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言語学者だからって外国語が得意なわけじゃない。

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Thun 湖と牛が大好きな、スイスラボ所属の言語学者による、言語学小咄。 日々の雑感を、言語学に(むりやり)絡めながら綴る予定です。
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2022年3月の記事一覧

Evidentiality について思うこと

みなさん、こんにちは。 Yamayoyamです。 世の中はこのところ、一難去らないうちにまた一難がやってきてしまった様相を呈していますね。みなさんも色々と思うところがあることと思います。が、この言語学マガジンではどんな時も、言語についてのよしなしごとを綴っていこうと決心いたしました。今回もいつも通り、言葉のあれこれについての記事です。 ストックホルム大学で博士論文を書いていたとき、シチリア出身の友人と知り合いました。実家(義実家だったかも)にオリーブ畑とぶどう畑があって、

「第二次子音推移を探せ」ごっこ

Yamayoyam はアメリカ、スウェーデン、スイスと三つのゲルマン語圏に居住歴があります。というわけで、三つのゲルマン語の音対応を体感できる瞬間が折に触れてあります。歴史言語学徒垂涎の瞬間です! 前回のブログ記事(↓)で取り上げたゲルマン語の「第二次子音推移」は、そんな音対応を確認するのにうってつけな音韻変化です。 もちろん言語学の教科書で第二次子音推移のことは読んだし、例もいくつか目を通したものの、やっぱり日々の生活で目にすると格段に楽しいものですよね。 電車やトラ