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小泉今日子について

 小泉今日子のことは、今までそんなに気にしてなかった。というか10代の時はそれなりに好きだったかな。『ザ・ベスト』というアルバムをカセットテープに入れて繰り返し聴いていた。「夜明けのMEW」とか「なんてったってアイドル」とか「魔女」が特に好きだった。
 先日、Apple Musicで懐かしさから小泉今日子の最新ライブアルバム『KKPP~TOUR 2022 Live at 中野サンプラザホール~』を聴いてみた。そして泣いてしまった。ノスタルジーでもあるし、でももっと新鮮な感動があった。特に「東の島にブタがいた Vol.3」で小泉今日子が”戦争なんかしたくない!”と歌うところでブワッと涙が溢れた。彼女が今の時代を生きて、表現者として歌っているのが嬉しかった。
 それから『KKPP』と『コイズミエキシビジョン』のブルーレイも購入した。Apple Musicで古いアルバムから聴いてみたりして、随分遅ればせなファンであるが、ここのところ毎日小泉今日子に浸っている。

 古いアルバムでは『Betty』は全曲筒美京平の作曲らしい。シングル曲はないけど、今でも古びないサウンドのような気がする。「ラブコールをアンコール」は目覚ましアラームに使っている。『Today's Girl』の「ヤマトナデシコ七変化」と「The Stardust Memory」はアレンジがちょっと違っていておもしろい。『Today's Girl』はアルバムを通して小泉今日子の若さが溢れていて、聴きながら青春を感じて胸がキュンとする。

 最後に「The Stardust Memory」について。この曲は詞、メロディー、アレンジが一体となって胸に迫ってくる。少女時代の終わりと大人の始まりのダイナミズムが間奏のギターソロに表されて、胸を掻き立てられながらも切なくなる曲である。木々の向こうに見える夜空のスターダストに、失恋で傷つきながらも成長しなければならない、少女(小泉今日子)のこの先を予感させるドラマが想起されて泣けるロックバラード調の名曲である。ジャケット写真も体を斜めにして、冬の日差しの中か、オレンジのコートに手を突っ込み笑顔でこちらをみている彼女が愛しくなる、いい写真だと思う。シングル盤を中古レコード店で見つけたら衝動買いすると思う。

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