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【特集】NBA 2024-25シーズン開幕前に戦力分析してみた【西編】




こんにちは、スワッギちゃんです💜💛







さて、あと数週間ほどでプレシーズンゲームが始まりますね。オフを終えて強くなった、若返った、特に変わりなかったチームとさまざまでしたが、各チームの大雑把な戦力がここで明らかになります。



そこで、来るNBA 24-25シーズンに向けて全30チームの戦力分析を行うことにしました。今回はウェストに所属の15チームを分析。楽しんでください。




1. ダラス・マーベリックス

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG L.ドンチッチ/S.ディンウィディー
SG K.アービング/Q.グライムス
SF K.トンプソン/N.マーシャル
PF PJ.ワシントン/M.クリバー
C D.ガフォード/D.ライブリー

HC J.キッド

トンプソンを迎えた新体制で優勝は目前?

ドンチッチとアービングの黄金コンビにより、マーベリックスはダーク・ノビツキー時代以来初めての西カンファレンス制覇を達成。続くセルティックス戦に敗北し優勝は逃したものの、ビッグデュオを軸とする方針自体が誤りではなかったと証明した。
そして来季、トンプソンが自身初の移籍でマーベリックスの一員となる。高齢と度重なるケガによりかつての安定感や守備力は失ったが、依然として相手チームにとって用心すべき選手である。優勝常連チーム出身のエナジーは神童ドンチッチ初のタイトルをもたらすに相応しいか、要注目のチームだ。


注目新加入選手: クレイ・トンプソン

トンプソン初の移籍はNBAに衝撃を与えた。マジック、レイカーズ、クリッパーズ移籍、そしてウォリアーズ残留と多くの選択肢からマーベリックスを選んだ理由は、やはり西カンファレンス制覇の実績にポテンシャルを感じたからであろう。
故に、トンプソンは数多の優勝経験を経てもなお優勝に貪欲であると思われる。このメンタリティは若手たちに良い影響を与えるだろう。
気になるのはプレーでの相性だ。「ハンドラーのエース2人にシューター」と単純に考えればベストマッチに思えるが、似たシューターのティム・ハーダウェイはキッドHC就任以降パフォーマンスを落としており、最終的には放出されている。ウォリアーズほど決め打ちのシューターセットが潤沢でないことからも、これまで通りのハイパフォーマンスが継続できるかはやや疑問に残るところだ。


注目退団選手: デリック・ジョーンズ

昨オフの最終盤にマーベリックスと契約したジョーンズだったが、かつての器用貧乏なイメージを払拭し、確固たるスリー&ディフェンス&ダンクの選手へと進化した。プレーオフでも全試合でスタメン出場した功労者だが、無念にもわずか1年の在籍期間で移籍することとなった。
この穴を埋める選手はトンプソンに止まらない。新加入のグライムス、マーシャル、そしてディンウィディーら全員が平均以上の守備力を持っており、ディフェンスに関してはむしろ以前よりも強くなれそうだ。
ファンから惜しまれる移籍ではあったがリターンも大きく、空いた穴への対処を過剰に心配する必要は無いだろう。


予想順位: 1〜3位



2. デンバー・ナゲッツ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG J.マレー/R.ウェストブルック
SG C.ブラウン/J.ストローサー
SF M.ポーター/P.ワトソン
PF A.ゴードン/Z.ナジ
C N.ヨキッチ/D.サリッチ

HC M.マローン

「ウェストブルック+若手」でスタメン依存脱却へ

2連覇がかかるシーズンを過ごしたナゲッツは、西2位の好成績で順調にレギュラーシーズンを駆け抜けた。しかし、プレーオフにてGame7までもつれた接戦の末に敗退。群雄割拠の時代に嫌われたのだった。
「NBA最強スタメン」の一角であったコールドウェルポープを手放して挑む来季は、ベンチメンバーとなる若手の奮闘が不可欠だ。まだブラウン以外は力不足に思えるが、これが新加入のウェストブルックによりどう変貌するか注目したい。
マレーとの延長契約によりもうしばらく現体制が見られるはずだが、毎年の長期離脱に昨プレーオフでの乱調がヨキッチとの間に亀裂を生む可能性もある。王座奪還に向けて、もはやファイナル進出はマストと言えるだろう。


注目新加入選手: ラッセル・ウェストブルック

モンテ・モリスにオースティン・リバース、直近ではブルース・ブラウンなど、ナゲッツは代々6thマンの奮闘が目立つチームだ。来季はこの役をキャリア晩年の元MVP: ウェストブルックが受け持つこととなる。
かつては電光石火のオフェンスで一世風靡したポイントガードであったが、ここ数年で明確に衰えが来ている。未だに身体能力は高水準であるが、シュートがあまりにも決まらなかったり、ターンオーバーに陥りがちなシーンが目立つのだ。ナゲッツでは、ワトソン、ナジら運動量を保てる若手たちがこれをカバーリングする必要がある。
ブルース・ブラウンも速攻が得意で器用な選手であったが、彼は守備面でもナゲッツのシステムと噛み合っていた。ウェストブルックにも同様の仕事が求められるが、元スターの意地で歴任者を超えるパフォーマンスを発揮してほしい。


