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ざっくりとした「将棋25級の認定基準」(1) ~飛角鬼ごっこのルールとは~

(注:私の教室は2019年に閉鎖したので、教室の話は過去形です)

すでにざっくりする気配がないですね。(1)て。

書き始める前から(1)をつけました。絶対に長くなるから。

ざっくりとした「将棋26級の認定基準」で載せた昇級規定を再掲いたします。

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25級の認定基準は、「飛角鬼ごっこ」の昇級テストに合格すること、です。

(表の「レーティング50点」は便宜上、無視してください)

で、昇級テストを受けてもらってもいいかなと思う基準は目分量で、

「既に20級の実力がある子」に25級の昇級テストを受けてもらっていました。
具体的には、「10枚落ち100戦99勝レベル」ですね。

でしたね。なぜ「20級の実力があると見たら25級昇級テストなのか」は、20級の認定基準の話になれば書きます。ざっくり言うと大人の事情です。

さて今回は前説として、「飛角鬼ごっこ」って何やねん、というお話です。

初期配置はこちらです。

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飛角鬼ごっこの基本ルール

・下手は玉なしで飛角のみ。上手は玉のみ。
・下手が先手。
・上手は入玉したら勝ち。
・そのほかは平手と同じルール。

●基本ルール補足
・駒を取ったら使っていい。(平手と同じルールなので)
・下手が全ての駒を取られたら上手勝ち。(指す手がないので)
・「基本ルール」と書きましたが、「私の将棋教室での基本ルール」です。万国共通ではありません。

25級昇級テスト用ルール

・1局目は下手が先手。
・勝てたら2局目は上手が先手。
・それも勝てたら3局目は上手が先手で、上手のみ持ち駒に歩1枚を追加。(例外あり。「ルール補足」を参照。
・3連勝したら25級に昇級。

↓「上手のみ持ち駒に歩1枚を追加」の初期配置

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●昇級テスト用ルール補足
・対局態度も加味する。待った、よそ見、あいさつ、手離れの悪さなどは減点対象。
・あいさつ前の「やったー! 合格!」は一発レッドカード。2回あった。私の頭に血が上っちゃうので「ここまで頑張ったんだから」とかいう配慮が全部吹っ飛んじゃった。今思うと悪かった……とは、全然思っていません。
・特に1局目、2局目のチェスで言う「ステイルメイト」(上手に合法手がない状態)は、勝ちだが減点対象。(1手で詰んでいるときは詰ます)

※減点になった場合についてはあとで記載

↓ステイルメイトの例。上図から▲6二竜(下図)。上手玉の動く場所がない。

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・1手に30秒以上の長考を繰り返した場合も減点対象。(普段の練習から「鬼ごっこは1局3分以内」を目安に指導していたので)
・減点があった場合は、3局目の「持ち駒に歩1枚を追加」を減点の数に応じて、2~4枚程度に増やして対局を行う。それでも勝てたら合格。

●補足の補足
20級以上の子とテスト対局してみたところ、上手の持ち駒に歩が何枚あろうとも下手が勝ちました。
以前、奨励会の有段者に聞いたことがありますが、理論上は歩が何枚あっても下手必勝だそうです。

不合格のときは

25級テストに不合格のときは、26級でやり直しです。

といっても、もともと25級のテストが受かる実力の子であることが分かっていて受けてもらっていたので、いつまでも26級のままにしておくわけにはいきません。

そこで、「3回勝てたら」とか「次来たときのお行儀がよかったら」とか「1日で1回も反則しない日があれば」とか、その時点で次に昇級テストを受ける条件を約束するようにしていました。(約束し忘れることも結構あったんですが)

それでもやっぱり26級に「逆戻り」するのは、子供にとって結構こたえるみたいで、挫折してやめてしまう子もいました。

そこで、最後の3年ほどは「25.5級」にしました。

小さい子だと「.5」の概念がないので難しいんですが、なんとなく25級に近い気がしますよね。

実態は何も変わらないのですが、これで傷が浅くなったので不思議なものです。でもナイスアイデアでした。

以上のいろいろはパクっていただいて構いません。構いませんが、たまに私のことを思い出して、「すわという先生からこれを教えてもらったんだよ」と語っていただければうれしいです。名誉欲のかたまり笑

(2)では、勝ち負けのことは横に置いといて、飛角鬼ごっこで学習できることの考察を行います。

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