見出し画像

スイスラボがお金について考えていること

こんにちは。
Swiss Lab. Go for it ↗︎
スイスラボです!

スイスラボは、ヨーロッパでクリエイティブに、様々な分野で活動したいと思っている女性を応援する非営利団体のアソシエーション。
今まで、ヨーロッパに住む日本人女性を対象に、
「ハッピーカフェ」という
Zoom上のカフェに集って思いや悩みを話し合うイベントを
開催してきました。
先月(11月7日)開催したハッピーカフェのテーマはずばり

「好きなこと・得意なこと」
「それをどうやってお金にする?」

で、お金のこともちょっと視野に入れた内容でした。

今回は、スイスラボの活動動機を、お金や「経済的基盤」の観点から掘り下げてみたいと思います。

スイスラボのコンセプトとお金

「スイス発・ヨーロッパでクリエイティブに活動する女性が、
最初の一歩を踏み出すのを一緒に学びながらサポートしたい」
という思いで発足したスイスラボ。

そもそもなんで「女性が社会で活動する」のをサポートしたいのかといえば、
女性の経済的自立を応援したい
という思いがあるから!

やっぱり経済的自立には、
社会の中で価値が認められる活動をして、
ゆくゆくはそれによってお金が稼げるようになる
というビジョンがあることが大事。自分の経済基盤がゆくゆくは欲しいものです。

今すぐに!というのは無理でも、一歩一歩自分のペースで自分の経済基盤を作る準備をするのも、良いのではないでしょうか。特にヨーロッパ在住の日本人女性には、何らかの活動を始めるに当たって、想像もしていなかったようなさまざまなハードルが立ち現れます。スイスラボではそんな視点からも、共にハードルを乗り越えようと試行錯誤することによって、「女性の活動」を支援したいと思っています。

スイスラボがお金について考えるべきと思うこと

さて、「経済基盤」というと「自分で稼がなきゃ」が真っ先にアタマに浮かびますが、そしてそれが出来るに越したことはないのですが、でも、ちょっと待って!今すぐやった方が良い、大事なことがあります。

それは、家族のお金のことを把握すること。

ヨーロッパ在住女性のみなさん、パートナーと自分の合計資産の内訳、把握していますか?
たとえは悪いですが、パートナーにもしものことがあったとき、どんな保障があるか、知っていますか?障害者年金・遺族年金など、家族が受け取れるお金のこと、把握していますか?
将来大きな出費(家!子供の養育費とか)の計画、共有していますか?
老後の蓄えの計画、夫婦で共有していますか?

家族のお金のことを把握すること

スイスのお話になってしまいますが、スイス在住の日本人は、約1万人。そのうち6千5百人あまりが女性です(統計はコチラ)。Swissinfoが2019年に実施したサンプル調査(※)によると、スイスに長期移住する日本人女性のうち約7割が結婚を理由とする移住だそうです。
つまり、スイス在住の日本人の多くが、結婚によって夫(※※)の国に移住してきた女性たち。この状況は、近隣のヨーロッパ諸国でも似たようなものではないでしょうか?

こんなふうに、外国人である夫の国で暮らしていると、夫にお金関係を任せがちになってしまうもの。お金関係の法律は全部外国語で書かれています。日本語でもお役所の言葉って固くて難しいのに、それを外国語で、となると、ハードルはドーンと跳ね上がります。それに、現地で育つことによって身につく、お金に関する文化的な感覚が備わっていない・・・。など、不安に思うことがたくさんあります。
しかも、またまたスイスのお話で恐縮ですが、スイスではカントン(州)ごとに各種法律や税金の仕組みも違ってややこしい・・・。
なので「夫に何かあったとき」に、お金関係のことが分からなくなってしまう、というのはヨーロッパ在住女性の共通の悩みではないかと思うのです。

その一方、日本人として、お金のことを話すのをはばかりがち。スイス人も意外とけっこうはばかりがち。両方ともはばかりがちなので、お金のことが喉に刺さった骨のように「ずっとそこにあって気になるけど、なかなか解消しない問題」になっているご家庭もあるんじゃないでしょうか。

コロナ禍となって、「普段元気でも、いつ何があるか分からない」というリスクが身近になってしまいました。
海外にいると、もし家族に何かあっても、実家の家族にそうそう気軽に頼れるものではありません。特に子供が現地の学校に通っているご家庭では、すぐにサクッと帰国というわけにもいきません。

自分でなんとかできるだけの予備知識を準備しておく必要があります。

お金の将来計画

みなさん、どれくらいお金の将来計画を夫婦で話し合っていますか?

お金の将来計画というのは、例えば

  • 将来家を買う?うちは買うにしても、アパートにしとく?

  • 老人ホームってどれくらいかかるんだろう・・・?