注目退団選手: ケンタビアス・コールドウェルポープ

シューター兼ディフェンダーとしてナゲッツの優勝に貢献したコールドウェルポープが退団。昨季終了後のインタビューにて「プレーオフでナゲッツは負けて然るべきパフォーマンスをした」と発言するなど、どこかチームに対して後ろ向きな姿勢を感じられたが、実際に不和があったのかは不明だ。移籍に至ったことだけが事実である。
内部問題の示唆と同様に、プレー面でもこの損失は大きい。幸いブラウンが守備も上手いシューター以上の存在として成長中であるが、来季に向けて進化のペースアップが求められる。恐らくスタメンとして抜擢されるであろうブラウンだが、MIP級のシーズンを過ごせるだろうか。


予想順位: 4〜6位



3. ゴールデンステイト・ウォリアーズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG S.カリー/D.メルトン
SG B.ポジェムスキ/M.ムーディ
SF A.ウィギンズ/B.ヒールド
PF J.クミンガ/K.アンダーソン
C D.グリーン/T.ジャクソンデイビス

HC S.カー

ポスト王朝時代へ...急務となる若手の成長

2連覇から最下位に落ち、翌シーズンでいきなり王座奪還したと思えば再びプレーオフ圏外へ...と波瀾万丈なシーズンが続いているが、ボブ・マイヤーズGMの退任による影響か長年ウォリアーズと連れ添ったクレイ・トンプソンの退団が決定し、再び波乱が訪れることとなる。
得点の稼ぎ柱が消えた代わりに有力なスコアラーが入団した、というケースでもないのが非常に苦しい。しかし、クミンガを代表とする若手の育成には概ね成功しており、将来性は維持されている。トンプソンに代わる得点源として、この若手たちが順当に伸びるだろうか。
また、グリーンやウィギンズの処遇も気になるところだ。来季の順位が望ましくなければ、トンプソン流出の勢いで放出される可能性は大いにある。王朝メンバー完全分離の日もそう遠くないだろう。


注目新加入選手: バディ・ヒールド

スプラッシュ・ブラザーズの養子として新たに加わったシューターがヒールドだ。昨季はプレータイムの減少でスタッツを落としたが、相変わらず高性能なシューティング技術を備えている。決め打ちセットの豊富なウォリアーズなら、この特徴を大いに活かせることだろう。トンプソン同様、部分的にハンドラーとしても起用できそうだ。
守備面は懸念とされているが、ディフェンダーと言える存在を欠きつつも入念な守備スキームを持つウォリアーズならカバーできるはずだ。攻守両面において、年齢の影響が出てこないことを祈りたい。


注目退団選手: クレイ・トンプソン

ドラフト以来12年ウォリアーズ一筋だったトンプソンだが、自身初のベンチ出場やプレーイントーナメントでの絶不調など屈辱的なシーズンを過ごした末に退団を決めた。スプラッシュ・ブラザーズの解散は全NBAファンが薄々予感していたと思われるが、いざ起こると実感が湧かないものだ。
ウォリアーズの強みは神がかったシューティング性能を持つ選手が2人揃っていることだった。実際、トンプソンが全試合欠場した2019-20, 20-21年は共にプレーオフ進出すら逃している。来季がその再来となる可能性も否定できない。
これを回避するには、やはり若手たちの躍進が必須だ。ポジェムスキ、クミンガは確固たるスタメンの一角として攻守に磨きを上げ、ジャクソンデイビスやムーディはローテーション入りを約束されるほどのパフォーマンス向上が求められる。ポストカリー時代に光を見出せるシーズンとなるか。


予想順位: 11〜15位



4. ヒューストン・ロケッツ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG F.バンブリード/R.シェパード
SG J.グリーン/C.ウィットモア
SF D.ブルックス/A.トンプソン
PF J.スミス/T.イーソン
C A.シェングン/S.アダムス

HC I.ウドカ

若手の急成長!ラストピース探しは加速する?

ジェームズ・ハーデン時代の終幕から四年、グリーンやシェングンが得点源として台頭し、スミスやイーソン、ウィットモアらNBAレベルで戦える戦力も揃った結果、強豪の揃う西カンファレンスで勝率5割を記録した。プレーオフこそ逃したものの、来年度に向けて希望を感じさせるシーズンとなった。
一方、ロケッツは未来を担う二大エース: グリーンとシェングンとの再契約が来オフに控えている。2人との大型契約が決まると、現状戦力のうち数名の放出は覚悟しなければならない。そこで、来季中にバンブリードやブルックス、アダムスらベテランが新たなスターとトレードされる可能性が高い。かつてはケビン・デュラント獲得を噂されていたが、今後どのように動くか注目したい。


