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魅力的にして恐ろしげな数値化

「生きづらい社会」というが、その原因は考え方にもよっていろいろあると思うが、自分がいまよく思い至るのは、「多様性のなさ」。

「いいね」は、人を数に置き換える仕組みで、人気を数にすることで価値を数値化できるようになった。数値化できると価値観を共有しやすくなるので、社会的、経済的な価値が付けやすくなる。

それで、ユーチューバーなどの投稿に報酬が生まれるというわけだ。

数値化によって、まるで価値の決定と運営を「効率化」しているみたいに思える。

そのこと自体はおもしろいし、夢もある。


しかし、この「効率化」される時に、振り落とされるのが「多様性」だ。
個人の十人十色な部分を削り落とすから、数字に置き換えられるのであるので。

「多様性」とは、十人十色な人のあり方が存在する状態のことだと思うので、「多様性のある社会」ということになると、暮らし、信条、人種、性別などの違いで格差が生じることのない社会ということになる。

そこでしかし、「生きづらい」ということは、裏を返せば「多様性がない」社会だということになると思うのだ。

実際、周りやニュースを見ても、息苦しいな、と感じる原因は、この「多様性のない」状態にあること。

差別やケンカが増えるのも、互いを許す余裕がないのも、経済的に困窮する層が現れるのも、まったく自由に多様に物事を選択できないからではないだろうか。


というわけで、価値が数値化されるのは、一方で魅力的ではなるけれど、別の一方では、生きにくさを演出してしまう恐ろしげなのだ。



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