「弁証法」
「がくちか(学生時代に頑張ったこと)」の参考文献として、海外シャンプーのCMをご紹介しました。
この「闇から光へ」は、ヘーゲルの「弁証法」と言います。
「弁証法」
弁証法とは、
正となる事象(テーゼ)に対して、反する事象(アンチテーゼ)を統合する(アウフヘーベン)ことで、新しい事象(ジンテーゼ)が生まれる
という、一連の流れのことを指します。
反する事象を「否定する」んじゃなくて、「統合する」のです。
例えば、今回のコマーシャルを例にとると、こんな感じです。
正:バレエが大好きで、蝶々のように綺麗に舞いたい
反:おばあちゃんに認めてもらえないなら、バレエを頑張る意味はない
合:わたし本来の輝きで、輝くことができる
「ライバルに服を破かれたことが「反」じゃないの?」
って思うかもしれませんが、実は、この物語のテーマは
「その人が持つ、本来の輝きを取り戻すこと(おばあちゃんからの脱却)」
です。
その人の「テーマ」を乗り越える
その証拠に、主人公は演技の前に、壊れていない筈の「赤い髪留め」まで外しています。
これって、主人公が小さい時からずっと昔から付けていた、衣装と同じくらい大切なものです。
「赤い衣装」や「赤い髪留め」のように、おばあちゃんから貰うものって、だいたい「赤い色」をしています。
動画では、「赤からの脱却」をテーマとして扱っています。
髪留めを外す瞬間に「アウフヘーベン」が起きていたのかもしれません。
「アウフヘーベン」のトリガーを引いてくれたのは、ライバルの衣装破り事件です。
そう考えると、主人公って、ライバルに感謝しているのかもしれません。
こうして、「わたし本来の輝き」を放つ女の子が、舞台の上で華麗な演技を披露するのです。
その「あなた本来の輝き」が、あなたの髪であり、その髪をケアしていたのは…
という、本当によくできたCMだと思います。
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