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キヅキ 落成式


キヅキ 落成式

山梨県韮崎市にかねてより建設を進めてまいりましたキヅキ園舎が、この度無事完成し4月1日より開園いたしました。
そして、5月15日には、落成式が執り行われました。

キヅキ園舎

五感を使い心地よく暮らすことのできる豊かな環境を目指したキヅキ新園舎の落成に至りましたこと、そして、こうした環境のもと仲間と遊びながら、自然の面白さや不思議さに出会う日々や穏やかな暮らしが紡がれていることは、ひとえに皆様方の深いご支援とご協力の賜物と厚くお礼申し上げます。

お力添え頂いた方々、想いを繋いでくださった方々と共に、実際にキヅキで過ごす子どもたちの表情、園舎や子どもたちの作り出す空間を感じながら行われた落成式となりました。

理事長挨拶

皆様、本日は落成式にご参加いただきまして誠にありがとうございます。ここにお集まりいただいた皆様は、日頃、社会福祉法人ゆうゆうの保育活動に関し、ご理解とご支援をいただいており、皆様のおかげでキヅキがここまでくることができました。本日はこの落成式のあとは産業と福祉の締結式という形で旭陽電気株式会社さまに移動し、皆様にも締結式に参加していただきたいと思っています。
私は保育者になり心に残っていることはたくさんありますが、保育者になったからこそ気づいたことは、児童文学で“わらしべ長者”という物語についてです。子どものころ両親から色々な文学や絵本の読み聞かせを受けていたが、保育者になってからこの物語が大きな思いをこめていることに気づかされました。“わらしべ長者”は仏様のおつげにより一番最初に旅に出たときに得たものを大切にするようにというところから物語がスタートします。一番最初に手に入れた大事なものが子どもたちによって、ご両親や地域の人たちに愛されたという部分のことと解釈しています。一番大事な物を心に秘めて、出会うすべての人に愛情をもって、困っていることに対してひとつひとつ想像力を働かせていく。例えばアブで子どもが泣き止むことに気づき、それをあげるとミカンがもらえて、ミカンを喉が渇いている人に渡したら馬がもらえて、最後は馬の代わりに家をいただくという物語。相手が困っていることに気づいて自分ができることを精一杯していくということが、最終的には長く家を守っていき、次に伝えるところにつながっていく物語で、相手が思っていることや感情に気づいたことが、子どもたちの成長発達の中で大事なのかなと思います。
子どものころに何度も聞いた印象と保育者になって聞いた印象ではかなり違い、自分の成長、読むタイミングによって解釈が変わってくることが文学のすばらしさと思っています。こういったことを是非ここに来る子どもたちだけではなく、ここをきっかけに地域の中に愛される子どもたちが育っていくことを願って今日のご挨拶とさせていただきます。
最後にはなりますが、キヅキの園舎の事業を進めるにあたって、最初、手帳に3つやりたいと決めたことを書いています。

一点目は
”五感で暮らす子どもたちの保育環境で今私たちにできることをすべてやる”
今できることなので、これから私たちができることはまだできていないかもしれないが、それは皆様も含めて私たちと思っていますので、仲間や教育者を集めればもっとできることがあると思っています。ここでやりきらないと、次の実践、次の環境にできないので、ここでやりきりたいなと思いひとつあげました。

二点目は
”保育者たちが保育という仕事に誇りをもてる環境を目に見える形で作る”
保育者は子どもたちのことだけを考えて働いているのではないかと思うくらい誇りをもって暮らしています。保育者たちがどんな環境で子どもたちと過ごしたいか考えてこの環境をここまで作ることができました。

三点目は
”過疎化が進む地域で、質の高い教育環境をつくって、そこで保育実践で町を豊かにする”
これはやはり私たち法人だけではなく、ここにいる皆様とともに、この町を豊かにする仕組みを一緒に考えていきたいと思っています。
皆様と本日こうやってお会いできて、お祝いをして、これから始めていく1つのなにか節目になると思います。最後に、皆様のおかげで、このキヅキがこのようにできたこと感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

感謝状贈呈

落成式では、このキヅキが開園するにあたり、立ち上げに携わるすべての人の思いを繋いだ建設工事にご尽力いただきました齋藤建設株式会社 代表取締役 齋藤 啓文 様、そこで暮らす人々、これからの社会への思いや願いを共に持ち続け、何度も話し合いを重ねながら向き合い続けてくださった設計士の株式会社 S PLUS ONE 建築設計事務所 代表取締役 坂野 由美子 様、その土地に馴染み、風景と繋がり、キヅキで過ごす子どもたちだけでなく、働く職員もリラックスして過ごすことのできる空間を作る庭師の株式会社空庭 代表取締役 彌永 秀一 様、ゆうゆうの想いや理念に共感していただき、キヅキという名、ロゴの作成にご尽力いただいた株式会社 トンボロデザイン 代表取締役 若岡 伸也 様に感謝状をお渡しいたしました。