  • 投資のこと

などの話題。
投資のことというと、なんだか固い話に聞こえますが、例えば「できることならサステイナビリティに力を入れる企業に投資したいよね」とかでも良いのです。もっと腹が割れるようになったら「預金と投資の比率、どうする?」とか「どこの銀行が手数料が手頃でいいかな?」という話に進んでみるとか。

うわぁ~、どうやって切り出そう・・・てなりますが、まずはそういう話を家族でできるようにしておくことが大事なことかもしれません。話し合った結果、それぞれ別々に投資戦略を実行するという結論に至るのもアリだと思いますが、まずは話し合って、現状を一緒に確認して、一緒に計画を考えることが大切だとスイスラボは思います。

年金のこと

お金の将来計画にもかかわる大事なこと、次は年金のこと!
またまたスイスのお話になってしまいますが、スイスの年金制度は基本的に三段階方式。

  1. AHV

  2. 企業年金

  3. 個人年金

の三種類があります。
非常にザックリ素人な説明をすると、一番目のAHVは国が運営する年金で、日本の国民年金に多分相当するもの。支給額が多くはありませんが、AHV 加入者全員に保障されています。実はコレを書いている筆者も詳しいことがよく分かっていないです・・・。二番目は、みなさんの雇用主と皆さん自身が半分ずつ払い込む年金。スイスの企業・団体の被雇用者のみに該当します。三番目は自分で年金用口座を銀行で開いて(Post finance で 3a と呼ばれているやつ)、自分のペースで積み立てる年金です。
この年金制度について、詳しくは後ほどご案内するセミナーで学べます!!

みなさん、ご自分の(特に一番目と二番目の)年金がそれぞれどれくらい積み上がっているか、把握していますか?ついでにご家族の分も把握していますか?

スイスは多言語国家なので、お金について調べるのも一苦労です。しかもカントンによって税制が違ったり、ややこしい。わからないからといって黙ってしまうのではなく、グイグイ聞いていけるガッツが欲しい・・・!
こういう問題を家族と一緒に話し合いながら考えていけるようにしたいものです。

将来のこと

老後をどこで過ごして年金を受け取りたいか、というイメージも夫婦で折に触れてすり合わせておくのが良いでしょう。

スイスに住むなら、スイスの物価レベルに見合う年金が受け取れるよう、仕事のことも考えなくてはいけません。いわゆる老人ホームに入居するならどれくらい用意しておかないといけないのかなど、先ほどお話したお金の将来計画にも関わってきますよね。

もしスイスよりも物価の安いところに住んで年金を受けとるなら、もうちょっとリラックスできるかもしれないけど。やっぱり住み慣れた土地で老後を過ごしたい!と思うのか、それよりも経済的にリラックスしたい、と思うのか、そういう価値観も要確認です。

初めの一歩:お金について考えるセミナーを開催します!

このように、家族でお金や、大きなお金が動く将来計画について話し合うのは大事なこと、と提案してきました。
とはいえ現実的に、スイスの年金制度やお金周りのことを把握して理解するのは難しいもの。例えば、年金がどれくらい積み上がっているのか確認したいとして、そもそもドコに、ダレに聞いたらいいの?っていう状況の人も多いかと思います。かく言う私たちもそんな調子で、ヤバい・・・となっております。分からないことをグイグイ聞いていけるガッツを付けるためにも、どこかで基礎知識を仕入れておきたいもの。

そこでスイスラボでは、スイス在住の日本人がお金について考える最初のステップとして、スイスの社会保健制度・年金制度の「基本のキ」を体系的に学ぶセミナーを企画中です!
チューリッヒで会計士をされている先生をお招きして、

3 月 6 日(日) 午前 10 時より
「スイスの社会保険制度・年金制度」

についてお話ししていただきます。
スイスの税制はたしかにカントン(州)ごとに異なるのですが、社会保険制度と年金制度は全国共通です。
年金の積立額とか、遺族年金や障害者年金などについて、どこのダレに問い合わせたら良いのかも、学べますヨ!

スイス在住のみなさま、是非ご参加ください。

お申し込み方法など詳細は、スイスラボの各種 SNSアカウントにて追ってお知らせいたしますので、しばしお待ちくださいませ。

スイスラボ一同

※ 記事自体は、海外在住の日本人の老後の不安についてなのですが、チラッと該当の統計データが披露されてます。
※※ 2021年12月現在、スイス連邦では同性婚が法制化されていません(が、国民投票で合法化が可決されたので、来年7月に関連法が成立する予定です)。ですので、ここからの表記は「夫」としましたが、スイスにはパートナーシップ制度がありますので、基本的に「パートナー」と読み替えても差し支えない内容になってい(ると思い)ます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?