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窓の向こう側で踊る(東京国立近代美術館『窓展』)

昔から窓が好きです。
アーチ型の窓、ステンドグラス、ショーウインドウ、窓の格子、装飾された窓枠、窓際に置かれる一輪挿し…
よくノートの隅に落書きしたり、写真を撮ったりしていました。

ただただ見た目が好き、ということもありますが、「世界を隔てるが、(曇りガラスでなければ)向こう側を見ることもできる」「(開けられる窓なら)向こう側とつながることもできる」という物語性も窓が好きな理由の一つです。

ということで、会期終了間際の窓展に滑り込んできました。
色んなジャンルの作品があったので、普段触れる機会の少ないタイプの作品について以下覚え書き。

・『ガラスの下の絵画』ベルトラン・ラヴィエ
鏡の表面に太い筆で透明のメディウムを塗ったような作品です。
正面から見た時は「筆の跡があるなぁ」としか思いませんでした。
しかし、ちょっと斜めから眺めてみると、正面にいる鑑賞者が鏡に映り込んでいるのに気づきました。
筆の跡があるおかげで、まるで動く絵画のようでした。
初めて抽象画の見方がちょっとわかったかも?と感じる作品でした。

・『キタイスカヤ街のとあるレストランの窓』林田嶺一 
窓の形をした立体作品が4点展示されていました。
第二次上海事変をテーマとしていて、レストランの窓の向こうにロシア兵が描かれています。
レストランの窓によって世界が隔てられているところがとても印象的でした。

・『第3章――西京入国管理局』西京人(小沢剛、陳劭雄、ギムホンソック)
架空の西京国に入国する、というインスタレーションです。
入国管理局を模したゲートを通る際、笑うか歌うか踊るかを求められます。
その3択だとまぁ踊りますよね。係員さんが優しく接してくださって助けられました。
ゲートを通った後で見ることのできる映像作品でも、登場人物が踊っていて親近感がわきました。

・『タンゴ』ズビグニエフ・リプチンスキ
これすごく面白かったです!
1つの窓と3つのドアがある部屋が舞台で、人々がその部屋を出入りする映像作品です。
窓から投げ込まれたボールを取りに来た少年をスタートとして、最大で36人の老若男女が登場します。
アルゴリズム体操のような感じで、ある人が持ってきて置いた小道具を別の人が持ち去ったり、同じ場所に色んな人が腰掛けたり。
合成ではなくて、俳優が計算されたタイミングで動く様子を別々に撮影してフィルムを切り貼りして作ったそうです。

鑑賞者が壁を取り払った窓を通して中の様子を見ているのだ、という主旨と思われますが、少しずつ登場人物が増えていき、目で追いきれなくなったと思ったらあっという間に人が去っていく様子が本当に踊っているようで、癖になる面白さでした。


こうやって振り返ってみると、確かに窓が中心ではありましたが、最終的には踊りが印象に残った展覧会でした。
(マティスや横溝静の作品もすごく良かったです!!)

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次回イベント:2020/2/29-3/1装苑presentsアクセサリー蚤の市
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Creema
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