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【感想76】キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

本当は2日後に簿記3級を受ける予定だったのが、欠片も勉強進んでないって理由で1週間後に伸ばして、今度は女性声優の配信と被るからって理由で受験日ずらそうとしてる。2級とろうとしたら多分受けるまでに2年使うんだろうなあ。

他人に勧めやすい ★★★☆☆
個人的に好きか  ★★★★☆

3時間半弱っていうとんでもない長丁場になるけれど、毎時間目が離せない場面が続くおかげで飽きが来るタイミングが来ない。
純粋にギャングものとしてみても面白いし、人種間の嫌な視点の隔たりといった一連の事件の醜悪な部分の見せ方も面白い部分が多いので映画館へ行ってじっくり腰を据えて見るのがいいな、て思う。

まずなんでこんな長尺なのかって言ったら、元の事件を懇切丁寧に描写してるから、が一番かなと思った。けど重要な顛末に関する残り部分はごっそりカットされたらしい。えぇ…

直近というか直前に見た『ザ・クリエイター/創造者』がハイスピードでいろんな要素をすっ飛ばして進めたのに対して、デ・ニーロ演じるキングを主導とした先住民への暗躍がひと段落するまでを終始同じテンポで隙間なく情報を提示しているのもあって、いらねえなってシーンや情報が一切ない。
しかも視点は白人サイドで徹底しているので、徐々に見ている側も先住民のオセージ族からオイルマネーを掠め取る共謀者のような気分になってきて全然いい気持ちになる時間がない。ここはオセージ族サイドで撮ってもいろいろとダメ出しというかいい子ぶってるだけな感じになっちゃう気もするのである意味良心的かもしれない。

ディカプリオ演じるアーネストが主役にはなるけれど、マジでちょうどいい男性って感じがいい。
恋愛結婚した純血のオセージ族モリーを治療する、というのに嘘はついていないけれど、キングに言われた通り毒殺するように別の薬物を混ぜたり、葛藤を経て混ぜる薬物の量を途中から減らして救っているような気分に浸ったりと自分に都合のいい言い訳でエンジンを動かしているところがいかにもなかっこ悪い男っぷりだった。
ダメ男っていうよりは、小物っていう表現の方が近い。それもあってキングの周到さや言葉選びも搾取する側としての圧倒的な格を見せつけるためのアクセントになっている。


起伏がなく史実の映像化なのでエンタメとしての面白さは保証しきれないけれど、ここ最近の他の長尺映画とは違う、授業中にクラスメイトが叱られているような雰囲気を上映時間ずっと味わう映画はそうないと思うので1日暇なときに気軽に見に行ってほしい。



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