映画 下妻物語
今日は昔から好きで、定期的に見てしまう『下妻物語』を鑑賞しました!まだ眠くないので、簡単にレビューというか、好きなところを語っちゃおうと思います。
『渇き』や『来る』の中島哲也監督の作品で、茨城県の下妻市という由緒正しき田舎に住むロリータ好きの桃子とレディースに所属するヤンキーのイチゴの物語です。
ビジュアルが最強。特攻服とロリータってどっちもアバンギャルドで意外と合うしかわいい、最強です。
桃子は昔から冷めた子供で、人間に対して興味もなく、情もなく、ただひとりで生きていき一人で死んでいくをモットーに生きていました。フランスのド派手なロココ時代が大好きで、東京の代官山にあるロリータの専門店まで毎回洋服を買いに行くようなロリータマニアでした。
一方イチゴは中学生までは気が弱くいじめられており、高校入学を気にレディースに所属し、自由に仲間と走り続ける、特攻服を着たのヤンキーでした。
まず私がこの映画で好きなところは、間違いなく桃子の考えです。人間はみんなひとりぼっちだから、誰かを裏切ってもいい。借りは返さなくていい。その代わり自分も返さない。気持ちければいいじゃん、かわいければいいじゃん。
そういう自由で自立していて、自分の中にだけあるルールを真っ当している姿が羨ましいのです。
あのど田舎でロリータファッションを着続けるには、それくらい肝が座ってなくてはならないのかなとも思います。
そんな桃子が唯一心を動かされたのが、突然現れたイチゴでした。
バカだけどまっすぐで情に熱いイチゴは、肝の座った風変わりな桃子のことを気に入り、少しずつ一緒に居る時間も増えていきました。桃子ははじめこそまったく興味のない、自分とはまるで違うイチゴに興味を示さず、めんどくさいとさえ思っていました。
しかし、過ごす時間が長くなり、お互いのいろんな表情を見せ合うようになり、最後にはお互いに助け合うような仲になっていくのです。
この映画のなによりも好きなことは、映画の世界観とファッションです。特徴的なのはロリータと特効服ですが、その他にも、桃子の父親のジャージや樹木希林演じるおばあちゃんの眼帯、それから阿部サダヲ演じる暴走族のバカ長いリーゼント。
そんなちょっとばかみたいな、実際いないだろ、みたいな世界観を見るのがとても楽しいし、そのすべての雑多で目がチカチカするようなファッションがリアルに感じるし、実によく合ってるということが不思議です。
また、作中にはアニメの出てくるし、フランスも出てくるし、写ルンですの映像も出てくるし...本当にごちゃごちゃしている。
そして私はそのごちゃごちゃした人間たちの生活感がたまらなく好きなのです。
そんな世界観こそ、この映画の醍醐味と言えるでしょう。
中島哲也監督の作品にはこのような雰囲気のものが多く、『パコと魔法の絵本』もおとぎ話のファンタジーな世界の中に毒毒しさがあるし、『来る』だって、神社の巫女さんに沖縄のおばちゃんにサラリーマンに...カオスな雰囲気が逆に迫力を出す作品だと言えると思います。
今考えてみたら、私中島監督の作品ほとんど見てるし、好きなのかも知れない!
とにかく、桃子とイチゴを見てると、なんだか元気が出てくるんですよね。コメディだからノリも軽くてくすっと笑えるし、でも出演者は豪華だし。
桃子とイチゴは、私にいつも元気をくれる最強の二人なんです。
みのり
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