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スワローズとて諸行無常~~各ポジションの「系譜」

こんにちは。おかぴです。コビットさんのせいで世界が大変なことになっていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

これを読んでくれている大多数の方は、「プロ野球が始まらない!つまらん!」と感じていると思います。16連敗しようが、ビジター6カード連続サヨナラ負けを食らおうが、開幕から41打席連続無安打になろうが、某一流選手が週刊誌にすっぱ抜かれようが、野球の話題があったのは楽しかったな、と。

とまあ、現状プロ野球の「新しい話題」が全くと言っていいほど出てこない状況の中、「過去の話題」を振り返ってみよう!ということで、ヤクルトの世代交代の歴史ポジション別に振り返ることにしました。対象は私が見始めた2007年以降に限定します。と言っても、昔は(今ほど)ちゃんと情報を追っていた訳でもなく、所々「流れ」を重視して大雑把にまとめた箇所もあります。どうか温かい目でお読みください。

ちなみに、私が初めて見に行った試合のスタメンはこんな感じです。

8 青木宣親 5 飯原誉士 9  A.ガイエル 7 A.ラミレス 3 A.リグス 6  宮本慎也 4  田中浩康 2 福川将和 1  藤井秀悟 (2007.4.21 対中日5回戦)

そこそこ強そうですね。実際、この日は12安打で7得点を奪ったんですよ。なお投手陣が16失点して試合には敗れたんですが。3番手で出てきた高井投手が1.1回を被安打8与四球2で自責点7とかいう、とんでもないことをしてたりします。

C 捕手

 福川将和/川本良平/米野智人(~09)→相川亮二(09~14)→中村悠平(12~)
主なドラフトでの獲得選手:中村悠平(08年D3/高)、西田明央(10年D3/高)、山川晃司(14年D3/高)、古賀優大(16年D5/高)、松本直樹(17年D7/大社)

捕手はわりかし単純で、相川の獲得 と 中村の台頭 が大きな分岐点ですかね。

黄金期を築いた名捕手・古田敦也の後、数年間固定できない状態が続くも、08年オフに相川を横浜からFAで獲得。相川はヤクルトに6年在籍しましたが、結果的には 前半3年間は固定起用→後半3年間は中村との併用 という、これぞFAの上手な使い方って感じになりました。「弱点のポジションを潰せる」「次の世代交代までの時間を稼げる」のは、FAの最大の利点ですよね。巨人丸とかその代表例ですし。

そして、相川が14年オフに巨人に移籍して以降、捕手は基本的に中村を中心に起用されてきました。中村は15年以降、5年連続で100試合以上に出場しており、そこまで捕手が補強ポイントとならなかったのは彼のおかげですね。昨オフにFAされていたら目も当てられない状況になっていたと思います。

今後の展望としては、中村を軸にしつつ、次第に古賀へとシフトしていく感じでしょうか。

1B 一塁手

A.リグス/宮出隆自(~07)→畠山和洋/J.デントナ/J.ホワイトセル(08~11)→畠山和洋(12~16)→色々(16~17)→坂口智隆(18)→村上宗隆(19)→?
主なドラフトでの獲得選手:荒木貴裕(09年D3/大)、村上宗隆(17年D1/高)

先ほどの捕手とは打って変わって、紆余曲折を経てますね。特徴は、畠山の存在助っ人が少ない ことでしょうか。

畠山に関しては、「一塁・畠山」をそこまで固定できなかったな、という印象ですかね。11年までは三塁や左翼も守ってましたし、不調に陥ることや怪我をすることも多く、畠山以外にも色々な選手が一塁で起用されました。特に16~17年は荒木・森岡・今浪・西田・鵜久森・武内・大松・グリーン・リベロなどなど、ほんっっっとうに固定出来なかったですね。

また、改めて見ると、助っ人に頼るケースが少ないですね。DBロペス、Dビシエド、Tマルテなど助っ人を起用しているケースも多いですが、ヤクルトはバレンティンなど、外国人枠を外野に割いてきた感じです。まあそのバレンティンを一塁にコンバートしようとした時もあったのですが。

その後は、18年は坂口が外野から、19年は村上が三塁からコンバートされたことで、とりあえずは固定出来た感じです。今後の展望は、村上次第ってところでしょうか。

2B 二塁手

田中浩康(~13)→山田哲人(13~)
主なドラフトでの獲得選手:山田哲人(10年D1/高)

田中浩康と山田哲人。この9文字に尽きます

両者ともに素晴らしいのが、大きな怪我もなく試合に出続けられたことですね。浩康は年平均138試合出場(07~12年)、哲人は年平均141試合出場(14~19年)と、共に「絶対的レギュラー」として君臨していました。結果的には、ここ13年でヤクルトの二塁手が規定到達しなかったのは2013年だけなんですよね。これぞ究極の「世代交代」って感じです。

今後の展望としては、哲人の動向次第ですよね。個人的には本人もまだ決めかねている気がしてますが。

SS 遊撃手

宮本慎也(~07)→川島慶三/森岡良介/川端慎吾(08~14)→大引啓次(15~17)→西浦直亨(18)→西浦直亨/廣岡大志/奥村展征(19)→A.エスコバー(20~)
主なドラフトでの獲得選手:鬼崎裕司(07年D3/大社)、荒木貴裕(09年D3/大)、谷内亮太(12年D6/大)、西浦直亨(13年D2/大)、廣岡大志(15年D2/高)、長岡秀樹(19年D5/高)、武岡龍世(19年D6/高)

