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[Shooting Contrails]
窓から外を見ると、久しぶりに浮雲が流れている。
空を見たくなって外に出てみると、浮雲のまだ到達していない南の空に、
飛行機雲がぐんぐん伸びてくるのが桜並木越しに見える。
これは絶景チャンス、ダッシュで堤防の遊歩道まで出る。
勢いよく伸びる活きのいい飛行機雲の写真を撮って満足して踵を返すと、
視界の端に、飛行機雲が反対側の山の向こうに飛んでいくのが見えた。
北東の方角から南西の方角へ、あっという間に上空を通り過ぎていったのか。
旅客機ではないかもしれない。
高度も違うのかもしれない。
その飛行機雲は、天球をなぞるように自分の上空を通り過ぎていった。
その軌跡を山の彼方から此方へぐるっと見渡すと、
自分も上空にあがるようで、視野がスケールアップして高揚する。
しかし、すぐに親戚宅へFと外出の時間、車で発った。
すると、先ほどの飛行機の軌道に沿うように、別の飛行機雲が走ってくる。
しかも、続々と。
考えてみると、はじめの飛行機雲を見たときも、拡散して薄くなった別の飛行機雲があった。
いったい何機の飛行機が同じ方角に向かっているんだろうか。
次々に空を横断する飛行機雲が、流星群かなにかのように思えてくる。
昼間の流星群だ。
戦闘機の類だろうか。
いく筋もやってくる飛行機雲が快晴の空に映え、Fとともに気分は上がり続けるが、不安に思う時勢でもある2022年。
北朝鮮からは前日、飛翔体が発射された。
ロシアのウクライナ侵攻は二ヶ月を過ぎている。
日本の田舎の山あいから、空を見ても、世界と通じていない空はない。
五月になって、新緑の山がきれいに映えている。
山を描くには良い季節。
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[Shooting Contrails_飛行機雲流星群]
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