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広がるヴィーガン、ベジタリアン商品

緑色のバンズでサンドされた、その名も「グリーンバーガー」。
モスバーガーが2020年3月に販売をスタートした、動物性食材を一切使っていないヴィーガン仕様のハンバーガーです。

食べてみると......、個人の感想ではありますが、言われなければお肉不使用だとはわからない味わいと食感が広がります。今回は五葷(ごくん)と呼ばれる、「仏教における臭気の強い5種の野菜(ねぎ、らっきょう、ニラ、にんにく、たまねぎ)」も一切使っていないそうですが、なぜかほどよいスパイシー感あり、楽しめる味わいでした。

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さて、5月に行った、3日間SNSエシカル商品紹介チャレンジで取り上げられた商品をご紹介するこのコーナー、第7回目はベジタリアン、ヴィーガンをキーワードにお届けします! #meetethical2020_07

ベジタリアン(vegetarian)とはお肉やお魚を、ヴィーガン(vegan)は加えて卵や乳製品、蜂蜜なども食べない完全菜食。ただ、ベジタリアンといっても人によってはお肉は食べないけど魚は食べるといった場合もあるようです。

近年、冒頭にご紹介したような、肉や乳製品を使わず植物性素材だけでつくった「プラントミート」が増えてきました。ケンタッキーフライドチキン、マクドナルド 、バーガーキングといったお肉系ファストフード店が軒並み植物性素材を使ったメニューを導入(欧米だけの場合も有)。スーパーでも大豆ミートなどお肉を使っていないデリカを見かけるようになりました。

背景のにはヴィーガン・ベジタリアン人口の増加があります。

例えば、米国では2009年にヴィーガン人口は1%だったのが2017 年には6%に、イギリスの場合、2012年以降5年間でベジタリアン人口は3.6倍に、現在は54万人の人が菜食主義だそうです。ドイツの場合はもともとヴィーガン、ベジタリアン人口は多く、全人口の10%、さらに首都ベルリンは15%前後にものぼります。

ではなぜヴィーガン・ベジタリアンが増えているのでしょうか。

その理由としては、工業的畜産を起因とする気候変動や森林破壊など環境問題の深刻化やアニマルウェルフェア(動物の福祉)の問題、心臓疾患などの健康問題などがあげられます。

環境NGOグリーンピース によると、工業型畜産から排出されるCO2やメタンガスの温暖化インパクトは全体の14%。地球上全ての交通手段(車、トラック、飛行機、船舶、列車)から排出される量に匹敵するそう。

2050年までに気温上昇を1.5度未満に抑えるにはお肉、乳製品の消費を現在の半分にする必要があると試算しています。週にすると、1人あたり「肉製品約300g、乳製品約630g」。お肉1パック、牛乳半本ちょっと、といったところでしょうか。

欧米のヴィーガンやベジタリアンの約半数は35歳未満と言われています。つまり、社会問題に敏感なZ世代が将来のことを考え、食・ライフスタイルを変えているようです。

また企業としても、単にマーケットができたから、ということだけではなく、環境や健康問題の深刻化、将来的な食糧不足などを懸念して植物性素材の食材の開発をすすめており、投資の世界でもこうした動きは高く評価されています。

では実際にどんなヴィーガン製品があるのか、エシカル商品チャレンジで投稿されていた商品をもとにご紹介します!

まずはこちら。C•Oさんが投稿された台所洗剤。

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ヴィーガン商品は食べ物だけではありません。この洗剤は動物性素材不使用、動物実験をしていない、という点でヴィーガン商品として紹介されています。この他にも、化粧品、皮や毛皮といった動物性の素材を使わないファッション、雑貨などもあります。

