[Joy]_on progress4

紅梅を描いている今だが、普段よりだいぶ大きなカンバスなので、時間がかかっている。

制作途中をアップするのもどうだか、なので、今日はお話だけ。


今進行中のシリーズは、絵日記式に日常の小さな出来事、見たものを描いている。

花や鳥、空などの日常を描いているので、花鳥風月な気分。

春になって、さまざまな草木が花をつけるので、忙しい気持ちになる。

田舎なので、散歩に出れば、自然のものが描ききれないほど、些細なドラマを繰り広げているのに遭遇する。

それらを、拙いながらも油彩スケッチ。


レコードジャケットサイズのキャンバスを基本に、油彩で描いているが「掛け軸」が念頭にある。

掛け軸といっても、いろんな絵柄があるみたいだが、存在意義としては、床の間にあって、季節(や主人の気分)を演出する小道具ということになるかと思う。

定番の絵柄や書というのもあるが、基本的には、誰もが一度は見たことがあるような出来事、風景_つまり、「満開の梅にウグイスが止まっている」というような。

いま、”誰もが一度は見たことがあるような”と書いたが、本当は多くの人がそれを”絵や写真で見たことがある”のが実際のところだと思う。自分だって、実は一度もウグイスが梅の木に止まってさえずるのを見たことはない。

しかし、その「満開の梅にウグイスが止まっている」風景は、春の季節、日本中のいたるところで起こっているはずの”日常の出来事”だ。

そして、その風景と実際に邂逅したならば、それはやっぱり絵にしたくなるような”貴重な出来事”ということになる。

埋没した日常を発見し、”日常の出来事”が”貴重な出来事”になる。

何か暮らしに役に立つわけではないが、日常で出くわした貴重な出来事が、気持ちを豊かにする。

梅の蜜に誘われるのは、ウグイスだけではない。他のたくさんの種類の小鳥の他、ハチや羽虫など。しかしその中でやっぱり、ウグイスが蜜をいただいた後にでも美しい声でさえずれば、やっぱりそれは他の生き物とは替えがたい。

そういう感動を知っている人にとっては、掛け軸にかかる画のなかの出来事も、豊かな想像を誘うのでは。

そういう絵であることをベースに、シリーズを少しずつでも進化させていきたい。

(ただ今描いている絵にウグイスはいないが。)


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