流れ星と七夕の約束
七夕の夜、赤羽橋駅を後にしたウサギとカメは、夜空に浮かぶ東京タワーを目指して静かに歩き出した。青く、そして赤く輝くタワーの光が、まるで道しるべのように、夜空をそっと照らしていた。
メインデッキに辿り着いた二人は、イルミネーションの光に包まれた。青い光がフロア全体に広がり、その瞬間、眩い流れ星が優雅に舞い降りてきた。
窓の向こうには、まるで魔法の国のような煌めく夜景が広がっていた。
流れ星はいつの間にか、夏の夜を彩る花火に姿を変えていた。眩い光の輪が次々と夜空に打ち上がり、その光は夜景と優しく溶け合いながら、静かに広がっていった。
二人は東京タワーの外階段を降り、増上寺へと向かった。そこでは、和紙で作られたキャンドルが天の川のように静かに流れていた。
「今夜は織姫と彦星が会えたわね」とウサギはそっと囁いて、隣のカメを見つめた。彼は静かにうなずき、その穏やかな表情がウサギの心をそっと温めた。
「七夕の夜が過ぎても、明日になればまた、図書館で会えるよね?」ウサギはカメをじっと見つめた。彼の瞳に優しい光が宿るのを感じた瞬間、ウサギは安心したようにそっと目を閉じた。
遠くの空から優しく見守る東京タワーが、二人の約束を静かに見守っていた。その光は、まるで流れ星のように、二人の心にそっと降り注ぎ、永遠の絆を優しく包み込んでいた。
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