注目新加入選手: リード・シェパード

今年のドラフト3位指名権を保持していたロケッツは、低身長ながら献身性に優れるポイントガードを迎え入れた。グリーン、スミス、トンプソンと1桁指名選手たちが順調に育っている中シェパードもこの波に乗れれば、バンブリードがスターとのトレードで放出された場合にも備えられるだろう。


注目退団選手: なし

ロケッツは主力を全く動かさず、ほぼドラフトのみで現体制のバックアップを図った。これはフロントが昨シーズン終盤の11連勝を好意的に見ている証拠だろう。
最近のCBA改訂により、他チームやFAから大物を引き抜くことが難しくなったため、ここ数年はドラフト産戦力がかなり有力視されている。グリーンとシェングンの延長契約を控えるロケッツも例外でなく、他のローテーションプレイヤーに割けるキャップスペースはほぼ確実に少なくなる。この背景を考慮しても、今オフにドラフト産の若手をほぼキープできたのは大きい。


予想順位: 7〜10位



5. ロサンゼルス・クリッパーズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG J.ハーデン/K.ポーター
SG N.パウエル/K.ダン
SF T.マン/A.コフィー
PF K.レナード/D.ジョーンズ
C I.ズバッツ/N.バトゥーム

HC T.ルー

エース2人のオールスター回帰で穴を塞げるか

レナードとジョージの二大スター体制発足から5年、その一角がついにチームを去る。残されたレナードと元MVPのハーデンがかつての支配力を徐々に落としつつあるところで、この損失はかなりの痛手である。
NBA追放から帰ってきたスコアラーのポーター、マーベリックスで3&Dとして開花したジョーンズ、クリッパーズ在籍経験の多いバトゥームらをFAから獲得したものの、ジョージの穴埋めにはいまひとつ足りない人員である。そこで、やはりレナードとハーデンにはオールスター確実クラスへの回帰を求めたい。
今季は現体制続行可否を左右するシーズンとも見られる。解体が決まった場合、レナードとハーデンの新天地にも注目が集まるだろう。


注目新加入選手: ケビン・ポーター

銃の不法所持でキャバリアーズから追放、DVでさらにNBA追放を経験し、問題児として名が知れてしまったポーター。このままNBAキャリア終了かと思われたが、クリッパーズから救いの手が差し伸べられた。過去にもジョシュ・プリモ、カイ・ジョーンズといった問題行動でチームを追放された選手のピックアップを行なっているクリッパーズにとって、メンタルヘルスの調整は手慣れた業なのかもしれない。
ジョージの離脱により是が非でもスコアラーが欲しかったクリッパーズにとって、ポーターはFAから安く手に入る最高のセレクションだった。NBA離脱期間はギリシャのチームでプレーしていたが、平均20.8得点 8.3リバウンド 6.5アシスト 3.0スティール 1.8ブロックと支配的なスタッツを記録。まだ24歳と若く、オフコートの問題さえ無くなればクリッパーズの将来をも担える存在となるだろう。


注目退団選手: ポール・ジョージ

長年チームメイトだったジョージからクリッパーズ退団を決めたと伝えられたとき、レナードは大きくため息をついたそうだ。サイン&トレードでの財産獲得にも至らず、ただキャップスペースのみが残された顛末を見ると、ため息が出るのも仕方がないと思える。
ジョージはクリッパーズ入団以降ケガが増え、満足に終えられたシーズンが少なかった。それでもひとたび出場すれば、抜群のシュートセンスと守備力でチームを引っ張る明確なエースと化した。大きな存在を欠いたクリッパーズだが、五輪メンバーに選ばれていたレナードをケガの懸念につき引き戻すなど、来季に向けた勝利への姿勢も保たれている。少なくとも来季前半は、勝ちに貪欲なクリッパーズが見られるか。


予想順位: 11〜15位



6. ロサンゼルス・レイカーズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG D.ラッセル/G.ビンセント
SG A.リーブス/M.クリスティー
SF R.八村/D.コネクト
PF L.ジェームズ/J.バンダービルト
C A.デイビス/C.ウッド

HC JJ.レディック

コーチ総入れ替えで切り拓く再興への道

ダービン・ハムのHC就任以降、毎年ギリギリでプレーオフ進出を果たしたレイカーズ。ジェームズの神通力が未だに通用することを証明したが、ナゲッツ相手に2年連続敗北と屈辱的な結果に終わった。フロントの不満はついに限界を超え、わずか2年の任期でハムHCを解雇、さらにその他コーチ陣全員の解雇に至ったのだ。
代わりの指揮官に選ばれたのが、デューク大で名将コーチKに教わったのち15年間の長いNBAキャリアをピュアシューターとして過ごしたJJ・レディックだ。バスケット選手としては輝かしい経歴を持っているが、コーチ経験皆無の人物をいきなりヘッドコーチに登用する大チャレンジに踏み切ったのである。
ジェームズ、デイビス両エースの五輪出場による疲労が予想される来季、若手の育成はかなり重要だ。すぐに結果が出せずとも、ジェームズ引退後にも希望を持てるようなチームに育つか。


