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空海 KŪKAI-密教のルーツとマンダラ世界
奈良国立博物館で生誕1250年記念特別展「空海 KŪKAI-密教のルーツとマンダラ世界」を見ました。
空海は日本史の教科書にも出てきて、その名前を知らない人の方が少ないのではないかと思いますが、その有名な空海が具体的に何をしたのか、どういう人生を送ったのか、空海が唐から持ち帰ってきた密教とはどういうものなのか、説明できる人はそれほど多くはないでしょう。今回の空海展では、空海の人生を辿りながら彼が日本の仏教に及ぼした影響や功績、密教とはどういうものか、それはどこから始まってどのように広がっていったのか、そして密教の教えを示す曼荼羅とは何か、など詳細な解説とともに展示によって理解できる内容になっていました。
仏教関係の展示といえば奈良博、と私は思っていますし、フライヤーを見た時から「これはすごいものが見られそうだ」と楽しみにしていました。
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最初の展示室に入り、最初に目に入ってきたのは広い展示室の空間を最大限に生かした立体曼荼羅の再現でした。京都の安祥寺 国宝「五智如来坐像」の五体の如来を金剛界曼荼羅で示される通りに並べて、立体曼荼羅を体感できるような展示がされているのです。展覧会での仏像の展示は、通常は横に並べて展示することが多いですが、展示室の空間を贅沢に使った迫力ある展示に圧倒され、また荘厳な曼荼羅世界の中に入れたような感覚になりました。曼荼羅についての解説も非常に分かりやすかったです。
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公式ページによると国宝約28件、重要文化財約59件(展示替えあり)だそうで、修理後一般初公開の「高尾曼荼羅」や、空海が書いた国宝「聾瞽指帰」、唐から持ち帰ってきた史料の数々がこれでもかと並びます。
上の図は空海が遣唐使船に乗り荒れ狂う海を渡っているところですが(弘法大師行状は後期展示で、今日見たのは「高野大師行状図画」でした。でも船の絵は見ましたよ)、「え、こんな船で?」(←実際にはもっと大きかったのかもしれませんが、どうなのでしょうか)と心配になったりもしました。
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写真が不鮮明で申し訳ないですが、空海が唐から持ち帰ったと伝わる、いわゆる「持ち歩きのできる仏さま」で、とてもコンパクトなのに細かい細工が素晴らしいのです。
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上の写真は、今回の展覧会で唯一撮影のできた展示物です。日本で見る文殊菩薩とはずいぶん違うなあと思いました。
快慶作の金剛峯寺の孔雀明王坐像も見ましたし、とても満足度の高い中味の濃い展示でした。展示替えがあるので、後期展も見に行くかもしれません。
空海や密教に関する文化財が、こんなに大量に勢ぞろいする機会はそんなに無いと思いますし、奈良博がかなり力を入れていると事前の宣伝からも伝わりましたので混雑を覚悟して訪れたのですが、長蛇の列で入館を待っている光景もなく(到着後すぐに入れました…)、もっと多くの方に見ていただきたいと心から思います。
これから行かれる方へは、単眼鏡を持っていかれることをおすすめします。高尾曼荼羅は大きくて、ぱっと見は「真っ黒い大きな布」で何が描かれているか見えにくく、単眼鏡で見ると金泥で描かれた繊細な描線を見ることができます。私自身の視力が良くないということもありますが、肉眼で全てを見るのは難しいかなと思いました。
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空海展を2時間半ほどかけて堪能した後は地下回廊のカフェで休憩をして、仏像館も見ました。上は横浜市の太寧寺に伝来したものだそうです。動きがあって面白いですよね。
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