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イタリアボローニャ国際絵本原画展

西宮市大谷記念美術館で毎年開催している「イタリアボローニャ国際絵本原画展」へ行ってきました。

美術館の看板

イタリア北部の都市ボローニャで開催されている世界で唯一の子どもの本専門の国際見本市では絵本原画のコンクールが行われており、そのコンクールで入選した作品を紹介する「ボローニャ国際絵本原画展(ボローニャ展)」が、1978年から毎年西宮市大谷記念美術館で開催されています。
毎年恒例の人気の展覧会で、今日は平日にもかかわらず多くのお客さんたちが楽しそうに絵本の原画を鑑賞していました。

会場入り口案内にて

今年から会場内の作品を写真撮影できるようになりました(フラッシュ禁止)。ただし、作品との記念撮影や自撮りはできません。

トン・インダ(中国)
「マティスの旅」

マティスが楽しそうに旅をしています。最後にピカソも出てきます。最後の展示室に絵本を読めるコーナーがあり、こちらの絵本も置いてあって眺めることができました。この方の絵柄は好きかな。

オクサーナ・ドマーシィチ(ウクライナ)
「わたしは」

昨今の世界情勢を反映して、戦争をテーマにした作品がいくつか見られました。こちらはウクライナの作家によるもので、胸が痛む内容でした。イランの作家の「小麦畑にうつる影」も戦争反対の意志が強く見える作品でした。世界中の子供たちが、大人の事情でこうした危険に巻き込まれることに対して憤りを感じます。

アンドレア・マーンケ(チリ)
「失われた想い出」

こちらは地震でしょうか。困難な状況にある子供たちが描かれている作品は多かったです。

パク・ミラン(韓国)
「みんな音楽」

こちらの「みんな音楽」は私のお気に入りです(絵ハガキを買いました)。音が可視化されているような、最後の2枚は賑やかな音楽が聴こえてくるようでした。

西岡秀樹(日本)
「おとどけもの」

こちらも私のお気に入りです。細かく描き込まれた線画で、陰影がはっきりと出ていて何となく寂しい感じのある絵だと思いました。

小野寺美帆(日本)
絵ハガキより

小野寺美帆さんの作品もとても良かったのですが、うまく撮影ができていなくて気に入って購入したポストカードの絵を代わりに載せておきます。この方の絵柄はとても好きです。

1階の特設ショップのあるコーナーの近くに、「西宮ぎゃらりーさんぽ」を紹介するコーナーがあり、ボローニャ展をはじめとする市内のあちこちのギャラリーで行われている展覧会やイベントの紹介と、スタンプラリーの企画が行われているようです。

今回のボローニャ展での入選作家の個展の紹介もされています。私が気に入った小野寺美帆さん、西岡秀樹さんの個展も9月から10月にかけて市内のギャラリーで行われるようなので見に行ってみようかなと思います。また、西宮阪急のえほん売場でも「むらかみひとみ絵本原画・版画展」があるようです。どれもスタンプラリーの対象で、スタンプを7個集めるとイタリア製のノートか、みやたんのボールペンがいただけるとのことです。

また、久しぶりに大谷記念美術館のサイトを見に行って知ったのですが、寄付を募っているようです。美術館が厳しい状況にあることは知っていて、出来る限り応援しようと思って殆どの展覧会に足を運んできました。見事な庭園を持つ美術館で、万が一にも失くしたくない大事な美術館だと思っています。つい最近、首都圏の企業の持つ美術館の話題を聞いたばかりでもあり、いまの我が国の文化・芸術をめぐる厳しい状況を思うと寂しい気持ちになります。


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