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SW/AC通信vol.13

福祉、地域、教育などのさまざまな分野とアートをつなぐ相談事業、Social Work / Art Conference(SW/AC)がニュース形式で情報をお伝えするSW/AC通信です。今回はメディア掲載情報とSW/ACが行っているインリーチ(勉強会)の実施報告です。

コネクタTVに取材いただきました。

アートや文化の現場に様々な形で関わる人の動きを紹介するコネクタTVでSW/ACの活動が取り上げられました。相談事業をテーマにお話ししました。

インタビュー SW/AC Social Work / Art Conference
一般社団法人HAPSの相談事業の一つで、社会の様々な課題とアートを結びつけた活動づくりを相談者と目指すSocial Work / Art Conference(略称:SW/AC)の奥山理子さんと小泉朝未さんにお話を伺いました。
企画:npo recip
撮影・編集:加藤文崇
協力・資料提供:一般社団法人HAPS

コネクタTVウェブサイトより

関西を中心に様々なアートプロジェクトに関わる人々のアーカイブにもなっているコネクタTV。他の動画もチェックしようと思いました。

ディレクターの奥山がラジオ出演しました。

Air STUDYHALLウェブサイトより

FM KYOTO α-STATION でオンエアされているAir STUDYHALLにSW/ACディレクターの奥山がゲストとして登場しました。

奥山がキュレーターを務める「みずのき美術館」での活動や、アートと共生に関わるSW/ACでの相談事業について話しました。
SW/ACについては、展覧会やイベントを主催するのではない立場から、アート関係者と福祉、地域、教育などの関係者をつなぐときに何を大切にしているかお伝えをしています。相談ケースの例も挙げました。関心が向いたときに、ぜひウェブアーカイブをご視聴ください。

2022年6月4日放送分
今回は、「みずのき美術館」設立のお話や「アール・ブリュット」について、また、SW/ACディレクターを務める「一般社団法人HAPS」のことも伺っています。

Air STUDYHALLウェブサイトより

2022年6月5日放送分
今回は、奥山さんに「ワコール・スタディホール京都」の “ライブラリー”で本を選んでいただきました!

Air STUDYHALLウェブサイトより

「SOUDAN」にインリーチを依頼しました!

SW/ACの核となる相談対応を深化させるべく、今年度は専門機関のインリーチ(勉強会)やアウトリーチ(出張リサーチ)などを積極的に行っていく計画を立てています。

6月は芸大生や若手アーティストが直面する様々な困りごとを考える相談員のネットワーク「SNZ(シノバズ)」が開設した「SOUDAN」にインリーチを依頼しました。講師は森純平さんと長谷川新さんです。

HAPS HOUSEで開催したSOUDANインリーチ

「SOUDAN」は、YURAKUCHO ART URBANISM(YAU)の中に開設された相談所で、日毎に担当相談員がおり、カウンセラー、インストーラー、経理など専門領域の異なるゲスト相談員を迎えながら、様々な質の相談に対応することを目指されたそうです。

なぜ、SOUDAN(相談)なのか
アーティストはたった一人で孤独に作品を作るのでしょうか。そういう場合もあるでしょうが、それだけが唯一の「アーティストのやっていき方」ではないはずです。展覧会の始まる前から、そして終わった後も、さまざまな人との協働があります。まだ固まってないアイデアを口にしてみること、具体的な技術的相談、機材や場所や運搬手段の話、ちょっとした専門知の共有、プロジェクトへのお誘い、悩みの打ち明けーーこれらをひとまず「SOUDAN(相談)」といってみます。
「SOUDAN」という視点から考えてみると、たとえばアーティストとキュレーターの関係は、たんに「展覧会に呼ぶ/呼ばれる」といった関係にとどまらない、ということに気づかされます。あるいは、「全ての情報が確定してから専門家に依頼する」という「雇用」や「契約」や「発注」といった関係性とは少し違うダイナミズムが垣間見えてきます。

「SOUDAN」ウェブサイトより引用

30分と言う時間のリミットを設定し、他の人に聞かれていい相談に限定する点など、SW/ACとの違いを確かめつつ、上記の「なぜSOUDAN(相談)なのか」に見られるように、相談というコミュニケーションの形式の持つ可能性に話が広がりました。

完成したアイディアでなくても共有したいことを話したり、わからないこと、知らないが知りたいことを聞いてみることができるのがSOUDAN(相談)ですが、相談員たちから見ると、芸大生や若手アーティストにとってもそうした場は非常に少ないとのこと。トークイベントを企画して、そこで何か知見を得てもらうだけでは現状の彼らの困りごとには響かないからこそ、相談の環境を整え、話を聞いたり聞かれたりする場を作ろうとされたそうです。
「SOUDAN」は建築家も参加するプロジェクトであることから、椅子のしつらえやブースの作りなどにも変化を持たせて、相談がしやすい場所づくりがなされました。

また相談を聞く相談員の「セルフケア」の問題についても考え始めているとのこと。SW/ACでも、一回の相談対応でできる範囲(情報提供、必要な人をつなぐこと、課題を一緒に整理することなど)をあらかじめ相談者に伝えることを始めていて、相談したからと言って必ず問題を解決しなければならない、プロジェクトを実現しないといけないという重荷を互いに感じることがないように心がけています。
解決というのは一足飛びには辿りつかないもので、一緒に考えていく時間を持つこと、相談を重ねた先に必要な資源や関係者と出会っていくことを重視するようになりました。相談できる環境を整えつつ、気負いすぎない状況を作ることは互いのケアともつながるかもしれないと今回のインリーチで気づきました。SW/ACでもゲストを呼んでの相談会など企画してみたいと思います。

「SOUDAN」の紹介はこちら
相談員らによるラジオも公開されているので、ぜひご参考に。


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