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「愛のコリーダ」を見て

文春オンラインで昭和の事件史の記事を読んでて、阿部定事件ってどんな事件?と興味が出て、大島渚監督の「愛のコリーダ」を鑑賞。主演の松田暎子がとても良くて見惚れました。
確かにコンプライアンス的には、いろいろありそうなので、今の時代ではなかなか作れないだろうな。でも性と暴力を抜きにしては、成り立たない。

阿部定の半生をググってみたら、けっして恵まれてなくて。そこで全肯定してくれる人に出会い、好きにしていい、殺してもいいって言ってくれた。実際に殺して、完結したときにきっと究極の愛に浸れたのではないか。逮捕されたときの新聞記事の写真でも多幸感に浸って笑顔の阿部定が写っている。
犯罪史を見たときに、犯罪そのものは肯定するものではないが、そこに至る境遇や時代背景で、ある種の犠牲者は存在する。その犠牲者が犯罪加害者となり、その浄化のために性や暴力が実行されることがあるなと思う。行くところまで行く、感じ。スコセッシの「タクシードライバー」も少し思い出した。

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