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セミナーやイベントまわりで気にしておきたい用語や表記、ワーディング

セミナーなどのイベント開催のときに使う用語などについてまとめてみました。

  • イベントの企画・運営をなさる方

  • セミナーイベントに登壇される方

〈ワーディング〉とは表現や言い回しのニュアンスを意識し、統一することを意味します。


「場所」 → 「会場」

会合、会議や催し物を開く“場所”が「会場」です。


「参加無料」 → 「参加費無料」

「入場無料」と「参加費無料」がマージして「参加無料」になってしまっていると予想します。「無料」なのは「参加費」なので「参加費無料」がよさそうです。

入場しないイベントが増えつつあるイマ、「参加無料」が定着していくのかも…


開催年を入れる

制作している場合には開催年は自明です。
一方、サイト、LP、チケッティングサービス、ブログ、および、バナーなど、後日(数年後)に見たとき、開催年は明示しておくのが望ましいです。

開催年を入れておけば、次のようなムダな行動を回避できます。

  1. 「おっ、このイベントおもしろそう!」 

  2. 開催情報を探す

  3. 申し込めない…

  4. おっと!よく見たら昨年の開催か…

年は4桁で

「2025年」を「25年」と書くのは避けましょう。せめて「'25年」のように「20」が省略されていることを示すべきです。

今のところ、令和5年ですので心配なさそうと思いきや、H25かもしれません。

読み手が考える一瞬をなくしましょう。

「昨年」 → 「昨年(2021年)」

イベントページは数年後に見られることもあります。「今年」「昨年」などの相対日付には、実際の年号などを入れておきましょう。

「令和4年」 → 「令和4年(2022年)」

和暦を使う場合には西暦を添えておきましょう。


時刻は24時間表記で

朝の「9:00」なのか、夜の「9:00」なのか…
24時間表記すれば解決します。

また、その日の夜中は「1月23日25時(= 1月26日午前2時)」のように表記すると迷いません。

AM/PM

日本の午前9時は、英語では「AM 9:00」でなく「9:00 AM」です。

「PM 17:00」

「PM 17:00」は二重に間違っています。正しくは次のいずれか。

  • 17:00(午後は不要)

  • 5:00 PM

  • 午後5:00

お話します → お話しします

「話す」の謙譲語のため、「し」が必要です。

※昔話などの「お話」は別で、この場合、「お話をする」です。

逆に「今日は〜の話をします」を「今日は〜のお話をします」とすると、少し違和感が残ります。ここに「お」は不要。


Time Table → Timetable

Time+Tableなんですが、英語ではスペースを入れずに1語なんです。

 「time schedule」という語句もありますが、こちらは日付を基準にしたニュアンスです。


トークセッション

「トークセッション」で定着しつつありますが、「パネルディスカッション」ですね。なお、英語では「Panel」のみです。

「パネルディスカッション」というと、司会(コーディネーター)の仕切りの元に、テーマごとに討論していくのが元々の意味です。

昨今、よく使われる「トークセッション」は、討論というよりも、複数人のスピーカーの対話で進めていくようなニュアンスで使われていたりします。


つぶやく → ツイートする

「みんな、つぶやくって言ってるじゃん!」とも思いますが、「ツイートする」が正式な用語です。

※TwitterがXに代わり、「ツイートする」は「ポストする」に変更されています。


参加する/登壇します/出演します

登壇される方が「〜(のセミナー)に参加します」と書くと、セミナーを受講するのか、登壇するのかわかりません。
明確に登壇することがわかる書き方が望ましいです。

なお、「セミナーへ登壇します」は「セミナーに登壇します」がよいでしょう。


応募する/申し込む

「お早めにお申し込みください!」と「お早めに応募ください!」では、少しニュアンスが異なります。

「応募」には、お申し込み後に抽選や審査などがあるようなニュアンスを感じてしまいます。

お申し込み開始

申し込むのは参加者、それを受けるのは主催者ですので、「お申し込みの受付を開始」が望ましいです。

さわり

「話などの最初の部分のこと」は誤用。

「さわり」は義太夫節の最大の聞かせどころ,聞きどころとされている箇所を指した言葉でした。それが転じて,音楽や物語の最も感動的な部分,話や文章の要点などという意味で使われています。

文化庁月報
平成23年7月号(No.514)

ただし、その意味で定着しつつありますので悩ましい。異なる用語で使うのがよさそう。

固有名詞は裏を取りましょう!

