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ニューノーマルなマルクス?

ビジネス戦略、公機関的な「ニューノーマル」への対応は実務的な部分というか、社会の運営実行にとって最重要事項だが、その根底を支えるのは、理念、思想、哲学などの思考であるはずだと思う。

そっちの分野はどうなっているのか。


去年の9月に発刊された『人新世の「資本論」』は、類型本としては異例の売れ行きだそうで、多くの人が興味を示した本のようだ。


”マルクス主義”を再解釈した当書は、気候変動の不可避性の視点から、資本主義の不可能性と次代における社会主義的な思考変容を訴えている。

前世紀の社会主義の崩壊と資本主義の勝利から、解釈不能に陥っていたマルクス主義を、近年注目されているマルクスの秘蔵ノートから”真のマルクスの主張”を掘り出し援用して「コモン」という”自治的社会”を模索している。

”自治的社会”は、自分の感覚的には、東日本大震災時に、多くの人が思い至った考えに思えていて、実際、各地のアーティストや活動家が、震災後の各地で実践してきたことと似ている。

資本主義の資本は、誰かから、どこかから持ち込まない限りは生まれないものなのだという、まるで原罪みたいな負い目をこの社会に住む当事者としても感じる。

自由に生きてきたこれまでの社会のやり方では、難しいなと思える人が、この本を手にしたと思うし、そうした人が多かったからの異例のベストセラーなんだと思う。

これも一つの「ニューノーマル」のヒントになるのかもしれない。



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