「校正・校閲セルフチェックシート」の作成に取り組みはじめた
取り組みはじめた「校正・校閲セルフチェックシート」についてツイートしたところ、12万インプレッションを超える反響をいただきました。
まだ、草稿的な感じです。
着眼点(カテゴリ)と重要度(レベル)のマトリックスにしてみました。
対象:
何かと書くことが増えているけれど、チェックしてくれる人がいない
ブラッシュアップ/レベルアップしたいけれど、どこからはじめたらいいのかわからない
なお、実際に取り組むときには、対象となるチェック項目を同時に全部でなく、ひとつずつチェックしていくのがオススメです。
★
noteにて少しずつ書き足していきます。まず「これだけは」を10個。
【1】「沢山」「為に」「出来る」「頂く」はひらく
まず、ひらがなで表記することを「ひらく」、その判断を「閉じ開き」と呼びます。
閉じ開きに関しては、次のnoteをぜひご一読ください。
さて、ひらくかどうかの判断に「自分で手書きしたときに漢字で書くかどうか」という基準がありますが、“手書きしたら漢字にしないだろう”代表4つ。
沢山/たくさん
為に/ために
出来る/できる
頂く/いただく
100%ひらくわけではないのですが、私にしてみると「うーん、堅い!!」と感じます。漢字が多く、全体の見た目の黒味が多い(=黒っぽい)と感じます。
https://www.njg.co.jp/column/column-31455/
【2】形式名詞として使う「事」「物」「時」「所」はひらく
「形式名詞って何?」や、比較表にしてみると逆にややこしく感じるかもしれませんが、「その時」「〜すること」は、ひらきましょう。
TVのキャプションでも閉じていることが多いのですが、きちんとした編集が入っている文章では100%ひらいています。
ひらきすぎても逆に読みにくいので注意。
【3】今年 → 今年(2020年)
「今年」「来年」はもちろん、「今月」「今週」など、現時点からの相対的な指定は書き手視点。
特にニュースリリースやブログ。読者がいつ読んでも(数年に読んでも)困らないように絶対的な指定を添えておきましょう。
文字数制限があるツイートでは、投稿日を確認しやすいので検討の上で。
【4】「、」が多すぎないかを確認
文節ごとに入力しながら、そのタイミングで「、」を入れてしまいがち。その結果として「、」が多く残る傾向があります。
書き上げた後に少し時間をおいて、30%くらい減らすつもりで読み直すとよいでしょう。
【5】起こしの括弧を正しく(”” → “”)
特に二重引用符(“”)で、起こしの括弧(始め括弧)が間違っていることを多く見かけます。
画像は誤りのサンプルです。フォントによってわかりにくいのですが、注意しましょう。
【6】固有名詞の裏取り、スペルチェックを行う
「正確さ」は、ひとつの品質であり礼儀です。 逆をいうと、固有名詞の表記が誤っていると信頼性を欠いてしまいます。
※「富士フイルム」や「キヤノン」などの変則的な法人名にも注意。
【7】英語の「,」「.」の次にはスペースを入れる
英文中の「,」(カンマ)や「.」(ピリオド)「:」(コロン)の次には半角スペースが必要です。
【8】「〜になります」 → 「〜です」
「AがBになる」以外の「〜になります」は「〜です」で置き換えましょう。
冗長だったり慇懃無礼な印象を与えかねない次についてもリライトしましょう。
「〜させていただきます」 → 「〜いたします」
「〜することが可能です」 → 「〜できます」
【9】限定的にしか通じない省略語は避ける
社内のチャットなどではOKですが、外部の方とやりとりする場合には省略語の使用には配慮したい。
FB:フィードバック? Facebook?
ワイヤー:「ワイヤーフレーム」(「WF」も通じないかも)
「これ以降、〜のように書きます」と添えるとよいでしょう。
【10】飾りとしての英文は不要
プレゼンのスライドなどにつけている英文、ウェブサイトのメニューに使う英語、そもそも誰のためのものなのでしょうか?
「ここに英語が必要??」と思うときに限って、文法・用法的に怪しいものが多く逆に心の中で苦笑されていたりします。
なぜ、これに取り組むのか?
追求したいのは「正しさ」ではなく「読み手への配慮」です。
より正確に伝えるため(誤差なく)
より短時間で理解していただけるため
最後まで読んでもらえるため
信頼性を損ねないため
製品やサービスにリスペクトを持っていないと思われないため
内容に集中できない(人がいる)ため
「日本語弱いんだ」「アタマ悪そう」と思われないため
余分なスペースが入ることで禁則などの組版処理が狂うため
2つだけ選ぶなら
「沢山」「為に」「出来る」「頂く」はひらく(ひらがなで表記する)
固有名詞の裏取り、スペルチェック
ツール紹介
3つほどツールを紹介します。
ATOK+クラウド文章校正
イチオシは「ATOKを用い(文節でなく)文章単位で入力すること」。また、ATOKを契約すると使えるクラウド文章校正も重宝します。
Shodo
ブラウザー拡張(無料)を使って、入力しながらチェックできます。
もちろん、有料版だとさらに強力に。
オンライン校閲ツール「文賢(ぶんけん)」
校正・校閲のツールというよりも、「たとえ表現機能」を代表に表現力を広げる方に舵を切っています。
ダウンロード
PDFとExcelファイルを共有します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?