「正確さ」は、ひとつの品質 。普段使いのメールやチャットはさておき、告知文章やスライドでは固有名詞は正確に記述しましょう。内容への信用度が落ちます。

  • WiFi → Wi-Fi

  • zoom/ZOOM → Zoom(すべて大文字のZOOMは日本の音響機材メーカー)

具体的には、次のように仕組みで解決しましょう。

  • 入力せずに、コピー&ペーストする

  • 単語登録する

  • サイトのソースコードで調べる


閉じ開き

漢字で書ける語句をひらがなで書くことを「ひらく」、その逆に、ひらがなの語句を漢字で書くことを「とじる」(=ひらかない)、これらを総称して「(漢字の)閉じ開き」といいます。

この「閉じ開き」は、テキストの読みやすさ、伝わりやすさ、さらに、誤読を避ける気づかいなどに直結します。

パソコンで入力すると漢字が多めになるため、意識して“ひらく”ことを考えてみるとよさそうです。


英語関連

ここは日本ですので目くじらを立てる必要はありませんが、セミナーイベントそのもの信頼性に直結するので把握しておくとよさそうです。

省略語の扱い

社内、および、限定された人の間でしか通じない可能性がある省略語は避けましょう。

  • FB:フィードバック、Facebook

  • SP:スマートフォン、セールスプロモーション

QA → Q and A

QAといったらQuality Assurance(品質保証)。
Q and A(Q&A)がよいと思われます。

Index → TOC

indexは索引。
目次は「Table of Contents」。Contentsだけ、またはTOCと書きます。
agendaと書く人もいますし、会議ならともかく、セミナーでは不自然…

英語にせず、「セッションの流れ」とか「目次」でよいのでは?

「STEP6」や「STEP.6」 → 「Step 6」

英語では、単語と単語の間にスペースが必要です。

また、「文章の終わり」「省略」以外の箇所で「.」を入れないようにしましょう。

◎ Chapter 6
◎ Chap. 6
× Chapter. 6

日付

「.」を区切り文字として使用している場合、 最後の「.」は不要です。

  • 2021.10.31. → 2021.10.31

省略していない場合には「.」は不要です。

  • December. 25 → December 25、Dec. 25

  • 「Since2012」 → 「Since 2012」のようにスペースが必要です。

英語での“添え物”は不要です

ワーディングからは離れますが、スライドに“添え物”としての英語は不要です。
そもそも、その英語は誰のためのものでしょうか?
明らかに不要なケースほど、得てして英語が間違っていることが多いんです。

脳ミソの半分が英語だったり、普段使いで英語を使っている現場を除き、英語の“添え物”は不要です。

アワード

英語で書く場合、1つひとつの賞はAwardですが、イベント全体では複数形のAwardsです。

なお、英語の発音は「アウォード」。

  • warning(ウォーニング)も同じようにワーニングで定着していますが…

  • ティザー → ティーザー(teaser)伸ばします!

TIPS → Tips

省略語ではないので、TIPSとは書くのは誤りです。
なお、英語圏のセミナーではTips & Tricksでセットで使うのが多い傾向。

また、これをカタカナ表記するとき、「チップス」だとchipsのようなニュアンスが出てしまうため、「ティップス」がよさそう。

WEB、web、Web、ウェブ

「グラフィックデザイン」を「Graphicデザイン」と書くのは不自然ですよね…
英語にする必要はなく、「ウェブ」がよいと思います。



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