くまでに8回の全米チャンピオンに輝き、積み重ねた勝利数1098勝は2020年8月現在、NCAA1部女子バスケット史において最も最高勝利数を誇ります。 また、その勝率は、なんと「.841」という凄まじい数字。 そんな伝説的なコーチの

シンプルで分かりやすい「チームのまとまり」と「バーンアウト」のメカニズム

スポーツに限らずですが「チームのまとまり」や「物事を続ける」こと の価値をマイナスに捉えている人は少ないのでは? 本日はスポーツにおける「チームのまとまり」と「バーンアウト」が引き起こされるメカニズムを調べた研究をご紹介。 この疑問に立ち上がったのは英国はバーミンガム大学の研究チームです。

アスリートを救うたった90分の「ありがとうプログラム」の効果が良い感じです

※本日の記事は、最後に実際の「How to」も紹介しています。 アスリートは想像もつかないストレスと日々戦っていると言われています。 その始まりの多くは 学生時代です。

子育てに大切な親の〇〇をトレーニングできるか調べた件

最近、こどもの虐待といった悲しいニュースが多いですが、子どもを殴りたいと思っている親なんていないわけで、きっと親もどうして良いかわからず、叩いてしまったりしてるんだと思います。 そこで、今日は親の子育てに関する話。 親のマインドフルネス私たちが書いている記事の中でもよく紹介しているマインドフルネス(マインドフルネスに関する過去の記事はこちらから)なのですが、子育てにも役に立つんじゃないか?ということで注目されています!

こんなリーダーのいる組織はパフォーマンスが上がらない

組織は上に立つ人で変わる!なんて言われたりしますが、まさにその通りであり、組織のリーダーはその組織のパフォーマンスを良くも悪くもする非常に大きなポテンシャルを持っていおり、リーダーの資質というのはまさに両刃の剣なわけです。 そこで、本日は、リーダーのある資質が組織のパフォーマンスにネガティブな影響を与えるメカニズムを検証した研究の紹介です! インシビリティ

コーチの“感情表現”が実は選手のパフォーマンスに関係してるというお話

私たちが学生時代にスポーツをガンガンやってたときのこと思い出してみると、皮膚感覚的にですが、コーチがイライラしてるときはプレーしにくかったり、逆に機嫌良さそうにしてるとプレーしやすかったなぁと! でも、その感覚はちゃんと科学的に証明されているんです! ということで、今日はコーチの感情表現が、選手の感情やパフォーマンスにどう影響するかという話です! 感情の伝染昔から感情とパフォーマンスの関係というのは研究者の間での大きな興味の一つでした。