注目新加入選手コーチ: JJ・レディック, ネイト・マクミラン, スコット・ブルックス

レディック新HCにはカリスマ性がある。選手と近い年齢で、意思疎通もしやすいだろう。記者会見やポッドキャストを聴く限り、スピーチにも長けている。好みとされるファイブアウトをはじめ幅広い戦術知識も有しており、策略家としても期待できる。完全無欠に見えるが、唯一とも言える欠点がやはり皆無なコーチ経験だ。レイカーズはこの穴を埋める秘策として、コーチ歴の長いマクミラン, ブルックス両氏をアシスタントとして雇うプランを用意していた。
しかし、マクミラン, ブルックス両氏ともに優勝経験が無いのは気がかりだ。マクミランはトレイ・ヤングとの不仲、ブルックスはジョン・ウォールとブラッドリー・ビールの関係性を修復できなかった経験もある。長い歴と年齢の近さゆえに、当のアシスタント同士が衝突する可能性もあるが、これらのリスクを回避できるだろうか。


注目退団選手: トーリアン・プリンス

レイカーズのロスターが大きく補強されることはなかったが、プリンスの放出はチームの柔軟性に影響を与えるだろう。
昨季は78試合に出場し、主に3&Dウィングとして貢献した。プリンスの特徴はそのオールラウンド性であり、ただのシューター役にとどまらず適切なタイミングでのドライブやパスでエースたちとのケミストリーを構築することができた。前任のハムHCもこれを評価し、積極的に起用していた。
一方、現ロスターには何かに特化したタイプのウィングは多いものの、誰と並べても活躍できるオールラウンダータイプが居ない。レディックHCが好みそうな戦術では各選手の器用さが求められそうだが、この不足がどう影響するか。


予想順位: 7〜10位



7. メンフィス・グリズリーズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG J.モラント/M.スマート
SG D.ベイン/V.ウィリアムズ
SF L.ケナード/GG.ジャクソン
PF S.アルダマ/B.クラーク
C J.ジャクソン/Z.イディー

HC T.ジェンキンス

ケガ人復活で再始動、勝ち癖を取り戻せ!

昨季はモラント、クラークがシーズンをほぼ全休、新加入のスマートは1ヶ月未満でシーズンエンドの怪我を負うなど負傷者が続出し、70試合以上出場した選手が1人もいなかった。モラントの不在をベインとJ.ジャクソンが支えたが、2人が交互に欠場してしまい戦力ダウン。勝ちを重ねられず、プレーオフ進出を久方ぶりに逃してしまった。
優勝まであと数歩だったチームとしては悲劇の1年間であったが、GG.ジャクソンやウィリアムズら若手には成長を示すチャンスの年となった。今年のドラフトにて大学バスケ最強のビッグマン: イディーを指名したことも重なり、若く安い選手による戦力の底上げは十分行われている。残す課題は"健康"のみだ。


注目(実質)新加入選手: ジャ・モラント

グリズリーズにエースのモラントが帰ってくる、それだけで西カンファレンス1位まで登り詰めるだけのポテンシャルを取り戻せるはずだ。
ただ、モラントは昨季のケガ以前も欠場が少なくない選手だったため、今季も満足にプレーできるかはわからない。問題行動で出場停止を喰らった経験もあり、実力は十分ながらチームの顔としての器を疑問視する声も見かける。ベテランのスマートとの相性もまだ不明であり、以前の強さを取り戻せるかの予測がかなりつきにくい。
まずはモラントのオールスター回帰を目標に、チームを上昇気流に乗せたいところだ。


注目退団選手: ザイエア・ウィリアムズ

ウィリアムズはトレードでネッツに移籍。ルーキーイヤーから出場機会を得ていた選手であったが、同じフォワードのGG.ジャクソンやジェイク・ラレイビアらがスコアリングの才を開花させたことが放出の後押しとなったのだろう。
来季はベテランシューターのケナード、スモールセンターのクラークらも満足に出場できるはずであるため、ウィリアムズの損失は十分にカバーできるはずだ。


予想順位: 7〜10位



8. ミネソタ・ティンバーウルブズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG M.コンリー/R.ディリンガム
SG J.マクダニエルズ/N.アレクサンダーウォーカー
SF A.エドワーズ/J.イングルス
PF KA.タウンズ/L.ミラー
C R.ゴベア/N.リード

HC C.フィンチ

足を引くオフェンスはベンチ改造で解決?