実際には、森岡が加入したのは09年ですし、川端は14年に三塁に転向してますが、あくまで「大雑把なイメージ」として捉えてください。

一言でまとめると、宮本の三塁転向以降、外様で補っているケースが多いですね。川島&大引は日ハムからの移籍ですし、森岡は戦力外からの獲得です。あと出場試合数はそれほど多くないものの、09年オフには阪神からFAで藤本敦士を獲得し、今年は新外国人でエスコバーを補強しました。

相川の際と同様に、どこかで「補強→ゆるやかに世代交代」の流れを作ることが出来れば理想だったのですが、中々上手くいきませんでした。今年補強したエスコバーからその流れを構築できるかが、今後の遊撃事情を左右しますね。

3B 三塁手

飯原誉士(07)→宮本慎也(08~13)→川端慎吾(13~16)→色々(17~19)→村上宗隆?
主なドラフトでの獲得選手:藤井亮太(13年D6/大社)、廣岡大志(15年D2/高)、村上宗隆(17年D1/高)

基本的な構想軸としては、 宮本から川端への世代交代 ですね。

飯原って三塁守ってたっけ、というのは置いておいて、「宮本→川端」の「遊撃→三塁」の流れはまずまず良い感じでした。

川端は怪我のイメージが強いですが、11~16年は年平均117試合出場と、思ったより(?)試合に出てたんですね。ただ、17年にヘルニアを発症して以来、ヤクルトの三塁構想が完全に狂いました。D平田やE銀次らと同学年ということを考えると、まだまだレギュラーでいてもおかしくないのですが。。その結果、17年以降は藤井・大引らを中心に固定出来ない状況が続きました。

昨年の後半には太田賢吾が定着しましたが、今年は村上をメインで起用する話も出ていますね。個人的には、打撃重視ともいえる一塁・三塁で村上は「打撃力でさらに上積みを作れる選手」だと思うので、これからも彼への期待は大きいと思います。

LF 左翼手

A.ラミレス(~07)→飯原誉士/福地寿樹/畠山和洋(08~11)→L.ミレッジ(12~13)→W.バレンティン(14~19)→青木宣親(20~)

今考えてもラミレス、グライシンガー、石井一久が一気に抜けた07年オフって凄まじいですよね。なんでファン辞めなかったんだろう。

基本的には、打力重視のポジションのためか、外国人選手が多いですね。「レフト・畠山」も守備度外視の起用でした。昨オフのバレンティンの放出劇に関しては色々な意見がありましたが、私としては「左翼バレ・中堅青木」の組み合わせは限界に近付いていたかな、と思います。あとは、5億ポンっと払えるあの球団には敵わない。

今後の展望を考えたいところですが、センター・ライトの世代交代が進まないとどうにもならないので、とりあえず青木に頑張ってもらいましょうか。守備負担が軽減したことが、打撃に好影響を与えると良いですね。

CF 中堅手

青木宣親(~11)→雄平/上田剛史/比屋根渉(12~15)→坂口智隆(16~17)→青木宣親(18~19)→塩見泰隆(20~)

青木の偉大さが身に沁みます。レギュラーに定着してから米挑戦するまでの7年間のうち、6シーズンで140試合以上に出場。年平均183安打と、まさに「絶対的レギュラー」でした。昔の話ですが、06年・09年WBCで世界一連覇を達成したメンバーの一人でもありますね。

しかし、青木が米挑戦して以降、中々レギュラーを奪取する選手は現れず。この状況を見ると、15年ドラフトで高山俊を指名するのは理にかなっていると思いますし、そりゃガッツポーズもしたくなるわけです

高山は10分もしないうちに阪神に移籍するわけですが、その後は坂口・青木を補強しました。結果的には、これが外野陣のバランスを崩してしまったんですよね。もちろん両者とも活躍してくれましたし、今年も十分戦力ではあるんですが、「バレ・青木・坂口・雄平」の組み合わせは年齢的に中々ヤバいですよ。

とまあそういう状況なので、今後の展望としては、塩見が定着してくれないとどうにもならないと思います。マジで。

RF 右翼手

A.ガイエル/福地寿樹/飯原誉士(~10)→W.バレンティン(11~13)→雄平(14~)

世代交代というよりも「何となく埋まってた」、という感覚でしょうか。 

10年までははガイエルや人的補償で獲得した福地、それに飯原が起用されていましたし、11年に加入したバレンティンは本塁打を量産しました。60本打った年の守備位置は主にこっち(ライト)でしたね。

あとはなんだかんだ雄平、って感じです。ここまで通算858安打で、1000安打も十分射程圏。10勝&1000安打だと史上8人目だとか。ただバレ→雄平はそもそも両者同い年なので、世代交代とは言えませんね。若手の突き上げが望まれるところで、中山・濱田らの台頭が急務です。


最後に外野陣まとめてドラフト組を紹介。

主なドラフトでの獲得選手:松井淳(09年D5/大)、川上竜平(11年D1/高)、比屋根渉(11年D3/大社)、山崎晃大朗(15年D5/大)、塩見泰隆(17年D4/大社)、中山翔太(18年D2/大)、濱田太貴(18年D4/高)


以上になります。本記事は「レギュラー事情」を考察することが目的なので、個々の選手の能力(WARなど)を比較することはしませんでした。その点ご了承ください。

というわけで、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。開幕できるその日まで、プロ野球がある毎日を、待ちましょう!

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