感謝状を贈呈するにあたり、4名の方々に大変貴重なお言葉をいただきました。

キヅキで過ごす子どもたちと働く職員の指スタンプを押した感謝状

齋藤建設株式会社 代表取締役 齋藤 啓文 様

図面をいただいた時から矢巻理事長をはじめゆうゆうの方々、設計士の坂野さんの思いがこもった建物だと思いました。今日落成式を迎え、子どもたちが暮らしている姿を見て本当に携わることができて良かったと感じています。建物というのは中々直接的にそこに生活している方の環境をすぐには感じないかもしれないけど、生活する子どもや働く方に必ず何かしら影響を与えるものです。このようなすばらしい環境、そこで暮らしている人がうらやましいなと思える環境を作ることができて本当に誇りをもっております。作って終わりではないですが、何かお手伝いすることがあればまたお声掛けいただければと思います。この度はキヅキの落成式を迎えられましたこと本当におめでとうございます。


株式会社 S PLUS ONE 建築設計事務所 代表取締役 坂野 由美子 様

子どもたちが元気に過ごす中で、すばらしい機会を設けていただきまして誠にありがとうございます。私どもは「暮らしが風土になる」というデザイン理念として設計士をしておりまして、このキヅキも韮崎の景勝地”七里岩”をイメージしてデザインさせていただきました。大人も子どももこの施設に訪れるすべての方々の五感に訴えるような空間作りを真剣にデザインしながら完成まで頑張ってきました。職人の高齢化や職人不足が本当に大変な状況の中で、予算をいうとこのくらいの建物でいいのではないかとかなり色々言われた時期もあったりしましたが、 手間のかかる要望を1つずつ真摯に対応してくださった齋藤建設株式会社様はじめ携わっていただいた皆様には心より感謝申しあげます。
何より、ゆうゆう様とはキヅキが完成するまで3年間くらい一緒にやっていたのですが、子どもたちにもここで過ごしてもらいたいという本当に強い気持ちをゆうゆう様みんながもっていて、このプロジェクトが完成したのは本当にゆうゆう様の強い気持ちがあったからではと思っております。設計士ができることは建物が完成するまでですが、これから先はゆうゆうの皆様の手にかかっています。末永く地域に愛される場所になるよう応援させていただきます。ありがとうございました。


株式会社空庭 代表取締役 彌永 秀一 様

園庭のほうは実はこれから取り掛かるのですが、ここの園庭の本当にやりたいことはこれから外側で作られていく予定です。考えているのは、風景を作っていきたいです。自然とは、小さく切り取られる窓から見える風景やもっと遠くから見えるものも風景として繋がっていて、それだけでなく、社会との繋がりを視覚的に理解できるものが自然でもあるので、言葉を言わなくてもそれらが伝わるような場所を作っていきます。どちらかといえば、大人がそこで過ごして気持ちがいい、リラックスできる、五感で感じる。壁がどうやってできているかこの土はどこからきているのか、木はどこから生えているのかを大人が理解できることで、これをリラックスした状態で子どもたちに伝えられます。まずは大人がどんな景色を作りたいかかを考えれば、子どもは大人から学べるし、吸収できます。木の素材からテーブルのデザインのように遠くから来たものが手で触れるようになる、視覚的なものから触覚的なものになるような園庭を、中も外もみんなそうなるようにします。一緒に作業していく中で、僕も心地よい気持ちになれたので、参加できたことはとてもうれしく楽しかったです。これから外側になるのですが、まだこれから変化していき最終的にはこの風景になじむような場所を作れたらいいなと思っています。今日はありがとうございました。


株式会社 トンボロデザイン 代表取締役 若岡 伸也 様

キヅキが設計段階の時から関わらせていただいて、名前を決める際に〇〇保育園のようになるのかなと思っていたら、新しいことを始めるということで、全然違う名前をつけようという話になりました。矢巻理事長が大事にしているレイチェルカーソンの「センスオブワンダー」を重要視して、何か活かしたような名前がいいのではないか、自然の中から何かを子どもたちが気づいて、築いていくことを考え『キヅキ』がいいのではないかという話になりました。それにふさわしいロゴって何かと思ったときに、子どもたちが見つけてくれたり、後から気づいてくれたりするものがいいかなと思い、全部言うと長くなってしまうので短くいうと、”大地”をイメージに入れていて、キヅキのカタカナの“キ”の角度を地軸の傾きにしていたり、“キ”や“ツ”のカタカナの成り立ちを大地が関係していたのでそれを含めてデザインにして形にしたいと思って今のロゴに落ち着きました。子どもたちがここを出た後にも頭の中に残ってくれるものがあればいいなと思っています。本日はありがとうございました。

ロゴについては前回のnoteにも記載があります。

私たちがこれから目指す町づくりや皆様と共に幸せを感じていけるような社会に何かしらのお役にたてたらなと思っております。これからは、私たちが皆様からバトンを受け取って、職員も子どもも一緒にこのキヅキという場所で成長していけたらと思います。ぜひこれからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

お祝い・ご祝詞

キヅキ落成式に際し、お祝いやご祝詞を頂戴いたしまして誠にありがとうございました。
頂戴いたしました寄付金は、子どもたちの興味や関心、その時々の気持ちに応えられるような絵本や図鑑などをそろえ、図書室をより充実させていくために大切に使用させていただきます。いただいたお祝いをInstagramに掲載しております。

寄付金の使い道


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