スリーと速攻の流行りが廃れてビッグマン至上主義が訪れる...これを予知していたウルブズ運営陣は、自前のスター: タウンズと並べる守護神的センターのゴベアを獲得した。この予想はピタリと当たり、エドワーズをルカ・ドンチッチと並ぶ次世代型スコアラーへと成長させながら見事西3位にまで上り詰めた。
そんなウルブズが優勝に一歩届かない明確な要因がオフェンスだ。エドワーズのスター性に依存しすぎるあまり、自慢のツインタワーを攻めの拠点にできていないのだ。
オフに低速ながら自らパス先を探しつつドライブできるカイル・アンダーソンを放出し、ルーキーPGのディリンガムやパッシングゲームの上手いイングルスを獲得した。ミラーやルカ・ガルザもGリーグで好成績を残したため、来季出番が増えるかもしれない。このベンチ選手たちが攻撃力増強剤となれるか。


注目新加入選手: ロブ・ディリンガム

19歳の若さで8位指名されたディリンガムだが、最大の特徴はスコアリング能力である。ピックを貰えば意地でも得点をもぎとりに行く精神力とフィニッシュ力があり、積極性も抜群だ。この攻め気なスタイルは、6thマン賞候補常連のマリク・モンクや6thマン賞を3度受賞したルー・ウィリアムズを彷彿とさせる。
ディリンガム本人に求められる働きも同様に、6thマンとして兎に角スコアを稼ぐことだ。昨季6thマン賞に輝いたリードとともに、ベンチスコアラーのゴールデンコンビとなれるか。


注目退団選手: カイル・アンダーソン

ベンチ戦力を大きく改造したウルブズだが、退団した選手の中で最もプレータイムを得ていたのがアンダーソンであった。シュートが特別上手い選手ではないが、ゆったりとしたドライブからの落ち着いたショット判断に加えてアシスト・リバウンドも得意な使い勝手の良いウィング戦力だった。
この損失は問題のオフェンスに大きく影響するはずだ。アンダーソンはスパーズ、グリズリーズ在籍時よりも大幅にアシスト数を増やしており、彼への依存度が見て取れる。この穴はスコアが売りのディリンガム、仲介者としてアシストできるイングルス、大きさとスリーが光るミラー、パワフルさとリバウンドで生きるガルザら全員で役割を分割し、キレイに埋めるのがベストだ。


予想順位: 1〜3位



9. ニューオーリンズ・ペリカンズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG D.マレー/J.アルバラド
SG CJ.マッカラム/J.ホーキンス
SF B.イングラム/T.マーフィー
PF Z.ウィリアムソン/H.ジョーンズ
C D.タイス/K.マトコビッチ

HC W.グリーン

新たな"ビッグ4"は勝利を呼び寄せるか

マッカラム、ウィリアムソン、イングラム、そしてヨナス・バランチュナズの四大巨塔体制発足から約3年が経過した。互いの欠場を埋めあわせる戦略は思いのほか上手くいかず、西の列強に潰され昨季までプレーオフ進出が叶わなかった。やっとの思いで闘ったプレーオフでも1回戦でスイープ負けを喫し、改造の必要性を高めるきっかけとなってしまった。
そして今オフ、バランチュナズの放出とデジョンテ・マレーの獲得を決めた。実質四天王のうち一角の交換となったが、ポジションは真逆の2人だ。さらにイングラム放出の噂も立っており、このいびつなロスターバランスを解消する動きに出るかもしれない。ラストピースとしてまさかの第5角を取り込む可能性もあり、王者セルティックスのような確固たるスタメン5人を揃えるパターンも考えられるが、まずはシーズン開始直後の様子をうかがいたいところだ。


注目新加入選手: デジョンテ・マレー

ベンチ戦力を多数手放してまで獲得したマレーは、ペリカンズのシナジーを高めるだろう。彼は守備力が平均以下なマッカラムのカバーが可能であり、オフェンスではコンボガードとしてPGやSG, さらにはSFとしても輝ける。これはホークスでの役割と似ており、本人としても慣れたプレー環境になるはずだ。パスの供給難も改善でき、クラッチシーンの強さは勝利をもたらすだろう。
比較的健康体であることも特筆すべき点だ。イングラムやウィリアムソンが怪我の多い選手であるため、スコアリングの穴埋めに適した人材と言える。


注目退団選手: ヨナス・バランチュナズ

バランチュナズは"四天王のうち最弱"の烙印を押されてしまった。分厚いスクリーナー兼リバウンダーで、ピック&ポップやポストアップからのプレーも可能な何でも屋ビッグマンであったが、スタメンからは外されずともすぐ交代対象にされたり、クロージングに混ざれなかったりしたのだ。体躯の割に健康体でもあるが、守備面などの要因がチームのニーズと合わなかったのだろう。
この穴は主にスモールセンターのタイスとNBA初挑戦となるユーロ産ビッグマンのマトコビッチ、そしてドラフト指名されたイブ・ミッシらで埋めることとなる。いずれの選手も単騎ではバランチュナズに劣るが、チームとの噛み合わせはどうか。


予想順位: 4~6位



10. オクラホマシティ・サンダー

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG S.ギルジャスアレクサンダー/I.ジョー
SG L.ドート/C.ウォレス
SF A.カルーソ/A.ウィギンズ
PF Jal.ウィリアムズ/Jay.ウィリアムズ
C C.ホルムグレン/I.ハーテンスタイン

