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まさか!従業員とクライントの呼称があの日本で最も有名なテーマパークと同じ呼称とは…

1⃣あのテーマパークと同じじゃん

私が以前介護職員の研修を担当していた時に驚いたことがあった。

私自身が介護保険事業所に勤務していた時には多くのサービス事業者が
クライエントをどのような呼称でお呼びしていたかというと

「利用者さん」

が大部分を占めていた。

中でもインパクトが大きかったのは、ある入所系の施設ではクライエントを

『ゲスト』

という呼称を使っていることであった。

クライントを[

利用さん]

という呼称で使っているところが多いだけに

ゲストと言えば

「あの日本で最も有名なテーマパークのイメージだよね。」

ということで話が盛り上がりました。

これは

もしかしたら

スタッフもこのテーマパークと同じ呼称なのでは?

と聞いたところ

やはり

ビンゴー!

ということで

「キャスト」

でした。

すると教室の受講生がザワつき始めました。

おやっ

ちょっと待よ

という事になった。

介護職員の実務者研修だったため
研修中の座学では介護保険のこともレクチャーをするわけです。

受講生さんの1人がボソッと一言

「うーん、ゲストとキャストと言うと何だが聞こえはいいけれどね…」

私も介護保険の目的を考えたらどうもイマイチしっくりこないものがありました。

なぜならば、理由はこちらです。

2⃣「サービス」という呼び方~これってくせものだよな、保健医療・福祉サービス従事者の落とし穴~

ズバリ‼

自立支援

だからです。
こちらは介護保険法第1条にも明記されています。

ちなみにこんな感じです。

介護保険法第1条(目的)
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護
状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上
の管理その他医療を要する者等について、これらのものが尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日用生活を営むこととができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに関わる給付を行うため、国民の共同連帯理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等い関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

介護保険がスタートしてからは、原則として利用者さんからはサービス利用料を一部ご負担して頂くようになりました。

そのため制度を説明するのに苦労されるケアマネジャーや相談員さんが多いのはないかと思います。

例えば、介護保険の事業所スタッフならば誰でもごく当たり前に使っている言葉として

「サービス」

があります。

皆さんでしたら

サービスと言われるとどのようなイメージを持たれるでしょうか?
意外と、この

「サービス」

という言葉はくせものなんです。

なぜそうなのか?

この言葉からイメージされる言葉は

●スマホの「ギガ放題サービス

やら

●通販番組でもおなじみのセリフ

「今ならこれを買ったら、もう一つ〇〇がもれなくついてきます(いや、いらんからその分安くしてくれ)」的なものだろうか?

確かにそれもありですね。

ここでざっくりとまとめるこんなカテゴリーになるのではないでしょうか?

⑴「割引サービス」

⑵「無料サービス」

何かの特典が付いてくる
「プレゼント」や「優待サービス」

という方が多いのではないかと思います。

⑴はサービスは料金が安くなること。

⑵は「ただ」という意味です。

⑶はサービスを購入する側にとっての
「お得なもの」だったり
「お得な事」

というところではないでしょうか?

そのようなことで

特に介護保険の利用料の説明をすると利用者さんやご家族の中には

「サービスと言うんだから、無料じゃないの?」

と言う人がいたり

残念ながら、いまだにサービスと言うからには風呂場や個室で女性スタッフにお触り行為をしてくる男性利用者さんもゼロとは言いきれません。

確かに、過去の日本ではそのようなことを容認していた時代もあります。

だからと言って、それが許されるわけではありませんし、許容される時代はとっくに終わっています。今では「セクハラ行為」でもありますし犯罪としてハラスメント行為として成立される言葉として世界的にも認識されています。

私も介護保険に携わる介護福祉士として何の疑問ももたずに

しれっと「サービス」

という言葉を使っていただけに

「言われてみればそうだよなぁー」

あのスマホのCMではないですが

「はっ!(確かにそうだったー)」

と改めて考えさせられました。

一方では「サービス」と言われていて
介護保険料や利用料の負担をしているので
残念ながら、無理難題を押し付けて来る
いわゆるモンスター的なご家族の方や利用者さんもゼロとは言いきれないというのも現状ではないでしょうか。
(多くの場合は、最終的にはケアマネージャーがいて多職種連携で介護や保健医療のプロが多角的な視点でこのサービスは本当に必要かどうかチェックが入ります。そのうえで利用者さんと事業所が協議の結果ケアプランが作成されてサービスが行われますが…)

特に、ご年配の方の中には
かつて演歌界の大御所であるあの方が

「お客様は神様です」

という名言を残したため
その影響でもあるのでしょうかねぇー?

少し余談になってしまいましたが、ホント現場に出ていると

だた

ただ

言えるのは

「サービスの捉え方って、人によってこんなにも広範囲なんだな…」

というばかりです。

3⃣自立支援なんだよな…

そもそも論ですが
介護保険は利用者さんの

「自立支援」

であって

スタッフは「お手伝いさん」でもありませんし

利用者さんは「お客様でもありません」

あくまでも、利用者さんもスタッフも対等な関係です。

なぜなら、その理由は介護保険法の第4条にも明記されています。

国民の努力義務
第4条

国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢にともなって生ずる心身の変化を自覚して、常に健康保持増進を努めるとともに、要介護状態になった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。。

まとめると、介護保険法の第1条では事業者側は介護保険法に基づき

「利用者さんの自立支援をサポートします!」という

サポート宣言的なニュアンスが含まれています。

第4条には、「介護サービスを受ける側もそれなりの努力をしてほしい」

だから「これからもスタッフも利用者さんも一緒に歩んでいきましょう」

という趣旨であるという解釈と私は認識しております。

つまり、そこには


「対等な関係性成立ありき」

となるのが自然なことではないでしょうか。

それなので

「ゲストってどうなんでしょうか…」

と思ってしまった訳なんですね。

4⃣首を垂れる稲穂かな

以前、広島県尾道で行われている介護保険事業者が自宅でターミナルケアを迎える利用者さんとそのご家族のサポートをするドキュメント番組が紹介されていたのを見たことがありました。
特にターミナルケアになると医師との関りが強くなり、チームケアには欠かせない存在となります。

ターミナルケアを行うにあたり、スタッフとご本人・ご家族が回数を重ねて
顔を合わせて今後のどのようなケア方針でケアをしていくのかという事を顔を合わせて会議していくわけなんです。

勿論、医師も会議に参加されていました。
そのため、ケアマネージャーが医師の事を会議の冒頭で
会議の参加者に先生をご紹介するために
「○○先生」とお呼びしていたのですが、

医師直々に「〇〇さんでいいですよ」と訂正されていたシーンが
大変印象的でした。

「なんて、腰が低い先生なんだろうか‼」

「これぞまさに、首を垂れる稲穂のようだわぁー」
感銘を受けました。

それと同時に、さすが介護保険サービスとしての保健医療・福祉で有名なだけに

「介護保険の理念がしっかりと浸透されているよなぁー」

ということが感じられる場面でもありました。

あくまでも、私の経験からであり一個人の意見ですが、まさにこうでないとやはり利用者さんやご家族、スタッフ間には多かれ少なかれパターナリズム的な主従関係が発生してうまくケアが回らないのかと考えられます。

うまく介護保険のサービスを回すためにはやはり、保健医療・福祉のスタッフがある程度介護保険の法律の理解が必要だし、そのためにはnoteで発信されている様々な業界の方と情報交換をすることで多角的な考えができるようになりたいと思います。そのため、皆さんの発信をいつも楽しく拝見させていただいています。今後ともよろしくお願いします。



















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