壊されていると同時に守られている踊り
ヒュレーの海で踊る
踏みつけにしていたのは邪鬼ではなかった
花が咲くたび背骨が痛む
ボキボキと音を立てあらぬ方向へ曲がる
手足は構わずリズムを刻む
ヒュレーは攪拌され
また花が咲く
悲鳴を上げようにも顔は
どこか遠くを見ている
右足が波にさらわれ 左手が水底に沈む
背骨はS字に曲がり 顔はなお遠くを見ている
それでも音楽は続く
踊りは決して終わっていない
「どれほどバラバラでぐちゃぐちゃで
取り返しがつかないように見えたとしても
踊りは今も守られている」
ヒュレーの全てが花となるまで
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