HC M.デイグノルト

若さ×健康=最強! ベテラン加入で更なる高みへ

昨季最大のサプライズチームは間違いなくサンダーだ。ギルジャスアレクサンダーがシーズン平均31.4得点で奮闘したものの10位に沈んだ前年から、Jal.ウィリアムズの飛躍とホルムグレンの加入により一気に1位にまで駆け抜けた。スタメン5人全員が70試合以上出場しており、若さ故に健康な1年を過ごせたのであった。
一方、プレーオフではマーベリックス相手に惜敗し、西制覇をあと一歩のところで叶えられなかった。結果、チームは当時スタメンの中で浮いた存在となっていたギディーを放出し、より脇役として高評価されているベテランのカルーソを呼び寄せた。さらにFAからハーテンスタインを獲得し、控えビッグマン不足にも対処。ついに弱点の見つからないチームとなりつつあるサンダーだが、来季こそ優勝に漕ぎ着けられるだろうか。


注目新加入選手: アイザイア・ハーテンスタイン

全体43位指名と低評価気味にNBAキャリアをスタートさせ、チームをたらい回しにされていたハーテンスタイン。25歳にしてニューヨークの地で才能が開花し、ミッチェル・ロビンソンの不在を持ち前のハッスルプレーで見事に塞いだのだった。この活躍と反して、中堅プレイヤーを多く擁するニックスは彼との再契約を見送り、サンダーは棚からぼた餅を得られた。
彼のリバウンドやカッティングなど身体を張るプレーに積極的な姿勢は、サンダーのスピーディーな戦術とよく合いそうだ。守備に必須なフットワークも有しており、ドートやウォレス、カルーソ、ホルムグレンと並べば鉄壁のラインナップを組むこともできる。どんな起用法にも応えられる可能性を秘めており、フィット感の確認が非常に楽しみだ。


注目退団選手: ジョシュ・ギディー

オーストラリア代表を率いる姿が印象的なギディーだが、サンダーを引っ張る存在とはなりきれなかった。6位指名でNBA入りし、初年度から二桁得点達成に至るなど十分な成績を収めていたが、いまひとつなスリーポイント確率と器用貧乏とも言えるスタイルが徐々にライジングチームから必要とされなくなったのだ。
ギディーを活かせなかった責任はコーチ陣にもあるが、代わりにプレータイムを増やすであろうカルーソはまだ使用感がわかりやすいはずだ。これでギルジャスアレクサンダーを明確な1stオプションに据え、Jal.ウィリアムズが独立遊軍として助攻する戦法が確固たるものとなったのではなかろうか。


予想順位: 4~6位



11. フェニックス・サンズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG T.ジョーンズ/M.モリス
SG B.ビール/G.アレン
SF D.ブッカー/J.オコギー
PF K.デュラント/R.オニール
C J.ヌルキッチ/M.プラムリー

HC M.ブーデンフォルツァー

新規戦力とコーチ交代で固めたいチームの方向性

デュラントとビールの電撃移籍により、ブッカーを含めたビッグスリー体制が急遽発足。絵に描いたような快進撃には至らなかったが、西6位とまずまずの戦績を記録した。しかし、プレーオフではウルブズにスイープ負けしてしまうなど、3人の強靱なエースを抱えながら勝負強さを発揮できなかった。
この問題の根本は、レイカーズでのビッグスリー体制失敗を認知しながらフランク・ボーゲルをHCに登用したことにある。複数のディフェンダーを適切に組み合わせて守備網を張る彼のコーチングスタイルは、ロスター層の薄いサンズと噛み合わなかったのだ。
これを受けて、サンズは新たな指揮官にブーデンフォルツァーを雇用し、FAから複数の不足戦力を補った。FA戦力は所詮「他チームと再契約に至らなかった余り物」とも言えてしまうが、それを新HCがどうつなぎ合わせるか注目
したい。


注目新加入選手: タイアス・ジョーンズ

3人のスコアラーを擁するサンズにとって、ポイントガードは必須の補強点だった。今オフやっと獲得された正統派ポイントガードのジョーンズは、グリズリーズの控えPGとして頭角を現した選手であり、得点力はそこそこながら1人でもプレーコントロールできる戦力として優秀だ。ビールとのボールシェアで攻め口の一極化を防ぐことも可能で、ブッカーはクリス・ポールと組みNBAファイナルまで進出した当時と似たプレースタイルに戻れるかもしれない。


注目退団選手コーチ: フランク・ボーゲル

前述のとおり、ボーゲル元HCはディフェンダーの取り扱いに長けたコーチだが、オフェンス戦術の柔軟性はいまひとつであり、サンズのエース3人もこれに適応しきれない様子であった。「デュラントを抑えれば勝手にターンオーバーしてくれる」の典型方式で敵チームが守り切れてしまう場面も多々見受けられた。
後任のブーデンフォルツァーにはこれらの改善が求められる。サンズと同じく、ドリュー・ホリデー、クリス・ミドルトン、ヤニス・アデトクンポら3人のスターを抱えていたバックスを優勝に導いた経験もあり、一定の信頼を置けるだろう。


予想順位: 1~3位



12. ポートランド・トレイルブレイザーズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG S.ヘンダーソン/D.バントン
SG A.サイモンズ/S.シャープ
SF D.アブディヤ/J.ウォーカー
PF J.グラント/T.カマラ
C D.エイトン/D.クリンガン

HC C.ビラップス

難航気味の中核探し、ロスター整理は時間の問題?

