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言語学者だからって外国語が得意なわけじゃない。

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Thun 湖と牛が大好きな、スイスラボ所属の言語学者による、言語学小咄。 日々の雑感を、言語学に(むりやり)絡めながら綴る予定です。
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2021年12月の記事一覧

Gratis と grattis の咄

みなさん、こんにちは。 Yamayoyamです。 クリスマスがあっけなく過ぎてしまって、もうすぐお正月です。時間が経つのが年々早くなってる気がして、今後が不安でしかたないです。 以前の記事で、ドイツ語とスウェーデン語には、綴りが同じで発音も似ているのに意味が違う言葉があってややこしい、という小咄をしました。Gift やsaft が槍玉に上がってましたね。今回の小咄では gratis と grattis の咄をしようと思います。 スイスの住宅街を歩いているとよく見かける光景

リトアニア語の Kalėdos「クリスマス」について調べたら、世知辛い妄想が暴走したよ (´・ω・`)

もう~い~くつ寝ると~クリスマス~🎵 みなさんこんにちは。 スイスラボのYamayoyamです。 クリスマスが近づいて参りました。皆さん、着々と準備進んでいますか~? 季節柄、今回はリトアニア語のクリスマス「kalėdos」について考えたいと思います。 実は今まで kalėdos「クリスマス」について、あまり調べたことがありませんでした。良い機会が巡ってきたと思い、今回調べてみました。 まずは、文法事項から。リトアニア語 kalėdos「クリスマス」は、実は複数形。

ストックホルムの思い出話の続き~ Ideophone のこと

こんにちは。 Yamayoyamです。 小咄を披露するブログのはずなんですが、ここのところ思い出話が続いております。今回もちょっと思い出話&たまに思うこと、です。 思えば2012年にスウェーデンに渡ってから10年近く、主に英語を話す日常を送っています。 スウェーデンに渡ったのに、スウェーデン語じゃなくて「英語」とは、どういうことか?と思うでしょう。ええ、私もそう思いますし、スウェーデンでお世話になった方達もそう思っていることでしょう。 ストックホルム大学のバルト語学科

スウェーデンにて、「Saft」を普通のジュースの事だと思って、少し辛いめに遭った話

みなさんこんにちは。 Yamayoyamです。 今回はスウェーデンの思い出話をしようと思います。 2012年の8月に一念発起してスウェーデンに渡り、ストックホルム大学バルト語学科で博士課程を始めました。 学校ではみなさんあたたかく迎えてくれたし、諸々準備万端にしてくれていたのであまり困ったことはありませんでした。今でも感謝。学校で困ったことと言えば、病的な方向音痴なので、広い学校の中で迷子になりがちで恥ずかしかったこと、くらいです。 すごく困ったのは移民局と税務局で