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【感想97】レザボア・ドッグス

 部署異動でほぼほぼ新人の立場になったのもあるけれど、最近は月10ぐらいの残業ペースで仕事が出来てる。時間分支給される給与形態なのもあって月の収入はグンと減ったけれど、時間がある事に越したことはないなあ、と思い直し始めてる。積む一方だった本もちょくちょく読む時間が増えるといいな。

他人に勧めやすい ★★★★★
個人的に好きか  ★★★★☆

 正直序盤は寝不足+仕事終わりで体力切れ手前・とりあえず時間があるから見にいこうぐらいの気持ちでフワッとしながら見ていたのもあって序盤は3割ぐらい頭に入ってこない時間があったけれど、中盤からは物語にグッと引き込まれて疲れも忘れるぐらい熱中しながら食い入って見ていた。
会話の面白さや無駄のない要素、シーン毎の出来事のインパクトの緩急も(個人的には)気持ちいいぐらいハマるつけ方をしているのでエンターテイメントとしても十二分にいい映画だなあ、と負けを認めるしかなかった。(?)

 メインはある犯行後、警察に嗅ぎつけられたのは身内にスパイがいるからだ、と不信感を募らせた男たちの会話劇。何が起こったのかは絵では見せられず、何がどう起こったのかを会話の中から知り、だれが裏切っていたのか?本当に裏切り者がいたのか?を探っていく様子から少しずつ犯行の裏を含めた全貌が見えていくっていうギミック。

 特に見どころは種明かしになる犯行シーンの見せ方になると思う。
裏切り者の有無がハッキリわかったうえで、犯行時には実際にどういう風景だったのか?という部分でのカットが一番好きだなと言えるぐらいには良いところが多かった。
会話でしか掴んでいなかった情報が映像としてクリアな証拠を提示される、という面白さ以上に誰が何をしていたか?をありのまま見せていたり、どういう心境だったのか?も表情や仕草でストレートに出していたりと、答え合わせをするときの面白さが凝縮されているシーンだったと思う。


 文字通り無駄な会話一つとっても面白いうえにそれ自体がどういう意味を持っていたのかもいい使い方だし、デビュー作でここまで隙がない一本を撮れるタランティーノが恐ろしい。
新作が軽視されているような気もしてリバイバル上映が多いことには何とも言えないことが多いけれど、家でながら見をするだろう作品を映画館で腰を据えてスクリーンで見れるっていうのは機会に恵まれてるって受け取り方をした方が幸せかもしれない。

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