デイミアン・リラードとCJ・マッカラムを放出して以来再建に勤しむブレイザーズだが、今オフは特に大きな改造を施さなかった。ヘンダーソンやシャープらにスターとしての将来を見ているのかもしれないが、一刻も早くプレーオフ争いに参戦できるように、高齢なグラントや脂の乗ったサイモンズ、エイトンらを来季中にトレードする方針も現実的である。
今年7位指名で入団したクリンガンや新加入のアブディヤなど、一線級の人材となりうる若い戦力は揃いつつある。あとは破壊力のあるエースを外部から取り込むか、ドラフトで掘り当てるか、育成に賭けるかの方針を来季中にハッキリさせたい。


注目新加入選手: ドノバン・クリンガン

クリンガンはコネチカット大でNCAAトーナメント2連覇を果たしたディフェンダータイプのビッグマンだ。エイトンと役割は被るが、近年のトレンドであるビッグマン需要に応えた指名となった。
ヘンダーソン、シャープらと年齢の近いセンターが手に入ったため、順当に育てばエイトンやロバート・ウィリアムズ放出の準備も万端となる。彼の成長曲線の勾配は、チームの意志決定に大きく関わるだろう。


注目退団選手: マルコム・ブログドン

ブログドンの放出はチームの急務であった。怪我の少なくない彼がハイパフォーマンスを保っているうちに売り出す必要があったのだ。ブレイザーズはこれを果たし、若手ながら即戦力級のアブディヤを手に入れることができた。
ブログドンの退団はヘンダーソンにとって好都合だろう。プレータイムをぐんと伸ばすことができるため、来季平均20得点以上を記録しても不思議ではない。これを果たすことができれば、チームの運営陣は彼に安心して未来を託せるはずだ。
さらに、彼の放出で次に注目が集まるのはグラントだ。昨今のウィング需要はかなり高いはずであり、売りに出そうと思えば簡単に売れると思われる。問題は見返りの程度だが、ここはクローニンGMの手腕が試される。


予想順位: 11~15位



13. サクラメント・キングス

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG D.フォックス/K.エリス
SG K.ハーター/M.モンク
SF D.デローザン/J.マクダニエルズ
PF K.マレー/T.ライルズ
C D.サボニス/A.レン

HC M.ブラウン

超オフェンス特化布陣は優勝まで尖り通せるか

サボニス獲得とブラウンHC就任で西3位に上り詰めたキングスであったが、今季わずか2敗増えたのみで9位にまで転落、プレーオフ出場すら叶わなかった。リベンジに燃える来季、カリフォルニア出身のデローザンを迎え入れ、昨季以上に攻撃的なラインナップで列強に宣戦布告する。
デローザン獲得以上の大きな動きは無く、かねてより問題視されている守備面の解決についてはもはや二の次と判断しているようにも思えるが、この超攻撃的ラインナップで再び優勝候補に躍り出れば、キングスがバスケットボールのトレンドセッターとなる未来も考えられる。まずはトレード期限までの戦績に注目したい。


注目新加入選手: デマー・デローザン

キャリア晩年に差し掛かってるデローザンだが、ついにカリフォルニア州への凱旋が叶った。35歳ながら未だにスター級のパフォーマンスを披露しており、怪我もかなり少ない。この火力増強は、キングスのオフェンスをさらに激しく燃やすだろう。
デローザンといえば勝負強さやミッドレンジの精度で有名だが、これはフォックスにも共通する。唯一の違いは、スピーディーなプレーよりポストアップなどでじっくり組み立てる攻め口が多いことだ。これがブラウンHCの流動オフェンスに加われば、良いアクセントとなるに違いない。
アシスト力も買われており、フォックスとサボニスの仲介役としても機能するはずだ。守備で大きな貢献が見込めないことに目をつぶれば、スコアラーとして完璧なフィットではなかろうか。


注目退団選手: ハリソン・バーンズ

バーンズはケビン・デュラント移籍前の王朝期ウォリアーズでスピーディーなオフェンスシステムを経験していたため、ブラウンHCの下でも輝ける存在であった。しかし、同じウィングのキーガン・マレーが台頭して以来不要論が噂されはじめ、ついに退団が決まった。
ウォリアーズでのウィギンズのように、彼はキングスでウィングディフェンダーとしての大役を担っていた。デローザンも身体を張って守れる選手ではあるが、やはり劣る部分がある。この穴埋めに最適な人材として、キングスはマクダニエルズの補強に成功している。ハーターやエリスを差し置いて、彼がスタメンに抜擢される試合も見られるかもしれない。


予想順位: 7~10位



14.サンアントニオ・スパーズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG C.ポール/T.ジョーンズ
SG D.バッセル/S.キャッスル
SF K.ジョンソン/J.シャンパニー
PF J.ソーハン/H.バーンズ
C V.ウェンバンヤマ/Z.コリンズ

HC G.ポポビッチ

ポイントガードの大幅補填でプレーオフは間近?

