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没後100年 富岡鉄斎(2回目)

京都国立近代美術館で開催されている「没後100年 富岡鉄斎」に再度行ってきました。初回は下記の記事に書きましたが、今回の展示は4期に分かれていて展示替えがあり、見たいと思っていた作品が後半の展示だったこともあり2度目の訪問となりました。

京都国立近代美術館では、作品解説をCatalog Pocketというアプリで無料で見られるようになっていて、解説は文字でも見られますし、読み上げ機能を使うこともできるようになっています。展覧会に行かなくても勿論読めますので、予習として使うこともできて便利です。今回の展覧会は会場内での撮影が禁止なので、こちらのアプリから図版をお借りして記事を書いていきます。

三神山図(1882)

「三神山図」は4期のみの展示でした。中国の東方の海にある蓬莱、方丈、瀟州という3つの島に不老長寿の神仙が住んでいるという伝説があるそうです。文人画らしいテーマの作品でした。

売茶翁図(1924)

売茶翁は江戸時代中期の京都で人々に煎茶を供した禅僧です。鉄斎はこの人を敬愛していたようで、煎茶道具の展示もたくさんありました。この作品は大正13年の売茶翁供養茶会で飾られたそうです。

妙義山図・瀞八丁図 右隻妙義山図(1906)

見たいと思っていた作品のひとつです。日本三奇勝に数えられる妙義山(群馬県)の不思議な風景です。右隻の瀞八丁図も素晴らしいですが、こちらの面白い石門も良いです。鉄斎は妙義山にも瀞八丁にも実際に赴き、瀞八丁の方は複数回訪れていたようです。

富士遠望図・寒霞渓図 右隻富士遠望図(1905)

伊豆の日金山からの眺望を描いた富士遠望図です。十国と五島を展望できることから十国峠と呼ばれる山頂からの眺めだそうです。
鉄斎は富士山についてはかなり関心が高かったようで、実際に登ってもいますし、池大雅、高芙蓉、韓大年が連れだって富士に登ったエピソードが大好きで今回見た「三老登嶽図」にも仲良く歩く3人を描いています。

三津浜漁市図(1875)

鉄斎の奥様である春子さんの故郷が伊予で、このあたりを何度か旅行したそうで、伊予へ行く際の玄関口の一つであった三津浜の旅館を定宿にしていたようです。そんな時に見た朝市の賑わいを描いたのがこの作品で、今回はこの作品が一番印象に残りました。人々の様子がとても細かく描き込まれていて、きっと鉄斎は朝市が楽しかったんだろうなと感じたのです。

美術館4階からの眺め

鉄斎を一通り見たあとはコレクション展を見ました。こちらも、前回と少し入れ替えがあったようです。

山元春挙 夏の海邊之圖

これはどういうシチュエーションなんですかね…。

須田国太郎 野菜

西宮市大谷記念美術館で須田国太郎展を見て以来、かなり気になっています(そして割といろいろな美術館にあるという)。

4月から今日にかけて、かなり富岡鉄斎を一生懸命見てきましたが一応これで一段落です。

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