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死んじゃった友だち〈本日の5首〉

とんでもないタイトルですみません。
たまには自分の詠んだ歌を振り返ってみようと思います。時系列に本日の5首。


死んじゃった友だちに会いたい
友だちを亡くした事なんてなんてないのに
(12:43)

SNSのお題「鬱」で詠みました。
よく言う「家にいるのに帰りたい」の派生です。
でもなんとなく心に居ませんか、
死んじゃった友だち。もう会えない友だち。
前に進む為に置き去りにせざるを得なかった
過去の自分に近いかな、と思います。
人生の美しい部分。


冷蔵庫に隙間を空ける為だけに食べられる
冷たい焼き鮭の偶然
(16:19)

実家から箱一杯の葡萄が送られて来たので
冷蔵庫テトリスの結果、朝食の残りの焼き鮭が
私の胃におさまる事となりました。午後4時。
鮭もさぞ驚いていたと思います。チンもして貰えなくてがっかりしたかもしれません。
「偶然」は「憂鬱」でもよかったかも。
鮭の落胆。


いつかの輪廻で蒼い火になって僕ら
星が死ぬところを見よう
(19:34)

これはですね。
ここに理由を書いていいのか迷いました。
余命を宣告された方が星にも寿命がある、
と呟いておられたのを通りすがりのSNSで拝見して詠みました。大変失礼な事をしたと思っています。すぐに消えてしまった一瞬の出会いでしたが一生憶えていると思います。
星にも寿命がある。


神さまとコインランドリーで待ち合わせ
今日と明日を物々交換
(20:08)

どんな今日でも良いと思います。
出来れば幸せな今日と明日を物々交換するイメージで読んで欲しい。
ですが、罪の意識で詠みました。
そして残酷です。
私は今日着た罪の洗濯を神さまという曖昧な存在に任せて真っ白な明日を着ます。
コインランドリーで神さまを待つ間だけ、自分の罪をまじまじと見る。そして渡してしまいます。


今日と云ふ人間の日は
花が咲いても
エリ・エリ・レマ・サバクタニ
(20:14)

反戦と終戦をテーマに詠みました。
エリ・エリの部分は
《神よ何故私を見捨てたもうた》です。
なんとなく細かく説明するのは違うな、と思うので読み手にぶん投げているところがあります。
戦争はだめです。
勝とうが負けようが終わろうが、同じです。


読んでくれてありがとう。
川瀬 凪

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