ヴィーガンのキッチンは油っぽさが全然残らないので、基本的にはお湯で全ての汚れがささ~っと落ちていきますね。
でも時々油が取れないときに使うのがこれ。
ATTITUDEliving の食器洗い。
動物性不使用でかつ動物実験をしないメーカーなので完全なヴィーガン。もう少しプラを減らした詰め替えるための箱の方はPETAの認証とかもとっている。
有害な防腐剤とか内分泌かく乱物質が入っていないので、洗剤は使わないのが一番ですけど海や川の生き物に優しい。プラの部分もリサイクルがしやすいHDPE使っていたりECOLOGOマークも付いてるな。ヴィーガンのを探していると付加価値がいっぱいついてくる。これメリット。

ヴィーガンの場合、「お肉を食べないのでお皿が基本的に脂っぽくない」「ヴィーガン商品は付加価値が多い」というコメントになるほど!と思いました。

最後にご紹介するのは卵。ヴィーガンはもちろん、ベジタリアンも人によっては口にしないものですが、日本人が一年間に食べる卵の数は平均で330個。世界第3位の卵消費国です。そこで、ぜひ卵を選ぶ際にはこんな視点を大切にしてみて欲しいという思いを込めて紹介します。

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エシカル商品紹介チャレンジ、今回は「卵」です。写真はコープこうべの「平飼いたまご」。🐓 卵と言えば、広々とした野外で餌を食んでいる鶏のイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

残念ながら、日本の採卵養鶏場の92%以上で、鶏たちはバタリーケージと言われる狭い網の檻で飼育されています。1羽あたりの飼養面積は20cm×20cm程度でぎゅうぎゅう詰め。本来、鶏には巣・止まり木・砂場が必要ですが、そういったものもありません。鶏たちは質の良い卵を産まなくなる生後1年半~2年程度で出荷され屠殺されます。鶏は本来1年間に20個程度しか卵を産みませんが、品種改変の結果300個以上も産まなければならなくなり、本来の生態とはかけ離れた飼育環境の中、出荷時には体はボロボロです。
EUでは既にこのバタリーケージは禁止されています。日本でも少数ですが鶏の生態に配慮した放し飼いをする事業者や、NPOの働きかけなどにより、レストランやホテルの中で、バタリーケージを使用してつくった卵を使用しないと宣言する動きが出てきています。

私自身は普段、自分で卵を買うことはありませんが、卵を購入される際には、放し飼いなど、なるべく鶏に負担の少ない環境でつくられた卵を選んでいただけると嬉しいです。😊

投稿してくださった、N・Kさんの説明が詳しく、わかりやすかったのでそのまま使わせていただきました。鶏は1日になんと1万回以上も土をつつく習性を持つ生き物。それがわずかA4,1枚ほどのケージの中に入れられたらどうでしょう。相当なストレスがあるはずです。

ぜひ今度卵を選ぶときは「平飼い」の卵がないか、探してみてくださいね!

多くの人がヴィーガン、ベジタリアンになる、というのは難しいかもしれませんが、日頃の暮らしの中で気軽に選べるようになれば状況は変わるのではないかと思います。

欧米に行った際、普通のレストランやカフェでよくヴィーガンorベジタリアンメニューを見かけました。実際食べてみると、味のクオリティも高く、野菜だけでこんな美味しさがつくれるなんてすごい!と思ったものです。普段利用するスーパーや飲食店で商品・メニューとしてあれば、「今日はベジタリアンメニューを選んでみよう」という人も増えるのではないでしょうか。

さて、次回、最終回は伝統工芸をテーマにしてみたいと思います。

ではまた!

(参考)
なぜヴィーガンに?定義や理由、ベジタリアンとの違いなど流行の裏側を暴露!

「エシカル商品チャレンジ」概要
2020年5月の消費者月間、おうち時間にあわせて、3日間、身の回りのエシカル商品を紹介するキャンペーンを実施しました。詳細はこちら
1)おすすめのエシカル商品の写真を1日1商品、3日間、SNSに投稿
2)投稿する際は #meetethical をつける
3)できれば、投稿の都度、1人のFB友達にこのチャレンジへの参加をタグ付でお願いする(可能であれば事前に一声かける)
★フェイスブックで#meetethicalと検索していただくとこれまでの投稿を確認できます。



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