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【感想59】インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

アトラクションが思い入れあって好きなんだけれど、映画の方は見た事ないなと思って過去4作見てから行ってきた。

他人に勧めやすい ★★☆☆☆
個人的に好きか  ★★★☆☆

アクション映画としてめちゃくちゃ面白い。
けど『インディ・ジョーンズ』シリーズの最終作として見るとむず痒くなりながら150分過ごす羽目になった。


大戦中にナチスとのひと悶着があった際に発見したアンティキティラのダイヤルを巡ってナチ残党の科学者フォラーとの競争を描いている。
ただ今作は脳死で楽しいアクション映画というよりは、インディアナ・ジョーンズの清算というのが大きなテーマになっている。

5部作となったインディの中でも『クリスタル・スカルの王国』とこの『運命のダイヤル』、『最後の聖戦』までの3部作ではかなり毛色が違う。
80年代に公開された3部作だとインディは純粋な冒険野郎としての側面が大きいけれど、『クリスタル・スカルの王国』で家族が(突如)出来たというのが大きなターニングポイントになっている。
そのおかげで今作では妻になったマリオンや息子のヘンリーについて思い悩む描写が出てくる。
さらに1969年、アポロ計画の年が舞台というのもあって考古学より近未来科学へと注目が移っておりインディの授業はほとんど興味を持っていない学生が占めていて、過去4作とは全く異なる境遇に置かれている。

それらのことがあって、インディ自身も己の最期をどう飾るか、という着眼点が見えていたりと今までの活気溢れる姿が鳴りを潜め、相棒役となるへレアが代わりに今までのインディのような役回りも受け持つようになっている。
昨今の世代交代を示唆する長寿シリーズのようにヘレナが主役として世代交代するんじゃないかと勘繰りそうになるぐらい活躍するけれど、そんなことはなくインディアナ・ジョーンズに進むべき一歩を歩ませる重要な人物になっている。


そういうのもあって終始何とも言い難い、物寂しさを感じる見方をしてしまったのでどうしても好みとは離れてしまった。けれど過去4作に対する総決算という意味では十分じゃないかなとは思う。
ヘレナのバイクシーンであの音楽が流さなかったことも含めて、ハリソン・フォードに示せる敬意は示してるんだと思う。

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