【ホラー短編】おもて、うら、よこ
ふわりと意識が浮上するように目が覚めた。さっきまでごちゃごちゃとした夢の中にいたせいか、頭はクリアだった。部屋が薄明るい。ちょうど目の前にあった目覚まし時計を確認すると、朝の6時半だった。大学で1限の授業がある日の起床時間は7時だ。もう少し寝れる。そう思い、わたしは寝返りをうった。―――なに、これは、なんだ……脚?
寝返りをうったその先に、女の脚が。脚があった。理解不能の物体が突如目の前に現れ、パニックになる。とっさに叫ぼうとしたのだが、声は全く出ない。それどころか指一本、