新エース: ウェンバンヤマの試用期間に費やした昨季であったが、彼はルーキーシーズン早々に平均21.4得点 10.6リバウンド 3.6ブロックの大活躍でNBAを支配する準備を整えた。一方、彼をコントロールするポイントガードの不足が懸念事項とされていたが、ドラフトで冷静なコンボガードのキャッスルを4位指名し、さらにFAからポイント・ゴッドの異名を持つポールの獲得に至った。
必要だった補強を済ませて迎える来季、バッセルやジョンソン、ソーハンとも噛み合えば、念願のプレーオフ回帰を果たせるかもしれない。デビッド・ロビンソン、ティム・ダンカンに次ぐ「ビクター・ウェンバンヤマ時代」の到来はすぐそこなのだろうか。


注目新加入選手: ステフォン・キャッスル&クリス・ポール

前述のとおり、2人のポイントガードの加入には大きな可能性を見いだせる。
キャッスルはコネチカット大のNCAAトーナメント連覇に貢献した選手であり、優れたパスビジョンを持っている。NBA環境にも順応しうる大型な体格も有しているため、来季早々に出場機会を得ることとなるはずだ。
ポールは言わずと知れたNBA史に残るポイントガードだ。高齢によりシーズン完走は難しくなっているが、依然としてハーフコートでのプレーメイクやミッドレンジゲームの創出には長けている。名将ポポビッチとのコミュニケーションで、どんな新時代のバスケットスタイルが産み出されるか楽しみだ。


注目退団選手: デボンテ・グラハム

グラハムの退団は、新たに複数のポイントガードを獲得できたスパーズにとって苦痛ではない。しかし、スパーズ移籍初年度に平均13.0得点の活躍を収めていたことは記憶に新しい。少なくともNBA級であることは証明していた彼がプレータイムを減らし、最終的に放出された理由について、やはり年齢の影響が大きいと思われる。
同じくベテランのマクダモット、オズマンらも保持されなかった。このように、ここ数年のスパーズはベテランをあまり有効活用しない傾向にある。どちらかと言うと若手に実地経験を積ませたいタイプの育成方針であるが、来季から加入するポールとバーンズは満足にプレータイムを得られるだろうか。


予想順位: 11~15位



15. ユタ・ジャズ

☆予想メインローテーション10名(+HC)

PG K.ジョージ/J.クラークソン
SG C.セクストン/J.ジューザン
SF L.マルケネン/B.センサボー
PF J.コリンズ/T.ヘンドリクス
C W.ケスラー/D.ユーバンクス

HC W.ハーディ

若年化は再建の兆し?気になるチームの運営方針

マイク・コンリー、ドノバン・ミッチェル、ルディ・ゴベアらがクイン・スナイダー元HCとともに西カンファレンスの最前線を走っていた時代が去り、次世代へのバトンタッチが行われる……かと思いきや、ジャズからは売り出しやすいであろう現状戦力をほとんど動かす気配がしない。マルケネンはウォリアーズ、クラークソンはレイカーズなどから関心を持たれていたが、結局トレードには至らなかった。
一方で若手戦力は増えつつある。プレータイムの少なかったローテーションプレイヤーを一掃し、今年ドラフトで指名した3人全員と本契約を結ぶなど育成年代の確保には意欲的である。
若手とベテランの融合を目指すにはスターパワーが不足しており、方向性がハッキリしないのが現状だ。来季途中、ジャズがどんな動きを見せるか注目したい。


注目新加入選手: カイル・フィリパウスキ

ジャズの補強はドラフトが主軸であったが、中でも注目したいのがフィリパウスキの完成度だ。彼はセブンフッターながらフォワード系統のスキルセットを備えており、マルケネンに似た印象を受ける。元々昨年度のドラフトで1巡目予想が多かった選手であったが、怪我によりエントリーが撤回され今年のNBA入りとなった。
そんな今年も1巡目指名を予想されていたことから、彼はグリーンルームへと招待されていた。しかし、30位までに名前を呼ばれることはなかった。その印象的な落胆の様子は、インターネット上に拡散されてしまっている。
結果的にジャズが新天地となったが、これは彼に良い影響を与えるだろう。マルケネンのMIP受賞、オールスター入選を後押しした経験はフィリパウスキの育成にも使えるはずだ。汚名返上の場はすでに整っている、あとは真価を示すのみ。


注目退団選手:  シモネ・フォンテキオ&ケリー・オリニク

ジャズは昨季途中にフォンテキオとオリニクを放出した。2人は大型のフォワードとしてラインナップの高さ維持に貢献していたが、放出された2月8日以降5勝25敗と大きく戦績を落としている。
このような経緯からも、チームはやはり再建に向けて舵を切るべきだと主張する声が多くなっている。中途半端な姿勢が泥沼化してしまう前に、なんとか対応策を講じたいものだ。


予想順位: 11~15位



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